浄化
誰に向けたのかもわからないまま、僕は、そっと魔獣に手を伸ばす。
触れたその瞬間――
じわり、と指先から、温かい光が滲み出した。
黒く濁っていた魔獣の体が、ゆっくりと、ほどけていく。
まるで、固く縛られていた何かが、やっと解放されたみたいに。
(……アリガトウ)
最後に、確かに聞こえた。
次の瞬間、魔獣の体は、小さな光の粒へと変わり――ふわり、と空へ溶けていった。
シンと静かになる。
「……今のは……」
兵の一人が、震える声で呟く。
「浄化……?」
ざわめきが、広がる。
「そんな……聖女様の力だ」
「だが、あれは――」
視線が、一斉に僕へと向けられる。
え、と、何、怖い、、さっきまでとは違う意味で。
今僕はなにをーー
「……っおい!!」
ガシッ、と腕を掴まれ振り向くと、ソラさんだった。
さっきまでとは冷静で冷たい顔ではなかった、何故かほんのわずかにだけ、瞳が揺れているようだった。
「……お前‥」
低く、押し殺した声。
「……‥っ」
「え……?いまなんて、、?」
よく聞こえなかった。
しばらくするとキリシタンさんがやってきて、先程の出来事を知り、歓喜して踊っていた。
そんなキリシタンさんの背中を無言で、蹴りをいれるソラさんに、キリシタンさんは怒ってソラさんに話しをしていた。
ソラさんはキリシタンさんを無視して、ビュンと風のようにまた何処かへ行ってしまった‥‥。
小さな子供姿のソラさん‥‥僕の父だと言われてるけど、、、
「‥‥僕をやっぱり殺すぐらい、、いらなかったのかな‥」




