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丘陵のさき 世界の先Ⅱ  作者: 玲於奈
2/9

その人の名は

なし

薄いカーテンが降りているような白色の霧。

さきほど山が明るくなったと思ったが

まだまだ夜明け前。

白の中に、黒の道がまっすぐに伸びる。

10分ほど歩いた。

だが、こちらに来る車も私の後ろから来る車もない。

私としては、乗せてもらうことをずっと待っているのだが

氣配はみじんも感じられない。

ここは、湖の周回道路なのだろうか。

私の足は先ほどからパンパンだ。こういう時、日頃の運動不足がもろにでる。

そして、なぜかひどい筋肉痛だ。なぜひどい筋肉痛かは思い出せない。

前を見れば、先ほど白んだかと思ったが

白むどころかますます霧が深くなってきた。雨でも降るのだろうか、

夜明け前だというのに、明るさは感じない。これから天氣は下り坂か。

一刻も早く街にたどり着きたい。


足の痛みをこらえながらさらに5分ほど歩いたところで人の影が見えた。

助かった。

朝のウオーキングか、マラソンランナーか。とにもかくにも助かった。

街までの見通しだけでも聞きたい。

そう思っているとその人は突然現れた。


驚いた。


はっちゃき。


はじめは、はっちゃきに姿の似ている人なのかと思ったが

目を凝らしても、見間違うことのない。はっちゃきのいつもの姿。

頭には、トレードマークの、でかいキャラクターのシュシュ。

ジーパンに、飾り氣のない白のTシャツ。

それにしても、赤いシュシュの色が強い。

白霧の中、その赤が目立つ。

もういいかげん歩き疲れた私は立ち止まって、

彼女がこちらまで来るのを待った。

なし

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