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入学試験 最上玲次サイド1

(……おかしい、あんなことがあったのに、今日まで何も起きなかった。ひょっとして俺様の思い過ごしか)


ダンジョンで古土たちを囮にしたにも関わらず、冒険者組合からは何かしらのアクションがあると思っていたが、何も抗議や通報などもなかった。


家に連絡が言っていると思い、緊張しながら家に帰ってもいつもと変わらなかった。


(畜生、無駄な緊張をしちまった)


最初はそんな事を思ってやり過ごしたが、時間が経てばたつほど疑心暗鬼に囚われてしまう。


思い切って冒険者組合から連絡が来てないか母親にそれとなく聞いてみるが。


「冒険者組合からの連絡?来てないけど、それより勉強はいいのかい?」


なんて言って、母親は洗い物の食器をカチャカチャと音を立てながら洗い物を再開する。


妹の空にもそれとなく話を聞くために妹の部屋に入り訪ねてみるが。


「何か用事?兄貴。今忙しいから出てってくれる」


冷たくあしなわれた俺様は、部屋から追い出される。


あの協力者に裏切られて携帯を破壊され、新しい携帯を買おうにもダンジョンの失敗続きでお金がない。


かと言ってダンジョンに挑みに行こうにも装備がボロボロでまともに戦うことはできないだろう。


灰城がいつも頻繁に潜っているスライムのダンジョンなら1人でも潜ることができるが、こんなボロボロの格好を灰城の奴に見られたくない。


結局俺様は、入学試験が始まるまで外に出ることはせず。自室で疑心暗鬼に過ごしていった。



入学試験が始まり最初の受付で受験票を出し、俺様は、目の前にある黒い巨大な物体の説明を聞き、ステータスカードをステータスボードに押し当てると名前とレベルが表示された。


最上玲次 


レベル25


レベルが表示されると周りの受験生たちから驚きの声が上がる。


(そう、これだよこれ、この歓声を聞きたかった)


久しぶりに歓声を聞いた俺様は、周囲から聞こえる歓声に上機嫌になる。


「確認が取れました。最上玲次君。この用紙をもって左側の会場に移動してください」


「うっす」


軽い足取りで、鼻歌を口ずさみながら会場に入っていく。


すると、先程まで浮かれていた俺様は、会場に入った瞬間、椅子に鎖でグルグル巻きに拘束されている受験生を見て一気に冷静でいられなくなる。


(なんだ、何なんだよ、これは!!)


俺様は逃げようと入り口に引き返そうとするが、いつの間にか後ろに立っていた男性試験官に後ろから肩を掴まれ制止される。


「君も早く座りなさい、さもないとあの受験者の様に鎖で拘束しますよ」


(くそ、そうゆうことか……、畜生)


逃げられないことを悟った俺様は、大人しく椅子に座り、後悔しながら静かに待つのだった。


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