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残された俺たちの戦い3

戦いは終わったが、俺にはもう一つ仕事が残っていた。

王への報告である。これから王都に戻らなくてはいけない。

「お前はこれから魔王を倒した英雄と祭り上げられるはずなのだが…どうしたい?」


王都の貴族達は、今回倒した魔獣の事を魔王と勘違いしている。

俺の事を、魔王を倒した世界最強の英雄と勘違いしている。

奴らのこれからの行動は二種類に分かれるだろう。

・英雄を取り込んで利益を得ようとする者。

・魔王を倒した英雄に恐怖心を抱き、排除しようとする者。

どちらにも関わりたくないし巻き込まれたくない。

俺たちはプランCを遂行することにした。


深手を負った勇者を王都に返す為、辺境から飛竜馬車を出し勇者を王都に移送する。

俺は着替える事も許されず、簡単な傷の手当だけされて、馬車に乗せられた。

飛竜馬車はものすごく揺れた。高度が急激に変わるわ、回転するわ。

飛竜使いがヒャッホーと叫ぶのが時々聞こえたので、かなり楽しんでいたようだ。


3日間の飛竜馬車の旅を終えて、王都についた時には文字通りふらふらだった。

馬車の中に食料も用意されていたが、とても食べる気にならなかった。

飛竜と飛竜使いは途中何度か交代していたようだが、俺に地上で休む時間は与えられなかった。


王宮にたどりつくとすぐに謁見する事となり、王宮の近衛騎士らしい人に支えられて案内された。

謁見の部屋らしき場所につくと、王様と何人かの貴族が待っており…

俺のボロボロの皮鎧と傷だらけの体を見て、一部の貴族が「不敬ではないのか?汚らしい姿で王の御前に…」と囁くのが聞こえた。

親父たちには「城についたら深手を負い、支えられて歩くのがやっと…という演技をしろ」と言われていたが、演技をしなくても飛竜酔いと空腹でフラフラ、報告を終えた途端に倒れた。


倒れた俺は、体を支えていた近衛騎士たちによりすぐに騎士団の医務室に運ばれ…

医療班が治療を試みたがあまりにも傷が深く助けられなかったと報告された。


久々のベッドで天井を見上げる。

魔獣討伐では囮として逃げまくり、王宮での報告中に空腹で倒れ…

「俺、かっこ悪いなあ」「そんな事はない。俺のルーシェを助けてくれただろう」

騎士団長が現れた。最近おっさん遭遇率が高い。


その日のうちに、俺は死んだふりをしたまま再び飛竜馬車に乗せられた。

王による英雄の称号を与えると書いた紙とか、褒美の金とか、騎士団長セレクトによる王都でしか買えないルーシェの好きなお菓子と一緒に。


来た時よりもずっとマシな揺れの飛竜馬車に乗り…お菓子が壊れない様にと騎士団長が厳命したらしい…3日で故郷の村にたどり着いた。

俺の家に戻ればルーシェがいる事は知っているけど、恥ずかしいし緊張する。

実家に帰り、飯を食い、風呂に入り、泊まるか、家に帰るか迷っていたら

「久々の夫婦の時間を邪魔するな」と親父に叩きだされた。


家に戻ると、寝る時間には早いと思うのだが、ルーシェはもう寝ていた。

声をかけると生返事をしたり、寝言をむにゃむにゃ言うルーシェを見ているうちに眠くなり、

「まあいいよな。旅の時はテントで雑魚寝してたんだから」と言い訳をしてベッドに潜り込み、

寝ながらルーシェを補充していたら…朝、驚いたルーシェに殴られたのだが。

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