19歳男性の場合 part8
中は休日ということもあって人がごった返しだったが、行列は無く、下界のように何時間も待つことはないらしい。天界パワーだと思ってくれ。まあ、規模も広さも比べ物にならないくらいなので、比較になるかは定かではない。
テーマパークということで、しおりがまず選んだのは、ジェットコースターだった。最初からハードだなと思ったが、しおり曰く、これを乗らないと遊びに来たという感じがしないらしい。しおりに手を引っ張られて、半ば強引にのせられて、ジェットコースターがスタートした。上下左右と、大きく体を振られ、一回転する場所もあった。しおりは声を出しながら楽しんでいた。他のお客さんも、同様。生きていた頃は、こんなものなかったから、こういうものなのかなと絶叫系なのに冷静に周りを分析していた。
「ふぅ。楽しかったね。じゃあ、時間もないので次行こうか?」
乗り終えると、しおりは足早に次のアトラクションへと向かった。しおりに連れてこられたアトラクションを見て、自分は少しだけ、頭がショートした。そこから響くのはさっき聞こえた声と類似していた。人が変わっただけで、やっていることは何も変わらない。
「またこれ乗るのか?」
「何言ってるんですか?全く違うじゃないですか。」
確かに、場所は変わった。でも、またジェットコースターじゃないか。大体、夫婦になってからしおりが敬語で話しかけてくる時は、いじっているか、ふざけている時。ほら、今だってニヤニヤしながら自分のことを見てくる。
「いいから。早く乗ろ?」
そこから自分たちは、午前だけで5本ジェットコースターをハシゴした。流石にキツかったが、隣にいる最愛の人は、キャッキャしていた。




