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32歳女性の場合 part8

2日後。


休日明けの出勤は天界でも地上でも辛い。今回の休日はいつもと違って外に出て買い物をしたので幾分疲れが残っている。やっぱり休みはしっかり休むに限る。


「おはようございます。」


今日も元気なしおりが出勤してきた。早速、今日の分の資料をもらう。


「今日は女性ですか?」


「そうみたいだな。今まで女性は苦手で少し憂鬱だったけど、しおりがいればなんとかなるかもな。なかなか心を開いてもらえなくてなかなか本題に入れなかったんだ。」


生きていた時も、あまり女性と関わる機会がなかったので、いまいち何を言っていいのかわからなかった。


「伯斗さん女性にはかなり鈍そうですもんね。」


しおりから失礼な発言が聞こえたがここはスルーしておく。


「早く迎えに行くぞ。」


「はい。わかりました。」


自分たちのいつも通りの業務がはじまった。


呼びに行った女性は少し緊張した面持ちで不安そうに自分ことを見ていた。女性のその顔に自分はどんな顔をして迎え入れればわからなかったのでその人のことをずっと見てしまった。


「大丈夫ですよ。緊張しないでください。この人少し口下手で雰囲気は怖い方ですけど、中身は見た目よりはだいぶ優しい方ですよ。」


しおりの一言にすこしだけ緊張が解けたのか、しおりには笑顔を見せていた。


その女性の名前は、黒木薫。年齢は32歳で、独身。I T系の会社で事務をしていて、兄弟が下に妹が1人いた。


「できる範囲でお答えください。無理に発言することはありません。自殺を思い立った経緯を教えていただけますか?」


彼女は沈黙したままでなかなか答えてくれなかった。


「言いにくいことなら私に言っていただけたら、私が伝えますので。」


しおりが近くによると、彼女はしおりに小声で質問の答えを言った。しおり伝いに聞いたのは失恋だった。婚約まで行った彼が他の女性との間に子供を授かってしまったため、婚約破棄。浮気をされてたことに絶望して自殺をしてしまったらしい。


「そうでしたか。ありがとうございます。辛い経験を話していただいて。では、時間もないので判決にいきましょうか。」


いつも通りの流れでスムーズに判決を彼女に言い渡す。


「あなたに1日差し上げます。その1日で自殺をしたことを後悔してください。」


しおりは彼女を立たせて、機械の中で寝かせた。


「では、また1日後にお会いしましょう。」


強い光は彼女を包んだ。




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