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19歳男性の場合 part12
しばらくすると自然に目が覚めた。時計を見るとたったのは1時間程度。隣では当然のようにしおりは寝ている。自分は少しだけ、外に出たくなった。星が綺麗だったから。しおりを起こさないようにゆっくりと、ベッドから降りた。自分は振り返り、しおりに一言だけ告げた。
「ありがとう。大切な人。さようなら。」
しおりのおでこに軽く口づけを交わした。寝ているはずのしおりの頬には涙が道を作っていた。
深夜の住宅街。あかりは街灯しかなく、そのあかりだけが自分を照らしていた。少しだけ一人で歩いていると、後ろに気配を感じた。
「しおりいるんだろ?もう時間なのか?」
自分の後ろにはさっきまでベッドの上で一緒に寝ていた大切な人と全く同じ人がいた。でも、その人はさっきの人とは違う。もう一人の大切な人。この世界ではない、元いた世界の大切な人。
「いいえ。まだ時間はあります。」
「そうか。よかった。最後の時間はお前と一緒にいたかったから。少し歩こうか。」
自分はしおりと二人で並んである場所に向かった。




