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32歳女性の場合 part19

蓮の言った言葉は私を激しく怒らせた。自分勝手な発言に、行動。自分が被害者だと言わんばかりの顔。何もかも、私を腹立たせるには十分すぎた。いけないこととは分かっていたけど、勝手に体が動いて蓮の顔を思いっきり平手打ちしていた。


「馬鹿なの?被害者面して。消えてよ、私の前からすぐに。2度と私に関わらないで。」


平手打ちをしたあと、私はその場で泣き崩れてしまった。多くの人が見ているなか、そんなこと気にすることもなく。泣き崩れた私を優しく包んでくれたのはやっぱり宗介だった。私は彼の胸を借りて、人目を気にせず大きな声で泣いた。強がりのダムはここで崩れてしまった。


気づくと私は、車の中で眠ってしまっていた。時間的にはまだ夕方。さっきからまだ時間はたっていない。車の中は私一人だった。


「寂しいな。宗介・・・。」


小さな声で彼の名前を囁くと、私の目の前にある扉が開いた。


「あ、起きましたか?」


彼だった。私は求めていた人が目の前にいるので思わず抱き締めた。すると、彼は全てを受け止め、察したように私の頭に手を置き、優しく抱き締めてくれた。


「寂しい想いさせてしまいましたかね?ごめんなさい。あのあと警備の人に色々と聞かれて。」


「許さない。寂しかったからしばらくこのまま。」


自分でも、ここまで人に甘えたことは記憶にはない。ただ、辛く、悲しかったことの後で、自然に彼のことを求めていた。私は腕に力を入れてさらに、彼を自分に寄せた。


「はい。気が済むまでこのままでいましょう。いつまでも付き合います。」


彼とのこの時間は全てが洗い流されるようだった。



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