第510話 高貴
「お義父さん、お義母さん、明けましておめでとうごさいます」
「明けましておめでとう、今年もよろしくね、皆」
「明けましておめでとうございますわ、お義父様、お義母様」
「今年もよろしくお願いします、マーク公爵、セレーナ夫人」
「もう、堅いわ、シル君。私達のことは家族のように接してくれていいのよ」
「ですが……」
「緊張するのは分かるけど、この人達は大丈夫だから。ほら……お義母さんとお義父さんって呼んであげてほしいな」
「ふふ、ソラ君の気配りも嬉しいけれど、孫が出来たことへの喜びもあるのだから、普通におばあちゃんで構わないわよ」
「セレーナ、少しは男の恥ずかしさも分かってくれないと。シル君、私達のことは呼びやすいように呼んで構わないからね」
「ありがとうございます、おじい様、おばあ様」
「ふふ、ソラ君の言うことはよく聞くのね。仲良くて羨ましいわ」
そうかな……?
「私からも紹介したい人がいるんだ。ルージュ、おいで」
「失礼いたしますわ!」
赤い縦ロールの少女が扉からやってくる。
すごい、縦ロールがドリルみたいになっている人は初めて見たかもしれない……。
年齢的にはシル君と同い年くらいだろうか?
「明けましておめでとうございます!そして初めまして皆様、わたくし、ルージュと申しますわ!」
「この子はテーラー・ルージュ。私の弟夫婦の二番目の子だ。この子の兄のロットがテーラー子爵家を引き継ぐことは決まっていたのだが、この子はまだなにも決まっていなくてね。うちは一人っ子でルークが聖女院に行ってしまったから跡取りがいないもんで。試しに姪のルージュに女公爵を薦めてみたら親も本人もやる気満々みたいでね。賢いところはあるし、丁度今年から聖女学園の試験を目指しているから、しばらく学園に近いうちで預かってみようということになったんだ」
「はい、ソラお姉さまの妹になれるなんてとても光栄ですわ!シェリルお姉さまも、セラフィーお姉さまも、シルク様も、よろしくお願い致しますわ!」
とても元気そうな子だ。
「お姉さま……!なんと甘美な響き……!」
「ちょ、シェリルお姉さま、持ち上げないでくださいましっ!」
なんかの琴線に触れたシェリーは頑張って抱き抱えると、高い高いをするように持ち上げた。
いつも筆持ってるシェリーだけど、どこにそんな力隠し持ってたの……?
「是非シェリーお姉さまと呼んでちょうだい!」
「シェリーお姉さま!わ、分かりましたから下ろしてくださいましっ!」
「すみません、私の内なる高貴さが露呈してしまいましたわ……」
口調まで移ってるし……。




