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《書籍化、コミカライズ》稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ  作者: 嵐華子@【傾国悪女】3/5発売予定
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If影虎~2人だけの物語⑦~ラビアベルside

「本当、あの時と同じね」


 トゲツの顔色だけでなく、女が跨がって密着していた部分も、げんなりしている。


 恐らく私が全権限を完全掌握するまでは、女だけでなくトゲツの願いも叶えていたのだろう。

女が跨がっていたにしては、色々な意味で乱れがない。


「トゲ……」

「ごめん!」


 声をかけようとした途端、トゲツが謝る。


「色々……誕生日だったのに、こんな醜態……本当にごめん!

でも信じてくれ!

俺はあんな女に反応なんかしてねえ!

頼む!

ラビが好きなんだ!

ラビだけを愛してる!」

「えっと……トゲツ?」


 叫ぶ内容は、乙女心にクリティカルヒットしそうよ?

けれどトゲツは、とんでもなく必死の形相。

いわゆる甘い雰囲気的なやつが、全くないのだけれど?


「だから……だから……完全犯罪をやるなら、いっそ俺がやる!

ラビアベルは手を汚すな!」

「……」


 思わず無言になった。

するとトゲツは、私の無言を否と取ったらしい。


「手を汚しても、俺はラビアベルの側にいたい!

信じてくれ!

俺は……俺の俺も、1ミリだってあんな勘違い女なんかに反応してねえ!

ラビアベルだけにしか、絶対反応しないんだー!」


 ……どうしましょう?

怒りは霧散したけれど、ともすれば下ネタ告白、んんっ、とにかく甘い言葉でもないし……正直、どう反応しろと?


 戸惑っていると、いつの間にかトゲツの両手の拘束が消えていた。


 あらあら、私の権限が緩んでしまったのかしら?


 なんて思う間もなく、トゲツが私に駆け寄って、捨てられたくないとばかりに抱きつく。


「だけど……ごめん。

この空間に入ってから、何でかラビアベルじゃない黒髪の女の人とか、エイナ子爵っぽい女の人が頭をチラついてて。

だけど、その2人がラビアベルみたいに思えて……駄目だって思っても、どうしてか愛おしいって、守りたいって感情が湧いちまう。

くそっ、何で……ごめん、ラビ」


 トゲツの顔には、戸惑いと悲壮感が漂っている。


 対して私の心には……熱が生まれ始めた。


「断じて、2人に欲情なんて感情はないんだ。

魔法で誓約したっていい。

ただ、あの2人の姿がチラつく度、ラビに大事な何か……何かを言わなきゃならねえって思うのに……何を言っていいのか……ごめん……」


 きっとトゲツに前世の記憶は、明確に戻っていない。


 なのにトゲツの中には、影虎が月和とラビアンジェ()へ抱いていた想いが残っているのね。


 とはいえ影虎の想いは、今世のトゲツからすると意味不明な感情に違いない。


 当然ね。

前々世の私達は、当初こそ男女の恋心から始まったけれど、想いが深まって愛となり、過ごす時間と家族が増えたからこそ、情が絡んで愛情へと変質していった。


 最期を迎えるまでの数十年は、男女の生々しい愛情よりも、家族としての穏やかな愛情を感じる日々だったのだから。


 何よりも、記憶があるまま四度目の人生を歩む私と違い、前世の記憶がほとんどないトゲツは、心も若い。


 ラビアベルである私に、男として恋や愛を感じても、まだまだ情が絡んだ愛情には遠く及ばない。


 1つの体に、2人分の感情が存在しているようなものかもしれないわ。

それも記憶がない影虎(1人)の方は、どう名前をつけていいかもわからない、未知の感情でしょうし。


 戸惑うのも理解できる。


「いいの。

私達にはこれからも、共に過ごす時間があるもの」

「ラビ……んっ」


 そう言って背伸びして、今世で初めてトゲツに口づけた。

 

「ラビ……んんっ、ちょっ、ラビ……んんっ

?!」


 何度か口づけてから、魔法で身体強化して、トゲツをお姫様抱っこ。


 からの、そのままベッドに放り投げ、押し倒す。


 縛られていたせいで赤くなっていたトゲツの手首を癒してから、亜空間収納に溜め込んでいたフワフワなフェイクファーで覆った手錠をトゲツにかけた。


「へ?

あれ、ラビ?

これは……」


 今度は私がトゲツに跨がって、静かにしろとばかりに人差し指でトゲツの唇を抑えてから……。


「黙って?

お・し・お・き。

しましょうね」


 そう言って微笑んだ。

いつもご覧いただき、ありがとうございます。

◆前回の答え◆

→誘拐犯のフルネームは、逆から読むと『カンチガイ=ガール』。

ネーミングセンスがない作者で申し訳ない!


さてさて、番外編の本編的な話はこれでラストとなります。


次回は、番外編の後日談的な短いショートストーリーです。

ラビ視点、トゲツ視点と投稿して、完全完結です(=゜ω゜)ノ


【宣伝】

3月に書き下ろし作品がベリーズファンタジー様より発売されます!

2月に入ったらプロローグから1章までを、ベリーズカフェで見られるようにするので、よろしければご覧下さい!

カクヨムやなろうでは規約に引っかかるはずなので、できない(^_^;)

ヒロインや作風の空気感が本作と似ているので、本作を気に入っていただけた方にはオススメです( ´艸`)

とりあえずの作者ページ↓

ブラウザ保存でもしていただければ!

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本作書籍版の5巻(最終巻)も好評発売中です!

是非ともお手元にm(_ _)m

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