7.悪夢
パチリと、もう何度目だろうとつい思ってしまう、気付いたらベッドの上での目覚め。
窓からは朝の光が差している。
光といっても、雲の隙間から少しだけはみ出てる光だけど。
「すー、はー」
と深呼吸をしながら体を起こす。
「おはようございます。マスター」
響きのある心地の良い中低音のイケボ。
ベッドの横で白衣を纏った黒髪ロングの長身イケメンが、胸に手を当ててお辞儀をしている。
傍で私の目覚めを待っていたようだ。
そしてちょっとドキドキしてしまう。
なぜなら、このシュバルツ・フランベルド、私の好みをかなり詰め込んでいる。
特にスーツの上から着ている白衣。(ジャケットはあったりなかったりで、たまに
Yシャツの上に白衣)
私は昔から落ち着きのある知的な、お兄様や、おじ様に弱い!(主に二次元)
「おはよう、フラン。来てくれて感謝するわ」
「私にマスターの要望を断る理由はありません」
フランは首を軽く横に振りながら言った。
紳士的な振る舞いに満足する私。
その私に、フランの後ろ、壁際で目をそらして顔を横に向けるクラウド。
フランとクラウドの間にいるプレセアは、 目線と顎でクイッと下に向けてアイコンタクトを送っている。
(下?)
足元に何があるんだろう? と視線を床に向ける。
すると、そこにはナント。
「す、すね毛ぇぇ!!」
白衣の下からすね毛が飛び出していた。
え? 靴下は? 素足で革靴?
というか、ズボンを履いている感じもないんですけど。
まさか!? と思い胸元に視線を変える。
「ぬほっ!」
同じく素肌。白衣の下に服を着ている形跡なし!
(噓でしょ!?)
私は慌てて白衣の襟を掴んだ。
上司による大胆なセクハラなのはわかってる。
でも確かめられずにはいられない。
産みの親として!!
両手で白衣をバッ!と広げた。
「ぐはっ!!」
広げてびっくり。
白衣の下は下着一枚だった。
こんなの、不審者情報でしか聞いて事ないよ! 実物を見た事ないよ!
バタン!
私はショックで気を失った。
†
「う、ぅ……」
ベッドの上で目を覚ました。
窓からは朝の光が——。
そっか、夢だったんだ。
そうだよね。あんな事が本当のわけないもの。
「大丈夫? お姉様、けっこう魘されてたけど」
ずっといてくれたのか、ベッドの横で椅子に座っているプレセアが心配してくれた。
「すごく怖い夢を見たの。とてつもなく恐ろしい夢。夢でよかったぁ~」
ホッと胸を撫で下ろしながら言った。
「お姉様、そのすごく怖くて恐ろしい夢って、白衣を着た長身の露出狂であってる?」
「え?」
どうしてプレセアが夢の事を……。
プレセアは私に正面を向けながら、親指でクイっと後ろを差した。
プレセアの後方で二人の男が壁際で正立している。
一人はクラウド、もう一人は……
「すね毛ぇ!? 胸毛ぇぇ!?」
私は気絶した。




