お白州へ
ぇーふすまの前でうろちょろしてる人たちは今回2人になりましたな。
2人なぜソワソワしておりますかてぇとですな。
八百屋の夫婦ですな。
旦那が仕入れちょいと間違えまして。
それを与太郎が売りに行くことになりまして。
与太郎初めてのお使いなんてんでね、たいそう心配をいたしております。
与太郎初めてのお使いちゃんと帰ってフリップ、いやフリップじゃないんですけど捧げてかえってきまして、お2人とも大喜び旦那さんなんかこぅ涙が出て参りますな。
与太郎いきなり別のを上げましてな。
おじさん達に謝んないと行けませんなんてんでね、お茶入れたりお菓子出したりしながらポツポツ2人で聴きまして。
やがて旦那が与太郎の肩を叩きながら。
えらいっ!
与太郎おまいえらいよっ!
そりゃおまい生きた金の使い方って奴だ。
噺家が落語やってその後わぁわぁ飲みに行くのはアレあんまり生きた金とは言えませんな。
でもって奥さんもこぅ泣きそうになりながら褒めて。
与太郎おまい良い子に育ったよぅ、あっこりゃいけない!
慌てまして。
どうもあの小銭入れは奥さんのおっかさんの形見だったそうで、旦那お金出して籠、今で言うタクシー呼びまして与太郎と一緒に取りに行きます。
今日はアレだ、うなぎ買っておいてよっ!
一言言い残して籠に乗り込みました。
エッホエッサ、エッサホイサッサお猿の籠屋だ。
長屋の近くまでたどり着くってぇと妙な雰囲気になっております。
旦那が与太郎と一緒に話聞きますと。
奥さんお金返そうてんでそとに出た時にたまたま大家にあっちゃったそうなんですね。
そこで押し問答になって大家口が美味いもんですから回収されちゃいまして。
そこでもう奥さんとどめ刺されたんですな。
ロバの背骨叩き割るワラって奴。
おかげで奥さん首ぃくくって・・・そこまで聞いた与太郎いきなり飛び出して行くってぇと大家のところへ一直線、その後を同じく聞いていました金さんが追いかけます。
いつの間にか来てたんですよ金さん。
ガラガラっ!ピシャン!
わざわざ閉めるんですけどもね与太郎。
慌てもんの遊び人たちが立ち塞がるのを金さんがタンカ切りますな。
この金さんの桜吹雪散らせるもんならなんてんでね、片肌脱ぎで喧嘩して、手ぬぐいを水に浸してぱちーんと。
まるで音楽聴こえて来るようで。
兄弟みたいに生まれた時からおんなじ町でぇ(噺家キョロキョロ
えー、今日のお客様でジャスラック関係の方いらっしゃってませんか?
暴れて大興奮してる周りですけども大家と与太郎はってぇとですな。
与太郎大家の顔ぺちぺちと叩いております。
そしてなんかこう喋れないのになんかこぅ、伝えようとしております。
泣きながら。
一方大家さんは、昔男の子が生まれた頃はまだ貧乏でして。
その時生まれた子がそう言う子でして。
この与太郎の親たちみたいにお金出すとか出来ませんので。
産婆さんにこう(手で絞めるしぐさ)されるのを止める事が出来ませんでしたな。
その事ぁ思いだすし、そう言う子が泣きながらなんか言っているのはだいぶ胸に来ましてな。
やがて金さんがそのどういう事か解説を致しますな、大家さん多いに反省しましてお坊さん呼びますてぇとその方実は仕事帰りの藤枝梅安先生だったもんですから息吹き替えしましてな、お祭り騒ぎ。
さて数日後、お白洲に行きますってぇと。
北町奉行東山左衛門の尉様御出座ぁー
みなさん平伏致しております、キョロキョロしてるのは与太郎くらい。
既にみなさん反省してますんで裁きを申し渡す。
大家きちべい入牢1日、余のもの奉行が後ほど叱りおく。
ずいぶんと優しいお裁きでした。
さてお奉行様与太郎にご褒美やろうと思いましたけれども、本人この金の事はどうもわかんないし、親たちもわかんないしで、じゃあその服でも奉行が新調してあげようなんてんでね、ふんどしから何から一揃え拵えようって測りますと、ふんどし調べてた人が縫い込まれた紙に気がつきまして報告致します。
子供の頃に唯一身につけていたふんどしに住所氏名が書いてあったんですな。
そこから親の方に連絡いきまして与太郎幸せに暮らすと言うお話し、長いこと有難うございました。




