表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒猫のミーちゃん  作者: 梨香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/1

黒猫のミーちゃん

霜月透子さんの『ひだまり童話館』の『またねの話』に参加しています。

 僕が黒猫のミーちゃんに会ったのは、小学生の頃。


「黒猫をもらうことになったのよ」


 ママがそう言った時、僕は「黒猫を見たら不幸になる!」という言葉を思い出した。


「黒猫なの?」


「そうなの」とママは黒猫でも気にならないみたい。


「お友だちの家のシャム猫が何故か黒猫を産んだのよ」


 おませだった僕は、少しエッチな想像をしちゃった。浮気したのかな? とかね。


 でも、黒猫のミーちゃんを一目見た時から、馬鹿馬鹿しい風評は消えちゃった。


「可愛い! 毛玉みたいだね!」


 両手を広げた中に黒い毛玉。それに、ブルーの目が付いている。


「ミーちゃんを可愛がってね」


 うちの猫は、お母さんが子どもの頃からずっとミーちゃんだ。


「黒猫だから、違う名前が良いよ!」と僕が抗議しても、ミーちゃんになっちゃった。


「お前は、こんなに可愛いのに、ミーちゃんだなんて可哀想だね!」


 毛玉のミーちゃんは、毛糸玉が大好きだ。投げてやると、走って咥えて、僕のところに持ってくる。


「賢いねぇ! ミーちゃんは、犬なの?」


「ミー!」と怒るので、犬呼びはやめておこう。


 ミーちゃんは、毛玉だったのに、パクパク餌を食べて大きくなった。


「猫は、一歳で、人間の七歳ぐらいなのよ」


 ママが教えてくれた。


「ははは、まだお前より年下だな! 良かったな、子分ができて!」


 パパってデリカシーがちょっと無いんだよ! それに、ミーちゃんは子分じゃない! 弟? いや、友だちだよ。


 毛玉だったミーちゃんは、シャム猫だったお母さんに似て、艶やかな毛並みになった。

 それに、子猫の頃はブルーだった目は、紺色になって格好良いんだ。


「ミーちゃん、いつまでも一緒だよ!」


 でも、小学校を卒業して、中学生になり、高校生になると、ミーちゃんと遊ぶ時間はなくなった。


 それに、ミーちゃんはもう毛糸玉を投げても、素知らぬ顔だ。


 いつも、陽当たりの良い出窓で寝ている。

 あっ、夏は一番涼しい場所、でもエアコンの寒さは嫌いなので、風通しが良い所で寝ている。


 それでも、家に帰ったら、ミーちゃんを見つけて、クビの下をこちょこちょするのが僕の日課だ。


「ミーちゃん! ただいま!」


「フミィ」と目を開けないまま、返事をしてくれる。


 大学生になって、実家を出て下宿することになった。


「ミーちゃん、夏休みには帰ってくるよ」


「ミー」とミーちゃんは出窓で寝たまま見送ってくれた。


 そう、僕は馬鹿だった。ミーちゃんは、もう年寄り猫だったのに、いつまでも出窓で寝ていると思っていたのだ。


 でも、僕はいつかミーちゃんに会えると信じている。


 その時は、僕も小学生になって、毛糸玉を何回も投げて遊ぶんだ。

 


          お終い


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
毛玉のようなミーちゃん、可愛いですね。 僕より大人になるのがずっと早いのは複雑になりますが、ミーちゃんの一生にずっと寄り添えたのですね。 いつかどこかでミーちゃんに会えるといいですね。
猫ってずっとかわいいから、ついずっと子猫のつもりで接してしまいますね。 ミーちゃん、きっと元気で待っていてくれますね。 笑顔になれるお話でした。
子猫って本当に可愛いですよね! ふわふわのふるふるの毛玉…可愛い。 それが少し大きくなってやんちゃになったらもっと可愛いし、 歳をとってきて動きに落ち着きが出たらそれはそれでまた可愛いです。 先に逝…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ