表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男の大聖女さま!?  作者: たなか
第3章 同甘共苦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/1316

第55話 告白

「へ……?」


 今、なんて言われた?


 僕を、愛している?

 エリス様が?


「ど、どうして……?」


「それはその、一目惚れ……と、言いますか……」


 聞き間違えじゃないことによって更に思考が停止してしまい、僕は呆けてしまっていた。


「でもでもっ、一目惚れなだけじゃなくて! 人柄が素敵なところとか、普段は可愛いけどたまに頭がよくて決めるカッコいいところとか、可愛いところとか、全部を知って好きになったのっ!」


 可愛いって二回言ったよ、この女神様……。


「では、()に女装させたのは?」


「それは……ソラきゅんが男装していたら、女の子の方から寄って来ちゃうだろうから……」


 そんなことあり得ないと思うけど。

 だって前世でそんなこと一度もなかったし。


「それに……ソラきゅんには心から幸せになってほしいから、女の子達が寄ってくるより自分で相手を選んで貰いたかったの」


「エリス様……」


「私は何があってもあなたの味方のつもりだから……。 別にあなたとお、お付き合いできなくても……なんならそ、側室でも良くって……。 単に好きだって伝える必要があっただけだから……」


 とても健気なエリス様。


 僕はどうしていいか分からなかった。


 面と向かって愛していると言われたのなんて、本当に初めてだった。


「正直、どうしていいのか分からないです……」


「そ、そうよね。 こんなこと急に言われても……」


「いえ……嬉しくないわけじゃないんです。 エリス様、美人ですし……。 でも、私にとっては初対面ですから……」


「ソラきゅん……」


「その呼び方……やめてほしいです。 ()()()()()を思い出すので……」


「あ、そうよね……ご、ごめんなさい。 ()()()()()()()()()()()()から、つい癖になってしまっていて……。 ソラ君、でいいかしら……?」


 向こうで「きゅん」呼びをしていたということは、()()()()()()()()()()()()()()()ということだ。

 消したい過去を、この人には知られてしまっている。


「はい……」


 僕は恥ずかしくなって顔を真っ赤にした。


「ほ……本当は、会ったらまずエルーちゃんの件で怒って、その後に感謝をしようと思っていたんです」


「感謝……?」


()をあの世界から救ってくれてありがとうございます。 こんな()でも、友達がたくさんできましたって……」


 下を向いていたが、エリス様の方を見つめ直す。


「私はエリス様を勘違いしていました」


 僕には初めてのことでよくわからなくなっているけれど、その親切心はおそらく下心(シタゴコロ)から来るものなのだろう。


「でもそれは、勘違いしてしまうくらいにお互いのことを知らなさすぎるからだと思いました」


 手をさしのべる。


「ですから、まずは友達から、です! ()にエリス様のことを、色々と教えてください」


「は、はいっ……!」


 そう言って僕が求めた握手に、エリス様は恐る恐る応じた。



 ◆◆◆◆◆



 エルーちゃんとエリス様とサクラさんでお話があるそうで、僕とシルヴィアさんは追い出されるように天庭を後にし、朱雀寮へ。


「なんだか……なにもしていないのに疲れました……」


「お疲れ様です、()()()


「……そういうことでしたか……。 なんだか色々と理解しました」


 いや、理解しても納得しているわけではないんだけど……。


 2階の僕の部屋から庭を眺めると、エレノア様のお祝いなのか、みんなでバーベキューをしていた。

 僕とシルヴィアさんは下へと向かうためドアを開け自室を出る。


「……こんな()の、どこがいいんでしょうか……?」


「主なら、『全て』とおっしゃるでしょうね」


「……」


 こんなに大きな愛情は、愛情が皆無だった世界にいた僕ではとても一度には受けとめきれない。

 その結果があれだ。


 自分の曖昧な決断に、自分自身が一番納得がいっていない。


「あんな返答で、本当に良かったんでしょうか……?」


「それなら心配ありませんよ」


 自信満々にシルヴィアさんがそう言う。


 共用スペースの窓からみんなのいる庭に出る。

 すると突如大量の流れ星が落ちてゆく。


「この流星群が証拠です。 主は今、歓喜に震えておりますから」


 雷の時といい、なんとまあ分かりやすい……。

 でも『他人からの愛情』初心者(ビギナー)からすると、それは非常にありがたいことなのかもしれない。


「……アドバイスと言う程でもないですが、()()()はしたいようになされば良いと思いますよ。 私も主の一部だから分かりますが、それが主の一番の望みですから」


 そういえば意志繋がってるからシルヴィアさんはエリス様でもあるのか……。

 見られているとは微塵も思ってなかったから、恥ずかしさに僕はシルヴィアさんの手を取った。


「お、おおお奥方様っ!?」


「せっかく綺麗な星空の下でバーベキューやってるんですから、シルヴィアさんも行きましょう!」


「で、ですが私は天使ですから食べる必要は……」


「ほら、楽しむだけでもいいですから!」


 女神様が愛してくれているのなら、僕も少しは生きている意味があったのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ