辛口小説スコップ その8 異世界駐在、36歳課長代理。無双はできないので裏帳簿をつけることにした
【本編URL】
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【前書き】
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
かなり個人の趣向が反映された内容、点数となります。
広く客観的な価値を持つ評価ではありませんので、その辺りはご了承ください。
※こちらは記事を読んだ時点の最新話である『第17話 裏帳簿』までを読んでの感想、レビューとなります。
【あらすじ】
植民地化するファンタジー世界。
酒浸りの元宮廷魔術師を相棒に、体温のないブローカー、オークに変異した官僚、盗賊ギルド幹部のコンプラドールと渡り合う。英雄になれない、ならない36歳課長代理。剣ではなく裏帳簿。魔法ではなく呪詛契約。
「ここは夢の国だよ」
おっさんによるおっさんのためのビジネス寄り異世界転移系パルプフィクション。
【全体の感想 C】
異世界を舞台としたビジネスマンの薄暗くも妙なリアリティのある物語。
物語の舞台となるのは異世界なのだが、主人公は転生してきたわけではない。どうやらこの世界は既に現代によって制圧され、そこで取れる資源を目当てに様々な企業が手を出しているという状況。
主人公はそのなかの会社の1つに勤めている人物。
まるで現代が舞台のような言葉が飛び交う中で、魔法や変異などこの世界観独特のものもまぎれてくる。
それによって作品の雰囲気が上手く作られており、世界観も含めてかなり魅力的な作品と言っていいだろう。
あらすじにもあるように剣と魔法で戦うのではなく、エルフの事務員を使いゴブリンやワーウルフの派遣社員などかなり面白い設定や舞台がとても目を引く。
世界観としてはかなり強く面白そうな雰囲気がある反面、肝心の物語はと言うとやや進みが遅いのが気になる。
というのも今回の一章までを読んで、ようやくチュートリアルが終わったと言ったところ。
主人公のキャラクター性に関しては後述するが、物語としてはようやく始まったかといった感じではある。
ここは少し難しいのだが、どうしても最序盤に関しては世界観を見せられている感が強い。
とはいえそれが作品の良さというか、今のところの最大の特徴でもあるのでそこの評価は人によると言ったところだろう。
ただ間違いなく言えることは、作品のクオリティはかなり高い。世界観も独特かつ面白い視点で切り込んでいる。
刺さる人にはかなり刺さる小説と言って間違いないだろう。
【キャラクター C+】
全体的に大人しめ。
特に主人公はそう言うキャラクターであるという前提があるとしても、序盤は世界観を見て回るだけになっていたのが少し惜しい。
物語が動き出し、キャラクターが会話を始めてから一気に面白くなっていく。
【文章 C】
文章自体はかなり整っている。
整ってはいるのだが、物語の中の目的や指標があまりわからない状態でかなり情報の密度が濃い。
描写が細かいことも相まって、話の焦点があまり定まらない。
どの場面や台詞、描写が重要なのかわからず読んでいて少し疲れが出てきてしまう。
【その他 C】
コンセプトはちゃんと伝わってくるし、世界観も含めてかなり面白そう。
ただ主人公の目的があまり見えてこないこと、その間に流れてくる情報量が多いのが多少気になるところではある。
とはいえここから面白くなっていきそうな気配は強く感じる物語ではある。
【最終評価 C+(楽しませていただきました)】
独創的な世界観と、書き込まれた何処か見慣れた言葉。
それらの組み合わせが独特の雰囲気を生み出し、作品の個性として強く前面に押し出されている。
読んだ時点では物語はまだ動き始めたばかり。
ここからの主人公の出会いや動きが気になる作品となっている。
あまり他では見ないタイプの作品だし、確かなクオリティはある。
刺さる人にはかなり刺さるのではないだろうか。
所要時間は『第17話 裏帳簿』までで凡そ30分ほど。




