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魔王の娘様は反抗期の様です  作者: タキオス
勇者装備捜索編
9/14

8話:新しい仲間と謎の刺客

優秀っぷりのパーティーに新たな仲間が加わります。

現在、魔王の軍勢を壊滅させた、と言うことで・・・


「祝勝会じゃあ!、飲めや歌えやバカ騒ぎしようぜ。」

「酒じゃあ、酒持ってこーい!!」

「嬢ちゃん、俺と楽しいことしねぇかぁ、ガーハッハッハ!!」


こんな状況である・・・


おい最後のヤツ!!、衛兵の世話になりたくなきゃ止めとけ!、そりゃあ犯罪だ・・・


「ティナ、その手のもの・・・」

「な、なんの事かなァ〜。」

「誤魔化せるかぁ!!」


させまいと体を捻り手のものを守る。


これだけは渡すわけにはいかねぇ!


──このビールだけは!!!


「いい子だから、渡しなさい。」

「仕事終わりだって言うのに、何故ビールを飲んではイケナイというのだ。」

「年齢と噛み合ってないんだよ!」


そんな理不尽な・・・


「楽しんでいるかね、勇者御一行。」

「あぁ、レモか、楽しませてもらってるよ。」


それは良かったとレモは笑う。

そしてその微笑の中、


「良ければなのだが・・・私を仲間にして貰いたい。」

「?、レモの腕なら何処でも通用すると思うが・・・」

「そう言いながら私のビールを取ろうとするな。」


グビグビとビールを飲むなか、レモは淡々と話してゆく。


「こんな年寄りを雇おうとする物好きも少なくてね、それにこう見えても前は帝国で指揮をとっていてな、まぁ恥ずかしい事に、追われる身となってしまったわけだ。それもあって再就職は厳しいのだよ。」

「なるほど、でも本当にいいのか?」

「私は大歓迎ですわ。」グビグビ

「器用なものだねぇ、それと私は自分の目で見極めた結果だからな全く問題無い。」


ならばと許可された。


<レモが仲間になった。>


「隙あり!!」シュバッ

「甘いわ!!」スッ

「賑やかなパーティーに入ったものだなぁ」


この後もラースとティナの攻防は続きビールはカラになったとか。


────────────────────────

あの後ポータルで職安に戻り、酒場にレモと共に戻り飲み直した・・・


所までは覚えてる・・・


知ってる天井だ・・・


横にはラースの胸、抱き着かれてるな・・・


スルッとラースの拘束を抜け、着替え、朝食を摂りに下へと向かう。


「あぁ・・・ティナか、おはよう、ラースはまだ寝ているのかね?」

「おはようございますレモさん、あの人はまだ爆睡中です。」


レモは本を片手に高級紅茶を楽しんでいるようだ。


・・・ここ酒場何だよな?

もう何でも出てきそうだよねココ・・・


酒場に高級紅茶のほのかな香りと言う一種の異様なシチュエーションに戸惑いつつ・・・


「店主!、パンケーキと紅茶、ハニー&チョコレート増し増し、トッピングで生クリームとイチゴも下さい!!」


私も酒場らしからぬ物を頼むのであった。


「朝から飛ばすね嬢ちゃん・・・、ちょい待ち紅茶は直ぐにでも出しちまうからよ。」


店主は厨房、ではなくカウンターの向こうへ行き紅茶を入れてくれる。


・・・この店主、ちゃんと蒸してやがる!

普通なら飛ばしちまう工程も組んで最高の物を出そうと・・・


──ここ・・・酒場だよね?


出てきたパンケーキと紅茶を楽しんでいたが、どうやら寝坊助が起きたようである。


「おはよぉ〜、レモ・・・ティナも。」ナデナデ

「おはよう寝坊助勇者君。」

「おはようございますラース・・・、それと何度も言ってるでしょう!、頭を気軽に撫でるな。」

「朝から連れない・・・」


この勇者らしからぬ物言いどうにかならないものか、本当に性格がコロコロ変わるし、偶に疑わしい・・・


まぁ、実際戦っている所を見ると勇者のそれ以外には説明がつかないが・・・


勇者の武器の一つ、勇者の剣を操れるのは勇者のみだと言う、そこから放たれる一撃は海を割り、空をも割るとか割らないとか・・・


そんな代物を振り回してた訳で、この寝ぼけ面の人は勇者な訳ですね。


次いでいうと勇者の剣の正式名称が有るらしいのだが、それは新たな勇者が決めるらしい。


いつか聞ける時が来たならば笑ってやろうそうしよう、ラースの事だきっと面白い名前だろうなぁ、今から楽しみだぜぃ。


「おいどうしたティナ、何か黒いオーラ纏ってるぞ?」

「何でも無いよォ、気にしないで。」


やっぱり顔とかに出やすいのかね私は・・・


食後のティータイムに入っていたが、レモが暖かな笑みを浮かべ抜け落ちていた物を口にする。


「ところで、この街はいつ出るので?」

「!?」


すっかり忘れていた、ここが快適すぎて、親しみすぎて、すっかり忘れていた。


「明明後日には出ようかと考えている。」

「聞いてないよ!?」

「そうだったか?」

「心配すんなよ、嬢ちゃんたちの部屋は開けとくからよ。」


店主さんは本当に何でもこなすなぁ、私の心まで読むなんて・・・


いや、私の顔にでも書いてあったか。


────────────────────────

時はあっという間に過ぎるもので、旅立ちの日。


「嬢ちゃん達、風邪とかひくなよ?、部屋はそのままにしとくからよ・・・何時でも帰ってこいよ。」

「うんありがとう店主さん。」

「世話になったのぉ。」

「んじゃ行くわ。」


店主さんに貰った弁当を仕舞いこみ、酒場を後にする、所で・・・


「どこに向かうの?」

「ん?、あぁ、ここから西の森を抜けた所にトゥストゥスって言う王国がある。目的地はそこだ。」

「途中まで徒歩になるかの?」

「そうだな、途中小さい街があるからな、一泊してから竜車でも借りて直行になる。」


トゥストゥスか・・・、確か最近国王が変わって絶対王政を敷いてるってシャルが教えてくれたな。

地ビールが名産品何だよなぁ・・・


心がウキウキしていたら急に浮遊感に襲われる。


「何してるんですかねぇ勇者殿?」

「何だよその口調・・・、ほら逸れるだろ?」

「そんなに子供じゃないもん。」


無駄口を叩いていたら、黙っていたレモが鬼気迫る形相でレイピアを抜いた。


「どうしたレm──。」


問い掛けを言い切る前に響く金属音、レモが振り向きざまに払った一閃は何かを打ち落としたようだ。


弾かれた物を見ると、スローイングナイフだった。

レイピアの細い刀身で弾くことが難しいであろうそれを殺気だけで機敏に察知し打ち払ったレモの腕前に舌を巻きつつ、どうしようもない恐怖が俺を襲う。


──が、私によって直ぐに平静になる。


驚くくらい冷静に慣れた。

人間辞めちゃったんだと再認識される。


「暗殺ですか?、卑怯ですねぇ・・・、相当自信が無いと見える。」

「・・・。」

「ふむ、挑発に乗るほど阿呆では無いと・・・。」


心理戦は不要だと言わんばかりにナイフが飛ぶ飛ぶ。


て言うかさ・・・


「ラース・・・。」

「何だよ?」


「──いい加減下ろせ!!」






次回はトゥストゥスまで行きたいですね・・・

(行けるとは言ってない。)

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