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後日灰
辺りは薄暗く感じられた。
日は出ているのに、だ。
そう、それは山からのモノ。
飛翔してきては全てを覆い隠す存在。
火山灰で街は文字通りの灰色に染まった。
「さて、坊やたち、今日からはしばらく働いてもらうよ。」
「どうする、アニキ?」
「考えてもミロ、みんな困ってる。それに、婆さんにこう世話になったんじゃあなっ!」
アニキは周りの人に聞こえるような声でいう。
「ほほ、元気な小僧だね。」
「ああ、まかせろっ、婆さん。この家、いや、この街から灰を無くして見せるからよ!」
「そうかい、そうかい。」
おばあさんは優しく笑っていた。




