第492話 欲情
「水洗浄」
「ありがとうございます、エルーシア様」
「ありがとう、エルーちゃん」
「い、いえ……」
いつの間にかお義母さんとエルーちゃん、仲良くなってるし……。
……じゃなくて!
三人はエルーちゃんの魔法で身体を清めると、間髪入れずにそのまま入る。
「えっ……ちょ、ちょっと!?」
三人で取り囲むように包囲網を組んで僕に近付いてくる。
「し、失礼します……」
「う……うひゃぁ……!」
僕の後ろにエルーちゃんの声がすると、背中合わせで肌が触れ合う。
「どうして、エルーちゃんまで……」
「ソラ君だって、思春期の男の子でしょう?」
「皆様で、ソラ様を元気にして差し上げようと思い至りまして」
何を元気にしようとしてるのっ!
「それは……ナニで御座います!」
「わざわざ言わなくていいですからっ!」
ナチュラルに僕の心読んでこないでよっ!
「え、えいっ!」
先程まで背中を向けているような感触がしていたと思っていたら、今度は僕の両の肩甲骨に何か二つの膨らんだものの感触が押し寄せてきた。
「エ、エルーちゃん!?」
「あらあら、大胆!」
「これはアレじゃない、何か別の『手』とかなんだ」と脳内で必死に考えはしたものの、擦れる度に聞こえてくる艶やかな声と、どう考えても『手』ではないと認識させてくる小指ほどのサイズの『何か』が肌を通して伝わってくる。
「な、何を……」
「ソラ様が早くお元気になるように、私も精一杯お世話致しますから……」
「元気の意味が違うってば……!」
僕にとって良心の最後の砦だったエルーちゃんがこんなことをしてくるなんて完全に予想外で、僕は頭がこんがらがっていた。
「うふふ、青春だわ!」
「二人とも、止めてくださいよ!」
「大浴場で、大欲情……!これは、捗りますね……」
いやホントに何言ってんの、メルヴィナさん……?
直接見えず肌でのみ伝わってくるためか、僕の後ろでいったい何が起こっているのか、頭のなかで解像度の高い想像だけが掻き立てられてしまう。
それは思春期真っ盛りの僕にとって、あってないような最後の砦を壊すことなど造作もないことだった。
「まあっ♪噂通り大きいのね!」
「ちょおぉっ……!?」
お義母さんのとんでもない一言に、僕は硬直してしまった。
いったい誰が噂したのさっ……!
いや、僕のサイズ知ってるのなんて……エルーちゃんかメルヴィナさんかお義父さんか……って、いっぱい候補いるじゃないか!
「あふぅ……」
ただでさえ不健康で貧血気味で、足りていない僕の血が下半身に集結してしまったのだ。
立ち上がろうとしたところ、頭に必要な血が足りず、僕は貧血で意識を失った。
「「ソラ様!?」」




