最後のボール|二年後
あれから二年。
セントラルからCE宣告が出され、第七区画は隔離閉鎖された。
「ボニーのオヤジ。こんな展開なんて俺聞いてないですよ」
ケヴィンはタバコを吸いながら呟く。
「俺もだ。火、貸してくれ」
ボニーは呟いた後、ケヴィンに火を催促する。ケヴィンはスーツの胸ポケットからライターを取り出しボニーの咥えているタバコの先端に近づけて火をつける。喫煙室の天井にタバコの煙が立ち込める。
「なあ、神を信じるか」
ボニーが突然ケヴィンに話しかける。
「神ですか? 俺は信じない口で」
「そうか、俺はいると思っている。出なかったらお前みたいな最高の相棒に出会えなかったかもな」
ボニーとケヴィンはタバコを吸いながら話し合う。
「なあ、赤い靴という童話を知ってるか?」
「ええ、アンデルセンが書いた童話で確か赤いくつを履いた少女カーレンが舞踏会に出かけた時、突如として踊り続けなければならない呪いにかかって、猟師に足を斧で切られたという」
「ああ、レッドボールも同じようなものだと俺は思う」
ボニーは新しいタバコを一本箱から取り出し、火をつける。
「レッドボールと赤いくつが……ですか?」
「ああ、どちらも呪いだ。今の世の中、命を粗末にする奴どれぐらいいるかわかってるだろ」
「ええ、年間に三万五千人前後……でしたね」
そうだ、とボニーは相槌を打つ。
「その命を粗末にしてる奴らに対してレッドボールは生み出されたのだと思う」
「レッドボール……ですか」
ケヴィンは天井を見上げながらつぶやいた。
「レッドボールは退場の色だ。命を粗末にする奴に対しての呪いだ。なあ、お前は命を捨てようとか思ったことあるか」
ボニーの問いに対しケヴィンは、無いと答える。
「世の中の移り変わりに追いつけない奴は自分を見失い、死にせがむ。アンデッド化は死してなおあの世へ逝けない永遠の苦しみを味わせるための罰だ。そんな風に考えちまう。悲しい世の中だな」
ケヴィンは、そうですねと答える。
REDBALL|MURDERCASE -EOF-
Because the life is beautiful, it is wasted to throw it away.
【あとがき|ヘタクソケース】
はい、最終話です。
手抜きです。
それっぽい理由を並べてみました。
もうダメダメ。
てんでダメダメ。
スライドマンも行き詰まり。
もうキツイのなんの。
スライドマンをダラダラと執筆しに行ってきます。
追伸
履歴書の書き方のコツを掴みたい今日この頃。