砂漠の怪物?との再会
「まぁ、決めるのは雪村自身だから参考程度に考えといて」
「田原先輩が通っている大学に魔法科学科があるんですか?」
「ありますよ。だから可愛い後輩をこうして誘ってるんだよ、雪村君」
きりっとかっこよく決めたつもりらしいけど、正直僕は全然かっこ良いとは思わなかった。
それから話題は例の『条件』の話になり、僕は田原先輩の説明を受けた。
その後、準備の為に僕は先輩について行くことになったんだけど…。
「真さん、どうしたんですかっ!?」
桜子は帰ってきた僕の恰好を見てそう叫んだ。
出来れば叫んでほしくなかったけど、人間って何か違うところに気が付くと驚いたり、思考停止
になったりするし、逆に驚かないってなると…そっちの方がなんか嫌だと感じる。
「…どうしたもこうしたもない。僕だって好きでこんなことしてるんじゃないんだから」
僕は田原先輩に『これに着替えて』と言われて、着替えただけ。
正直すごく恥ずかしかったけど…請求額のために頑張った。
「大学のオープンキャンパスで使うものなんだけど、かなり魔法力が必要でさ。それで雪村に頼も
うかなって思ってたんだよ。ランク高いし、強いからね」
「あの…ところでこれはいったい何の衣装なんですか?」
枯野が恐る恐る尋ねる。
「あぁ~ある人気魔法少女アニメの衣装だよ。来年新ストーリーでアニメ化されるってことで…
私が心を込めて作りました」
「えっ、手作りなんですか!?」
桜子が声を上げて驚くと、隣にいたアリスが僕の着ている衣装をじろじろと見る。
「まぁまぁ。とりあえず、協力してくれたら請求チャラにしてあげるからお願いね」
「…はーい」
「んじゃあ、始めるよ。安全のために他の皆、もっと後ろに下がって!」
田原先輩の指示で桜子達は後ろへと下がる。
「開始まで5…4…3…2…1…スタート!!!!!」
田原先輩は手に持っていた何かのスイッチをぽちっと押すと、各場所に設置された装置が起動。
説明を聞いていたけれど、まさかここであの砂漠の怪物?と再会することになるだなんて思って
もみなかった。
「ぐわぁあああー~!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「…ファンタジー設定台無し」
さばーく君とは、名前の通りとある砂漠から生まれた謎に包まれた砂漠の生物。
二、三回ほど訓練に出されたが、その際に出されたものよりはかなり大きかった。
「いけー、さばーく君!!!!」
「ぐわぁああああー!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「…さっさと終わらせよ」
僕は『吹雪』を使って、姿を消した。
「えっ、あれっ!?雪村?雪村どこ!??」←美咲
「…」←影富
「ぐわっ?ぐわわ?」
さばーく君は突然消えたターゲットを必死になって探している。
その間に僕は『雪柳』の準備を始める。
氷の管を作り出すところから始めて、さばーく君の周囲を囲む。
「「綺麗…」」←枯野・春日野
管の部分から花が開花すると棘がさばーく君の頭部を狙い全弾が発射。
自信はなかったけど、『雪柳』が成功して僕はほっとする。
「ぐわぁあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ぎゃあーーーさばーく君がぁー!?????????」
さばーく君は『雪柳』をくらって消滅。
それを見た田原先輩の悲鳴が陸上競技場の外にまで響き渡り、挙句の果てには大泣きして…全員で
彼女を慰めるのが結構大変だった。
魔法力大会はぐちゃぐちゃになって終わっちゃったけど、春日野はこれにこりたのか決闘の話を
全くしなくなったので…めでたしめでたし?になるのかな?




