第9話 横柄な使者
コロニーは、単独では生きていけない。互いに不足している物を融通しあってきた。往復に数日かかる為、それ程 煩雑に交流してはいないが、周囲の幾つかのコロニーと 貿易?があった。
その一つが、連絡不能となっていた。数日おきに行き来していた『伝書鳩?』が、来なくなった。いくつか理由が考えられるのだが・・・その一つの理由が、やってきた。
「コロニー長は、誰かな?」
横柄な態度で、挨拶も無しに大柄な男と数名の従者?が、コロニーに入ってきた。コロニー中央公園に陣取ったそいつらは、コロニー長を待つ、と言うと 我が物顔で コロニー内を物色している。暴力でどうするつもりないようなので、住民は、遠巻きに見ているだけだった。
「私が コロニー長だが。」
コロニー長がやってきた。横柄な態度から、建物に案内しての接待は ないようだ。公園で 住民に公開しての話し合いが始まった。
「おう、俺は、とある方に使えている。そのお方の言葉を伝えに来た使者だ。」
コロニー長が名乗らなかったから?か、横柄な訪問者も名乗らなかった。
「・・・」
無言で返すコロニー長。
「わがお方は、大陸にて壮大な事業を立ち上げています。それにぜひ参加いただきたい。現在 作成している塔への奉仕者。その奉仕者への支援が こちらへのコロニーにお願いしたいところですが。」
薄笑いを見せる使者、こちらを完全になめている。
「・・・」
コロニー長とコロニーの住人は、同じ反応。こいつ何を言っている?
「即断は無理でしょうから、7日後にまた お邪魔するとしましょう。より良い返事を期待していますよ。」
そいつは、薄笑いを浮かべると、従者を連れ コロニーを出て行った。
公園や道ばた、至る所で 人が集まると・・・横柄な使者・・・・