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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第3章 同甘共苦

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第54話 邂逅

 ワープ陣に乗って、一度聖女院に戻る。


「服装は、男じゃなくていいんですか?」


「ソラちゃんの男装は、刺激が強いらしいからダメだそうよ」


 刺激が強いって、どこが……?

 そんなこと初めて言われたんだけど。


「ではまずエルーシア、貴女は私が天庭まで連れていくから」


「は、はいっ!」


()たち以外も、天庭にいけるんですね」


 確か聖女と神様しか行けない場所だって聞いたけど……。


「正確にはエリスとエリスが入ることを許した人が入れるのよ。 シルヴィはエリスが作った分身みたいなものだから実質エリス本人みたいな扱いらしいわ」


 そ、そうだったんだ……。

 シルヴィアさんはエルーちゃんを抱えると天庭へとワープした。


「さあ、私たちも行くわよ」


「はい」


 心のなかで念じ、二度目の天庭へ移動した。



 ◆◆◆◆◆



 天庭に着くと、相変わらず真っ白な空間に雲みたいなソファーがあるだけだった。

 着いた瞬間に何かがひゅっと消える気配がした。


 僕とサクラさんとシルヴィアさんとエルーちゃんはいるけど……


「あれ……? エリス様は……?」


 待ってるって聞いたのに、居なかった。

 留守なのかな?


「エリス!! 観念して出てきなさい!!」


「そうですよ、(あるじ)! いい加減向き合うべきです!」


 サクラさんが怒鳴ると、シルヴィアさんまでそう言う。


 神様が居留守使っていたってこと?


 というか神様に怒鳴っていいの……?

 まあエリス様とサクラさんは友人らしいし、別に気にすることじゃないか。


 でもなんだか、威厳の欠片もない光景を見てしまっている気がする……。


「エリス! 出てこないのなら、今からここで私がばらすわよ!」


「わあああ!! だめだめだめええぇっ!」


 突如空間が裂けて、20代後半くらいの容姿をした白色の長髪のお姉さんが出てきた。


 白色のローブのような衣服から出てくる肌色さえも白く輝いていた。

 真っ白さを象徴したようなその見た目は、神聖さの権化。

 女神様と例えるほかなかった。


 空間魔法か何か?

 僕がゲームで見たことないことが起きていて、少しワクワクする。


「あっ……」


 そそくさとソファーの後ろに隠れるお姉さん。

 少し尖った耳がピクピクと揺れていた。


「あの、もしかして……エリス様ですか?」


「……は、はいっ! そうです。 生きててごめんなさい……」


「えっ」


 いったいどうしたの……?

 ソファー越しにちらちらとこちらを覗いてくるエリス様。


 神様なだけあってとても美しい容姿をしているのに、自分に自信がないのかな……?


「あ、あの……そのままでも大丈夫ですから……。 まずは約束を果たしてくださいませんか?」


「そ、そうですね……。 まずエルーシア、貴女には色々と迷惑をかけてしまったこと、謝罪いたします。 申し訳ありませんでした」


 深々と土下座するエリス様にエルーちゃんも土下座する。


「そ、そんな……女神様にっ、恐れ多いです! どうか顔をおあげください!」


「許して……くれますか?」


「私は理由もわかっておりますし、最初から怒ってなどおりませんから……」


 やっぱりエルーちゃんも知ってたのか……。

 本当に僕だけなにも知らないんだな。


 でもひとまず、約束は守ってくれたみたいでよかった。



 ◆◆◆◆◆



「それで、理由を教えてください」


 半ば自棄になりつつ、そう聞いた。


「それは単純な話よ」


「……」


 単純な話なら、黙る必要はないんじゃないの……?


「ほら、自分から言うって決めたんでしょう?」


「……」


 なんかサクラさんがこの女神様の親御さんみたく思えてきた。


 サクラさんに促されて意を決したエリス様は、初めてソファーの後ろから離れ、ボクの方へ歩いてきた。


「ソラきゅん……」


 きゅんなんて()()()()に言われたよ……。


 神様の完璧な容姿がだんだんと近付いてきて。

 僕はその白く美しい瞳に。

 そのピンクの唇に。

 そして白く端麗とした髪に圧倒されてしまった。


 けれど、向こうもなんだか近付いてくるたびに顔がだんだん赤くなっている気がする。


 そしていよいよエリス様と対面すると、エリス様は両手で僕の右手を優しく被せるように包み込んだあと、真っ赤に染まった顔でこう言った。

 

「私は、あなたのことを……世界の誰よりも一番愛しています」

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