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9 衣装お披露目

 しばらくするとルカとヴィクトリアが俺たちを見つけてこっちに来てくれた。

 ルカの手にはヴィクトリアに露店で買ってもらったであろう食べ物が手に溢れんとばかりに満面の笑みで持っており、ヴィクトリアはヴィクトリアでイブのための衣類を持っている。


「兄さん見て見て!あっちのほうに沢山お店があってね、こんなにおいしそうな食べ物買ってもらっちゃった!兄さんたちの分もあるから皆で食べようよ!」


 こんなにテンションが上がっているルカを見るのは本当にいつ振りだろうか。

 そう思うと目頭が熱くなってきた、油断したら今にも涙が出そうなんだが女性と弟の前で泣くのはさすがに恥ずかしいのでなんとかグッと堪えた。


「おーそうだな、ヴィクトリアもルカを色々なところに連れて行ってくれてありがとうな、それにしてもよくこんな量の食べ物と服・・・ヴィクトリアも二日前にここに来たばかりだろ?よくこんなお金持っているな」


 1日分程度のミルク1本を銅貨2枚で売っている訳だが、さっき見た焼き豚を売っている露店、1食分で銅貨4枚と書いてあったな、それをもとに今ルカが持っている食べ物の量を見てみるとそれだけで大体銅貨30枚、つまり銀貨3枚分くらいってことになる。ちなみに銀貨10枚で金貨1枚分だ。

 それに加えイブのための服や靴も買っていることを考えると結構出費したんじゃないだろうか。

 そう心配していたのだがヴィクトリアは何も心配はいらないといったような顔でこちらを見た。


「光属性の最大の特徴は光の如くすべてを圧倒する速度、私の力に掛かれば2日もあれば金貨10枚程度の量の依頼をこなすことも可能なんだよね」


 そう言いながら自慢げに麻袋を取り出し、中に大量に入っている金貨と銀貨を見せてきた。

 確かに初めてヴィクトリアが助けに来てくれた時、光の速さでケルベロスを断頭していたな、あの速さと強さで依頼をこなしていけばこれだけ稼げるのも納得がいく。

 ヴィクトリアは麻袋を懐にしまうと手に持っていた服をイブに渡した。


「はい、これはマルコの服ね、祝祭ということで結構な種類の服が安売りされていて迷ったんだけど私がマルコに一番似合うと思った服を買ってきたよ。」


「わぁ・・・!ありがとうございます、さっそく着替えますね!」


 服を貰ったイブはおもむろに俺から貰った上着を脱ぎだした。

 いやいやいや一回裸を見られたからってもう男性の目の前で脱ぐか?イブの羞恥心どうなっているんだ俺自身が恥ずかしくなってきたよ。

 俺は即座にルカの体を後ろに回し少しイブ達から遠ざかった。


 ルカが右手に持っていた肉を食べ終わったころにイブが声をかけてきた。


「マテウス、ルカ、どうでしょうか・・・?」


 俺とルカは一緒のタイミングでイブの方を見た。

 黒を基調にしたスーツにズボンに靴、スーツには黄色が所々混じっている、腰には紺色の鞘に入っている剣が見える。そして一番気になったのは白く大きく羽ばたかせているマントだ。


「似合ってるけど・・・マント?」


「えぇ、マントです。」


「マントはかっこいいからな。」


 イブとヴィクトリアは何のためらいもなく答えた。

 確かに冒険者はローブを着ていたりするがマントはあまり聞いたことも見たこともない

 そもそもマントって何のために着るのか分からないしな。

 そう思っていたらルカが呆然としたままイブに近寄ってきた、ルカは立ち止まり少しの静寂のあと口を開けた。


「・・・かっこいい!!」


 んールカもそっち側だったかぁこうなってくると俺がおかしいのかと思えてくるなー。

 ルカの言葉にイブとヴィクトリアは嬉しそうな顔で話している。





 そんな他愛もない話をしているときに急に悲劇はやってきた










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