トンネル
なし
空に昇る
天使のような
はっちゃきをみつめ
自分も続きたい衝動に再びおそわれた
しかし私は
その場を動けなかった
アスファルトの道路が冷たい
小雨なのか雨も降り出した
それは、もしかしたら
はっちゃきの涙かもしれない
眠ってしまったのか
次に氣がついた時
なぜか長いトンネルを歩いていた
何も音のない
登りいっぺんのトンネル
私だけが歩くトンネル
先ほどの痛みはなく
走れたりもする
調子にのって出口に懸命に向かうが
まったく先はみえない。
いたちごっこではないが、走ってもはしっても
そこにたどりつけない。
しかし、遙かが圧倒的に明るい。
出口なのだろう
果たして、そこは天国かはたまた地獄か
苦笑しながらも
もう歩くしかない
ゴールがほんとうに遠い
歩いていたはずなのに三度目覚めれば
またもや白だった
そこは何。と思ったら
白い模様のある天井だった。
そして誰かが私の手を握っている
ブラウンの髪、小柄な女性。
「はちゃき」
ああ、私もついに共に召されたか。
よかったのか、わるかったのか、
私は下界に戻ることが間に合わなかったようだ。
しばし絶句。
しかし、まあ、それもそれで素敵な世界。
静かに傍らで眠るはっちゃきを見つめそう思った。
はっちゃきと暮らそう。
その途端、安心を打ち破る、ピーという甲高い電子音。
突然の人造的な音。
いったいここは何処なのか。
どこにその音の正体があるのかわからない。
そして、どうすることもできない私。
動けないのだ。
寝ているはっちゃきがもぞもぞしている
ゆっくりと顔をあげる
驚いた。なんとケイトではないか。
異様な電子音は鳴り響いたままだ。
私の鼓動が高まる。
ケイトがいたことでなのか、ここはどこなのかでなのか
顔面がほてる。
急に白衣を着た女性があわただしくはいってくる。
機械を止め、その情報を伺い私の様子をみる。
ケイトが驚いている。私の手をにぎったまま何か
言いたそうだが、言葉にならない。
その様子をみて
白衣の女性はあわてて部屋をでていく。
戻ってきたのだ。
それからが大変だった。
医者は大げさに驚き。神は、と言う言葉を何度も口にした。
そばにいるケイトはあいかわらずで、
何もしゃべらなかった。
しかしながらその目にひかるものがあったことに
私が驚いた。
ただ黙って私はなりゆきにまかせるしかなかった。
なし




