表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『絶対に、家へ帰る。』── 帰れないと言われたので、帰ることにした。  作者: M006
境界の向こう側へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/9

異世界への転移と、サイアクの出会い

風が吹いていた。

 

どこまでも続く広大な草原。


抜けるような青い空と、白い雲。


小鳥のさえずり。


まるで絵本から飛び出してきたかのような、のどかな景色だった。


「…………」


俺――有馬ありま とおるは、草の上に大の字で倒れていた。


さっきまで学校の教室にいた……はずだった。いわゆる異世界転移というやつだろうか。だが、そんな状況に驚くよりも先に、「それ」に釘付けになった。


目線から、わずか十数メートル先……。


平原に風が吹く。


草が心地良さそうに揺れている。


だからこそ。


その存在は異質だった。


「……」


「…………」


そこにいた。


――言語を絶するナニカが。


足が多い。


目も多い。


口まで多い。


何一つ安心できる要素がない。


しかも図体は、大きくもあり小さくも見える。


頭が変になりそうだった。


(だろ……これ、夢だろ……っ、絶対……っ)


顔面らしき不定形の肉塊には、どこが口なのか分からないほど無数の裂け目が蠢いていた。


一言で表現するなら、グラフィックが完全にバグり散らかしたグロテスク生物。見れば見るほど精神衛生上よろしくない、SAN値(正気度)がゴリゴリ削られる見た目だった。


腰から下の力が完全に抜けていた。足が、地面に縫い付けられたように何故か1ミリも動かない。


お互いに見つめ合う。


沈黙。


風だけが虚しく吹き抜ける。


(……帰りたい)


恐怖のあまり目を逸らした、その瞬間。


初々しい女子のように、そのグロテスクな全身が、ぴくんっと可愛らしく震えた。


直後、脳内に無機質なシステム音声が鳴り響く。


【警告】

個体識別名『M001』

高次元存在との接触を確認

精神崩壊の危険性:極大

緊急保護プロトコルを再実行します


【特例スキル取得】

『モザイク Lv.1』


【精神保護パッシブ:強発動中】

『超鈍感力』

『痛覚鈍麻』

『■■■■■■■』

『■■■■』

『■■■■』


【追加エラー】

認識汚染〈強〉を確認

時間因果律に異常

不完全な未来予測が発生


(あ、これ、脳がヤバいことになってるやつだ……)


俺の意識は、そこで暗転した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ