帰郷編・31『ただあなただけの』
レレーナを失った萌々香は、さらに研究に没頭するようになった。
どれくらいの時間が経ったのだろう。
実験を重ねる度に、毒素に侵されていく体。
何年もひたすら研鑽を重ね、血肉を削りながら儀式陣を完成へと近づけていく。
魂のない神造人間たちも順番に寿命を迎えていく。
萌々香は彼女たちが動かなくなる度に、涙を流して悲しんだ。
エマソンはそんな萌々香に、もう彼女たちと触れ合わなくてもいいんだよ、目を向けなくても誰も咎めないよ、と優しい言葉をかけつづけた。
もとより神造人間はエマソンが造った実験用の有機人形。その一体一体を人間のように扱う必要はない――そう何度も言った。
だが萌々香は、その言葉には決して頷かなかった。
「魂があってもなくても、生まれてきた命からは目を逸らさずに生きていきたいんです。たとえ何があっても、先輩に恥ずかしくない人生を送りたいんです」
「わかったわ。でも、無理はしないでね」
エマソンはそんな萌々香を支え続けた。
とりわけ神造人間の実験には、多くの時間を費やしていた。
「良い方法を思いついたわモモカ。あなたの因子に適合しながら寿命を長くもたせるために、十五歳くらいの年齢で成長が止まるように因子を設定できそうなの。ひとまず百体ほど同じ個体を作って、老化の法則を検証をしてみてるわ」
「モモカ、前回の検証は失敗だったわ。五十体ほど経過観察してみたら、確かに寿命は伸びたけどあなたの魂との適合率が低すぎるの。これじゃ器が完成してもあなたの魂を移せないから意味がないわ。残った五十体は……ええ、もちろん処分せずに保管しておく。何かあったときに使えるかもしれないし、後世にあなたの因子を残す手段にもなるしね」
「ねぇ聞いてモモカ! 今回はすごくうまくいったわ! いままではこの世界に順応させるためにあなたの因子を抑えていたけど、逆だったのよ! あなたの因子率を大きく上げて、数パーセントだけこの世界の人族因子と結合させてみたら、肉体的にすごくしっかりした子ができあがたったわ! たぶん八十年は生きていられるんじゃないかしら! このバランスならあなたの魂との適合もうまくいくかも……ううん、きっとうまくいくわ!」
だがエマソンの真剣な声も、悲しそうな声も、嬉しそうな声も。
萌々香の耳には、あまり聞こえなくなっていた。
「ねぇ萌々香……聞いてる? あともうちょっとなの。あともうちょっとであなたの器が完成するのよ……ねぇ、だから目を開けて? 聞こえてるんでしょ?」
萌々香の体はもうほとんど動かなくなっていた。
目は見えなくなり、足も動かず寝たきりになってしまい、語りかけてくるエマソンの声だけが萌々香の意識に響いていた。
「まだ儀式陣は完成してないわよ。センパイを助けるんでしょ? ねえ、お願いよモモカ……まだ死なないでよ……」
エマソンは震える声で語りかけてくる。
その声が近くなったり遠くなったりと、萌々香の意識は朦朧としていた。
誰に言われなくてもわかる。
長年魔素毒に苛まれた体は、限界を迎えていた。
「くやしいよ……」
最後の力を振り絞るように、萌々香はか細い声を上げる。
「モモカ!」
「くやしいよ、エマソンさま……」
萌々香は泣いていた。
「なにもできなかった……わたし、まだ、なにも……」
「そんなことないわ! あなたの人生はまだまだこれからよ! ほら、起き上がってよ! 目を開けて前みたいに笑ってよ!」
「ごめんね、エマソンさま……こんなわたしのために、いろいろしてくれて」
「諦めないで! 私がいるから、あなたには女神の私が……私、が……」
息も細くなり、命の燈火が消えようとしているのは明白だった。
エマソンの声が、萌々香の耳元で震える。
「何が神よ……人間ひとり救えないで、何が女神……っ!」
泣いていた。
たったひとりの人間を想って、女神が涙を流していた。
エマソンにとって、萌々香は友人だった。
最初はただの数いる眷属のひとりだったのかもしれない。ただの珍しい異世界人、観察対象だったのかもしれない。
だがともに時間を過ごしていくなかで、エマソンにとって萌々香は代えがたい存在になったのだろう。
だから、彼女は祈りを捧げた。
神でありながら、祈りを。
「お願い星誕神様……私がこの世界にいられなくなってもいい。もうここで実験を続けられなくてもいい。だからお願い、私に……私に、モモカを救わせてっ!」
悲痛な女神の叫びが響いた――その瞬間だった。
萌々香の暗い視界に、通知が浮かび上がる。
【極級スキル『数秘術八百萬:万属擬態』を獲得しました】
【『万属擬態』の効果により、肉体機能の修復を行います】
「……エマソンさま……」
「モモカ? モモカ!」
萌々香の瞳が、ゆっくりと開く。
ぼんやりとした視界のなか、萌々香の顔を覗き込んだエマソンと目が合う。
しっかりと見つめ合う。
エマソンは涙をボロボロと流したまま抱き着いてきた。
「あなた、意識が戻ったのね!」
「スキルを授かったみたいです。もう少しだけですけど、なんとか動けそうです……」
「奇跡だわ……ああ、トルーズ様! 慈悲深きその御心に感謝いたします!」
天に祈りを捧げるエマソン。
ベッドに寝ころびながら、萌々香も嬉しそうな声を漏らす。
「エマソンさまもありがとうございます。この最後のチャンス、きっとものにしてみせますね」
「私も絶対に仕上げてみせるわ。あなたの魂を受け継げる、最高の神造人間を!」
そうして二人は強く決意し、すぐさま研究を再開したのだった。
萌々香の体からは魔素毒は消え、常に万全の状態を保てるようになったが、それでも最期の時は着実に近づいていた。
その最後の命の炎を燃やすように、萌々香は一心不乱に研究を進める。
起きてからも、食事中も、寝る直前までも、萌々香とエマソンは研究の話ばかりしていた。
そうして時は流れ。
ようやくその時はやってきた。
「……できた」
完成した儀式陣を、萌々香は息を呑んで何度も確認する。
「間違ってない……よね。完成したよね……?」
何度も、何度も。念入りに。
ちょうどその時、エマソンが研究室に飛び込んできた。
「完成したわモモカ! あなたの器が、新しい肉体ができたの! まだ魂の転送を万全にできるとは言えないけど、ひとまず器ができたの! やったわ!」
そして床一面に描かれた儀式陣を見て、萌々香に飛びついた。
「モモカもついにできたのね! やったわ! やったわモモカ!」
「は、はい……エマソンさま、わたし……あ」
力が抜けたのか、倒れ込む萌々香。
生涯をかけた儀式陣がようやく完成を迎えて、緊張の糸が切れたのだろうか。
いや、それだけじゃなかった。
「あれ……何も見えない……停電? どこですか、エマソンさま?」
「モモカ、あなた、目が……」
スキルを授かってなんとか動かしてきた体も、本来ならもう擦り切れていたものだった。
とっくに肉体の寿命は終えていて、いつ死んでいてもおかしくなかった。
再び暗闇に閉ざされた萌々香の視界のなかで、エマソンが強く励ましてくれた。
「だ、大丈夫……もう少しの辛抱よ。器はできたんだもの。あとはもう一度だけ奇跡を信じましょう」
そうして慌てて萌々香を運んでいくエマソン。
新しい肉体に、魂を移すつもりだ。
「そこでゆっくり寝てて。きっと目が覚めたら、あなたはもう一度自由に走り回れるわ。この世界に来た時のあなたの美しい姿に戻って、今度はセンパイを探しに行けるのよ」
「はい」
「だけどひとつだけ……あなたの魂はこの世界では脆弱で、転送時の魂の保護が確実とは言えないの。もしかしたら記憶の欠落が起こるかもしれないわ。少しだけ記憶喪失になるかもしれない」
「……はい」
「でも安心して。もし記憶が曖昧になっても、目が覚めたあとのことはちゃんと書いておくから。身の回りのお世話は侍女たちに任せていいけど、あの子たちもいつまでも動いてられるわけじゃないから、これからはなるべく自分でがんばるのよ」
「あの……エマソンさまは? どこかに行かれるんですか?」
まるで自分がいなくなるように言ったエマソン。
不安がる萌々香に、女神は優しく囁いた。
「心配しないで。私はずっとあなたと一緒よ」
「でも、じゃあどうしてそんなこと……」
「あなたの魂だけじゃ、足りないから」
愛おしむように、エマソンが萌々香の耳元で囁く。
すると真っ暗な視界のなかに、ぼんやりと灯りが浮かんだ。
綺麗な光だ。
魂の転移が、始まったのだろう。
「本当ならあなたの魂はとっくに擦り切れてたはずなの。かろうじて保ててるけど、このままだと転送時に消えそうなくらい……だから、足りない分は私の魂をあげる」
「……エマソンさまの? そんなのダメです!」
「いいの。私は女神だから、現世で動く肉体に必要だっただけで、多少欠けても次の世界に行くころには戻ってるわ。それにもうこの世界でやり残したことはないし、他の神々と同じふうに現世から離脱するだけよ。あなたが悲しむことじゃないの」
「そんな……」
光が次第に強くなる。
萌々香の中に、流れ込んでゆく。
「それにね、もうとっくに神の時代は終わったの。本当ならこの世界は自然のままに移ろいゆくのが一番だったのに、私がみっともなく残り続けてただけなのよ。……まあ、だけど、最後にちょっとだけ贔屓しちゃおうかな」
萌々香の意識が薄れてゆく。
エマソンの声が、少しずつ遠くなってゆく。
「あなたの魂に、ちょっぴり女神をお裾分け。そしたらけっこう長生きできると思うから、あなたが助けたかった大事な人を、あなたの手で守れるかもしれないでしょ?」
「エマソン……さま……」
「さあ、もう眠りなさいモモカ。さようなら、私の愛する友人よ。いままで本当に楽しかったわ。だけど私はいつでもあなたと共にいることを忘れないで。いつでも、いつまでも……」
女神エマソン。
ヒト種の神にして、萌々香を支え続けた母のような存在だった。
萌々香の意識は暖かな光に包まれて、深い眠りへと落ちてゆく。
こうして百舌萌々香としての人生は、一度終わりを迎えたのだった。
そして――
【女神エマソンの福音により、種族が変更されました】
【種族の変更によりスキル『数秘術八百萬:万属擬態』が『数秘術八百萬:森羅万象』に進化しました】
【異界の祈願が開花しました。スキル『数秘術0:虚構之瞳』を獲得します】
■ ■ ■ ■ ■
その時は、訪れた。
「……ここは……」
実験室のベッドで起き上がったのは、ひとりの女性。
黒髪黒目の美しい女性の姿だった。
彼女は周囲を見回した。すぐ近くのベッドで横たわる同じ黒髪の女性を見つける。
息を引き取ったその女性を眺めて、彼女はつぶやいた。
「知ってる……あなたはモモカ。たったひとりのために世界を渡ったひと。そして私は、あなたになれなかった人形……」
奇跡は二度も、起こらなかった。
エマソンが想定していた通り、記憶に欠落が生じていた。一部の記憶は有していたものの、それもすべて自分の外側にある〝知識〟として認識しているだけだった。
別の人格が生まれてしまった。
彼女はベッドの脇に寄り添って、亡くなった萌々香の手を握りしめて涙を流す。
「ごめんなさい……私、あなたになれなかった。あなたたちは、私をあなたにしたかったはずなのに……生まれてきて、ごめんなさい。ごめんなさい……」
まるで懺悔するように、何度も何度もつぶやく。
涙が枯れるまで謝り続けた。
だがどんな言葉をかけても、言葉が返ってくることはなく。
彼女はしばらくして、何も言わない萌々香の額にそっと口付けた。
「わかってる。あなたは優しいから、きっと私のことも責めない……どんな人形も、ちゃんとした命として見てくれてたもんね」
だからこそ、彼女は萌々香の人格を引き継げなかったことを、悔いているようだった。
とはいえ、いつまでもそのままというわけにはいかない。
彼女はエマソンの残した書置きに従って、萌々香を弔う準備を始めた。
そんななか、自分の服に縫い付けられてあるプレートの数字を見つけた。
そこに刻まれていたのは『1001』という数字。
萌々香は数字をもとにすべての人形に名前をつけていた。
彼女も少しだけ考える。
「ねぇモモカ。あなたなら、私にどんな名前をつけるの?」
彼女は安らかに眠る萌々香に問いかける。
だが返事はない。自らも目を閉じて、萌々香から引き継いだ知識にも語りかける。
そして答えを見つけた。
「シェヘラザード……そうね。たくさんの物語を愛したセンパイならたぶんそう付けるかも。わかった、私は今日からシェヘラザードね」
シェヘラザード。
そう自分を呼んだ彼女は、一人だけの研究室で大きく深呼吸を繰り返した。
女神エマソンは消えて萌々香も永遠の眠りについた研究室は、渇いた静寂に満ちていた。
せっかく付けた名前も、誰かが呼んでくれることはなかった。
「モモカ。私はあなたになれなかったけど、あなたの想いは知ってるから。どうか安らかに眠ってね」
彼女はそうして、もう一人の自分とも母親ともいえる萌々香の遺体を、丁重に火葬した。
萌々香は煙となって、空に消えていった。それはまるでこの世界からいなくなったエマソンを、追いかけていくかのように。
その後、シェヘラザードは研究室を片付け始めた。
萌々香が遺した資料をまとめて保管したり、エマソンの研究記録を処分したりと、この地を去る準備を進めていた。
いままで住んでいたはじまりの丘の研究所も、地下の研究室を封じて、綺麗サッパリ片付けてしまった。
萌々香の私室を整理している最中、彼女は一枚の手紙を見つけた。
引き出しの中に、大切にしまわれていた普通の手紙だった。
「これは……」
そこには綺麗な文字で、丁寧に萌々香の想いが綴られていた。
まるで遺書のように、亡き後の世界に向けるように、美しい文字が並んでいた。
彼女はじっくりと、想い出を味わうようにその手紙を読んだのだった。
『拝啓 愛する七色先輩へ
この世界に来て、もう何年も経ちました。
目も見えづらくなってきたし、足も動かなくなってきました。
そろそろ体も限界みたいです。
本当を言うと、直接先輩に会ってみたかったです。
わたしは大人になったし、会っても先輩は気づかないかもしれません。
そもそも私のことを憶えてないかもしれません。
だけど一度くらいは会いたかったです。
そんな時間もチャンスもないことは、知ってます。
だからこうして手紙を書きます。
先輩がいつこの世界にやってくるのかわからないし、この手紙が届くことはないはずだけど、最後だから正直に書きます。
わたしは先輩が好きでした。
ずっとずっと、大好きでした。
……ねえ先輩。
わたしはうまくできましたか?
先輩の助けになることが、できましたか?
その答えが出る頃には、わたしはもういません。
だからわたしの願いはひとつだけです。
どうか、幸せになってください。
それだけがわたしの願いです。
さようなら先輩。
ただあなただけの命でありたかった
百舌萌々香 より』
「モモカ……」
彼女は手紙をそっと閉じる。
まぶたの端に、涙を一粒浮かばせて。
「……ごめんね。私はあなたになれなかったけど」
萌々香の魂を受け継いだ彼女は、その手紙を胸に抱いて誓った。
その想いを胸に、刻み付けて。
「私がこの世界を守ってみせるね。あなたの願うその未来を……叶えるために」
それが彼女――後の世に神秘王ロズと呼ばれるようになる神造人間1001の、長い長い旅路の始まりだった。
あとがきTips~神造人間1001~
〇神造人間1001
女神エマソンがつくりあげた萌々香の魂を受け継ぐ最高傑作の神造人間。自らをシェヘラザードと名付けた。
外見は萌々香の転移時(二十二歳)と同じ。エマソンの調整により各種耐性や寿命も高かったが、『魂魄融合』の術式を使用してエマソンの魂を一部混ぜたことで半神半人の極位存在(亜神)へと進化したため、数秘術『森羅万象』も合わせて不老不死になった。
萌々香の記憶は一部欠落しており、かつエピソード記憶としてではなく知識として保存されてしまったため、萌々香の自意識とは別人格が形成された。ちなみにエマソンの記憶はない。
補足知識として、シェヘラザードは『千夜一夜物語』の語り手である王妃の名前。物語の語り手としては世界で最も有名な一人で、七色楽が憧れていた存在でもあった。また1001には色々と数秘が隠されているが、語ると長くなるのでここでは割愛。
■伏線について
ここからは作者からの補足です。
さりげなく回収した伏線や、語られていなかった背景を解説していきます。
ストーリーとは関係ない蛇足部分なので、解説が不要な方は読み飛ばしてください。
・異世界で黒髪黒目がロズたち神造人間だけだった理由
萌々香の遺伝子を濃く残した者だけが、黒髪黒目として登場しています。初めてロズを見たルルクも「日本人の顔だ!」と驚いており、この世界に日本人の誰かが転移していた伏線となっていましたね。
・教皇と同じ姿の神造人間がたくさん保管されていた理由
今回出てきたように、萌々香のためにエマソンが本気で研究をした結果です。なお魂の転移術式は『融合』の権能を参考にしており、残った50体の体内に初めから実験的に組み込んでいます。2000年前に目覚めた教皇が偶然魂を宿していたおかげで、教皇が同型の神造人間に移る場合のみ使用できました。エマソンも色々試行錯誤していたようですね。
・サトゥルヌがロズの名前について言及しなかった理由
サトゥルヌに記憶を奪われる前のロズは、シェヘラザードと名乗っていました。当時の物語はロズの出生まで触れる必要はなかったため、サトゥルヌのセリフは「先生」で統一していました。ただ記憶を失ったロズが口走った「ダークエルフが生き残っていない」「研究所」というワードや、魔族(魔神ダニエリフの眷属)がその特徴を持っている理由は、今回の過去編で明かされましたね。
・ルルクが魔素欠乏症だった理由
六歳のレレーナは現世に転移して、ムーテル領の伯爵家に拾われました。とても美しくて頭脳明晰で優秀、しかも教会で「女神エマソンの加護」があるとわかったため、丁重に扱われ伯爵家の娘として育てられました。快活だったレレーナはすぐに子どもの頃のディグレイ・ブレッド(現国王)・ゴウカ(パンツクール家長男)の幼馴染トリオと仲良くなりました。ディグレイとはそのうち恋仲になり、結婚まで至っています。そして三番目に産んだルルクが、魔素欠乏症を遺伝してしまいました。楽が死んだルルクを生き返らせるように憑依したのも、運命に導かれた結果でした。
ちなみにリリスの母親リーナは、伯爵家の末娘でありレレーナの義妹です。幼い頃から姉婿のディグレイに憧れていましたが、レレーナを失って消沈したディグレイを慰めるため、政略結婚の道具として15歳で自ら嫁ぎました。そのためディグレイとは歳の差があり、リリスの歳がルルクの一年下で……という語られない大人の恋愛事情がありました。まあディグレイの恋愛とか誰得って感じですけどね。
・後輩ちゃん(萌々香)がプロローグに登場していた理由
言うまでもないですが、最たる伏線がこれですね。姿を映さず、声だけだったのもすべて今回の帰郷編のを描くためです。萌々香は教皇やロズの顔とそっくりなので、記憶を見るまで何が何でもルルクに顔を見せなかった萌々香はすごいですね。メカクレ属性、いいですよね(声を大にして言う
他にも細々した伏線があって(魔神ダニエリフがなぜ残っていたか、など)話し始めるとキリがないですが、今回はこのあたりで終わりにしておきます。
ロズにまつわる物語は、萌々香が紡いできた想いの結晶です。
作者がこの作品を描くのに一番最初に組み立てた部分です。作品構成的な視点からだと、萌々香がメインヒロインと言ってもいいかもしれませんね。それくらい思い入れが強いのが今回の帰郷編でした。
ご清聴ありがとうございました。次話もお楽しみください。




