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靄の正体は

そして只今わたくしリアリサ・ガーランドはギルバート殿下の前で正座をしています


「それで、今日あれだけ1人にならないって約束したのに早速アレックス、というか皆んなとはぐれた理由を説明してもらおうか」



うえ〜〜ん、ギルさん怖いです(泣)




あの後学園まで帰って来たものの一体何があったのか先生から聞かれたけど、なんとなく言わない方がいいかなって思って、自分でもよくわからない、気付いたら1人でいた。とりあえず迷子にならないようはぐれた場所でじっと待っていたと説明しておいた

ゴブリンが出たことを安全のためにも話した方がいいかなって思ったんだけど、多分あれは私だからかなって思って黙っておくことに決めたんだ


先生も納得いかないような顔をしていたけど、先生たちのところに魔物が全く現れなかったことも気になったようで、合わせて報告をしてくると教室を出て行った



そしてこれからお昼っていう今になって、魔法薬学の先生のところから帰って来たギルさんにとっ捕まったというわけですよ!

どうやら教室に戻る途中すれ違った先生から話を聞いたらしく(速攻でバレてるし)皆んながご飯を食べに教室から出て行くのに私だけギルさんの前で正座ですよ



そして正座の状態でさっきあった出来事を洗いざらいはかされましたよ

アレックスは先生にした説明と全く違う話に驚き、ゴブリンが出てきたってとこで今にも泣きそうな顔になっていた


そして何故か一緒に正座をしております



いやいや、アレックスは何にも悪くないよね?正座の必要性を感じないのですが?と言ったんだけど自分もギルに目を離さないよう言われていたのに私のことを見失ったからって

いや、目を離さないようにとか私は小さな子どもですかって声を大にして言いたいですよ!勿論ギル大魔王になっているのにそんなこと言ったりしませんよ、勿論!



そして話を聞いて顎に手を当てた後何やら考え込んでしまいましたが、私たちはいつまで正座ですかね?そもそも今日の出来事は不可抗力だと思うんですよ

それなのにリフジーンリフジーン


心の中で文句を言っていたのに気付いたのかギロッと睨まれました

相変わらずエスパーギルさんです



「ブラン、その黒い靄に心当たりがあるか?」


そして私ではなくブランに話しかけた

えっと私たちはいつまで?あ、まだまだですね。リョーカイリョーカイ


「あれは瘴気だ」


「瘴気?だがこんなとこにあるのはおかしいだろう」


ん?しょーき?正気?瘴気か!


「はいはーい、しつもーん!瘴気とはなんですか?」


右手を挙げて元気に質問してみました

よくファンタジー小説とかで見るけどこの世界のそれと同じかわかんないし一応聞いておかないとね!


おりょ?なんか皆んなグッタリしてませんか?ダイジョーブ?


はあ〜


そんなあからさまに大きなため息つかなくても良くないですか?ギルさんや


「瘴気とは穢れ、悪しき空気というかな

詳しいことは何もわかっていないし、どうやって発生するかもわからない。ただ、ダンジョンの最下層から数十年に一度、数百年に一度噴き出てくるという。この期間は定かではなくこんな曖昧な言い方になってしまう。そしてその瘴気をあびると人や動物は魔物に変わるか死んでしまうらしい。無事だった者は未だかつていないと言われている。逆に魔物が浴びると魔物を活性化させると言われている」


ふむふむ。だいたいおんなじ感じかな?でもなんでいきなり森の中に?

でも皆んなは何も見ていないって言ってた。やっぱり私のとこだけよね。となると狙いは私?

マジ?



「ねえギルくん、リアちゃん、ちょっと気になったんだけどさ」


それまで黙って話を聞いていたアレックスが顔を上げて聞いてきた


「今日突然リアちゃんの姿が見えなくなったでしょ?それでね、皆んなで探したんだよ。大きな声を出して名前を呼びながら。でも姿が見えなくなって多分結構すぐに探し始めたのに見つからなかったし、リアちゃんも僕たちの声が聞こえなかったんでしょ?」


「うん。そうだね」


「それでね、僕おかしいなって思ったんだけど何故かある方向だけ皆んな進まないんだ。まるで見えない壁があったみたいに。皆んなは特に不思議がってなかったんだけどね」


「ふむ。それはシールドか?」


「うーん、シールドなら姿は見えると思うんだけどな。でも多分なんらかの魔法が使われていたんだね」


だからお互い全く姿を見ることも声を聞くこともなかったし、突然私がいなくなったように思えたんだな


「うん。それとね、実はいなかったのはリアちゃんだけじゃないんだ」


は?


「どういうことだ?いなくなったのはリアだけだろ?先生もリアがいなくなったとしか言わなかったし、周りの人間も誰も何も言わなかったんだろ?」


「うん。だから僕不思議で。でも皆んなは分からなかったのに言うの躊躇っちゃって、ごめんね」


「いや、それは逆に言わなくて良かったと思うぞ。誰も気付いていなかったと言うことはそこでもなんらかの魔法を使われていた可能性があるからな

それでそれは誰だ?」


「うん





マリアージュさん、だよ」


すごく、すごく言いづらそうに名前を言うアレックス。アレックスも最近のマリアージュの様子には気付いているみたいだから何かしら感じているのかもしれない



「やっぱりか。もう一人と聞いてそんな気はしたんだ


となると今回の瘴気についても彼女が何かしら関わっている可能性があるな」





彼女はある日を境に私のことをジーっと見つめるようになった。その目は暗く澱んでて視線を感じるだけでも背筋が寒くなる

そして今日の最後のあの視線

あれはマズい。初めの頃の彼女とは明らかに何かが違う

だけど何も証拠はないし、彼女の何がおかしいとかハッキリと分かることは何もない

ただ、兎に角何か嫌な感じがするんだ


「リア、今日言ったけど兎に角一人には絶対になるな。それと彼女には近づくな。気になることがあれば必ず俺に言うんだ。一人でどうこうしようなんて絶対に考えるんじゃないぞ


それとアレックス、今日のことは誰にも言うんじゃない。誰も気が付いていないってことはそこでも何かしらの魔法が使われていた可能性がある。なんでアレックスだけ効果がなかったかは分からないが、そのことがバレるとアレックスも狙われら可能性が出てくるんだ」


うん。そうだよね。私やギルはそれなりに魔法が使える。いや、それなりじゃないか。私なんかチートだもんね。最悪転移の魔法使えばいい

ギルには護衛だってついているし、彼女が何かしているならまずギルには手を出さないと思う

だからこの中で一番弱くて狙われると危険なのはアレックスだ


「アレックス、しばらくの間「嫌だ!」


「リアちゃん、これから先何があるか分からないし危ないから離れようとか言おうとしたでしょ!ダメだよ!僕は絶対にリアちゃんとギルくんといるからね!今日のことは誰にも言わない。何も知らないふりをするよ。少しでも危ないと思ったら逃げるし、二人にちゃんと言う。助けてって必ず言うよ!だから、だから…」


「わかったよ、もう言わない。だけど約束だよ?今日のことは私たちだけの秘密。何かあればすぐに逃げる。報告をする。困ったり万が一狙われたら助けを求める。いい?」


「うん!」


うわー、チョーいい笑顔なんですけど。何この子、男の子のくせに私より可愛いじゃないか!


それにしても


「アレックスってば意外と頑固と言うか、強いんだね。普通こんな話聞いたら逃げるか関わらないようにするよ?」


「前までの僕ならそうだったかもだけど、ギルくんとリアちゃんを見てたらなんか僕も今のままじゃダメだなって。もっともっと強くなって2人といつまでも一緒にいたいなって思ったんだ」


そう言ってエヘッと照れたように笑うアレックスは私以上に可愛らしかった(悔しくなんかないんだからね!)

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