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エーテルコード:ヴァリアスワールド  作者: エトコッコ
宇宙篇

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第2話「作戦会議」


司令室。


そこには、トーマスとファクターズの姿があった。


トーマスは先ほど、火神から直接作戦内容の共有を受け、それを4人へ伝えていた。


「アメリカ軍トップからの直々の指名とはねぇ……」


閃は少し驚いたように言う。


閃だけではない。


他のファクターズも、ムート将軍と直接面識はない。


だが、“アメリカ軍トップ”という肩書きだけで、その人物の重みは十分伝わっていた。


「正体不明機……」


音は不安そうに呟く。


「その正体不明機に、フレアⅢ……あまりに情報が少なすぎる」


トーマスは静かに眉をひそめていた。


「ファクターズには、現場で状況を判断しながら行動してもらうことになる」


「……毎度のことながら、本当にすまない」


トーマスは深く頭を下げた。


「な、何でトーマス総帥が謝るんすか!」


烈は慌てて言った。



ファクターズは、早速作戦会議を始めていた。


「フレアⅢまでの移動は、俺がやるとして……問題は、その後だよなー」


閃は腕を組みながら言った。


フレアⅢ付近までは、《雷化瞬来》で接近できる。


つまり、敵に気づかれず一瞬で近づける可能性が高い。


「ただ、《ソウル・テザリング》はすぐ解除しねーとな」


烈が言う。


その通りだった。


今回の任務では、4機がそれぞれ別行動に近い形で、複数のミッションを同時進行する必要がある。


ファイ戦のように、4機で固まって動き続ける戦法は取れない。


そのため、移動後は即座に《ソウル・テザリング》を解除。


各自エーテルを一定量回復してから行動を開始する流れになる。


「んで、問題は——俺と音だな」

「うん……」


烈の言葉に、音も静かに頷いた。


理由は、2人のエーテル属性にある。


烈は炎、音は風。


自然法則に従えば、そのどちらも宇宙空間では本来発生しない。


もちろん、エーテルスキルは“エーテルそのもの”を媒体としている。


そのため、完全に使用不能になるわけではなく、使い方次第では発動も可能だ。


だが、環境の影響を大きく受けるのも、また事実だった。



「烈と音は、今回フレアⅢの攻略を担当してほしい」


閃はそう言いながら、2人を見た。


「俺と怜は、2人の護衛と敵機の討伐をメインに動く」


怜も静かに頷く。


烈と音とは対照的に、閃と怜の属性は、宇宙空間との相性が良い。


「敵の規模が分からない以上、長期戦を想定して動いた方がいい」


その言葉には、全員が同意していた。


「間違いなく、“Pジャマー”の妨害はあるな」


烈が言った。


Pジャマーとは——

EN兵器への干渉と、広域電磁妨害技術を組み合わせた複合妨害兵器。


かつての世界大戦では、各国が標準装備のように使用していた。


現在でも、オルフェをはじめとする一部の研究施設や軍事基地では、防衛設備として配備されている。


「まずは、それを真っ先に破壊するしかないね」


閃は言った。


フレアⅢの詳細データが存在しない以上、頼れるのは現地での情報収集のみ。


だが、Pジャマーが存在する状態では、ドローン運用が著しく制限される。


さらに——


正体不明機の存在。


それが、今回最大の不確定要素だった。


その後もファクターズは、細かな役割分担や想定される状況について、作戦会議を続けていった。



そして——作戦内容が決定した。


まず、閃の《雷化瞬来》によって、4機はフレアⅢ付近まで一気に接近する。


その後、《ソウル・テザリング》を解除。


約30分待機し、消耗したエーテルをある程度回復させてから、作戦を開始する。


最初の目標は、Pジャマーの発見と破壊。


そして、敵機が現れた場合は、閃と怜が前線へ出て、敵を引きつける。


その間に、烈は引き続きPジャマーの破壊を進行。


同時に、ツムギのビットを用いて、フレアⅢ内部のデータ収集と共有を行う。


そこから動力部の位置を特定。


発見後は、烈と音が内部へ潜入し——フレアⅢの動力部を破壊する。


これが、今回の作戦概要だった。


そして——


“フレアⅢ攻略作戦”の決行は、明日の早朝となった。



EDドッグ。


閃は、能勢と話していた。


「両肩にガトリングガン。ラックはアサルトライフル」


「あと、両腰にマガジンを2つずつ」


閃は、バサラヲ用の装備を注文していた。


「わぁー、重装備だねぇ」


能勢は少し驚いたように言う。


普段の閃からは、あまり聞かない装備だった。


「Pジャマー対策と、長期戦を見越して、です」


閃はそう答えた。


閃が指定した装備は、すべて実弾兵器。


Pジャマーの影響を受けない構成だった。


「オッケー。やっとくねー」


能勢は、いつもの気の抜けた調子で返事をする。


「よろしゅう」


閃も笑顔で返した。

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