107.武器のテスト
夏休みが明けてからわずか三日後に、武器のテストがあった。
その内容は「周囲に敵に見立てた人形を配置し、それを指定の数倒す」というシンプルなものだが、その際の立ち回りや攻撃速度、新たに出現した敵への反応速度など様々なことが評価対象になるらしい。
今回はあくまで動かない人形が相手なので、たとえ新たに出現したものに気づかなくても危険はないが、それでも評価の際のマイナス要因にはなる……と先生が言っていた。
また、この人形は現れる範囲は決まっているが、どこに現れるかはわからない。
出現後に動きはしないが、遠くに現れることもあるのでなるべく早く気づき、倒すことが重要になる。
私のように遠距離武器を使っている人はいいだろうが、そうでない人は大変そうだ。
何しろ、今回は魔法は使用禁止ということになっているのだから。
さて、いよいよテストが始まった。
受験者が指定の位置に立つと、近くのどこかに人形が現れ、それを攻撃して全て破壊すると次の人形が現れる。
人形はトータルで三十体出現し、全て倒したらテストが終了する。
先にテストを受けた生徒のそれを見た限り、前半は目の前やすぐ近くに人形が現れるが、後半は遠くに現れたり、一度に複数体現れるようになるようだ。
人形の出現位置は先生が毎回変えているようで、規則性と呼べるようなものはほとんどない。
そのため、常に全方位に注意を払う必要がある。
今回のテストでは、適性がある武器を全て使ってよいことになっているのだが、むしろそれは難易度を上げている。
人形の配置と自分の位置を把握し、武器を適切に使い分ける必要が出てくるからだ。
なお、武器とそれを扱う生徒ごとに立ち回りが異なるため、同じような位置に現れた人形でも、生徒によって気づくタイミングが前後することがあった。
見ていれば見ているほど、自分の番が来た時にどうなるかと不安になる。
おまけに、私の前にブーメランを使う生徒はほとんどいなかった。
つまり、誰かの立ち回りを見て学ぶということができなかった。
弓と短剣についてはそれなりにいたので、そうでもなかったが。
いよいよ私の番が来た。
これまでの生徒の試験を見た限り、複数の武器を扱えるとむしろ不利なようだが、テスト前に使う武器を決めることはできないので、仕方ない。
人形は白いマネキンのような見た目で、攻撃をちょっと当てると簡単に壊れた。
最初は目の前や背後すぐに現れていたのだが、十個目くらいから数メートル離れた場所に現れたり、一度に三個現れたりするようになった。
私なりの目安として、三歩以内の位置にあるものは短剣で壊し、それ以上の距離にあるものは、単体であれば弓を使い、複数であればブーメランを横に投げて壊すようにした。
そのようにして人形を次々に破壊していき、三十個目を破壊したところで先生から終了の合図が聞こえた。
タイムは一分ちょうど。これまでにテストを受けた生徒達とほぼ変わりない、平均的なタイムだった。
ただ、実はタイムはそこまで重要ではなく、むしろ武器を手にしての立ち回りや使い分けが評価に響くという。
一応、すぐ近くに出てきた人形を短剣のように握ったブーメランで攻撃したり、空高くジャンプして弓で人形を撃ったりはしたのだが……果たしてどうだろうか。




