決意
あれから1年、兄であるマイケルが士官学校へ行く歳になった。正し現在進行形で問題点がある。少なからず私は嬉しくもあり内心複雑だった
「私は士官学校になど行きません、この街でユミと暮らしていけるだけで十分です」
そう、その問題とは重度のシスコンであるという事である。傭兵か何かになれば離れて暮らす事も無いのだから無理に離れる事も無いだろうが家としてはそうはいかないので私は少々の助け舟をだした
「お兄様、私は騎士となったお兄様のお姿を見るのを楽しみにしていたの。人生の中でほんの少しの我慢は必要だと思います」
「でも、、、…分かった。でも騎士になった後は側にいてくれるかい?」
「はい、それが兄さまの幸せだと言うのであれば」
兄さまはこちらへそっと近づいてきて、そっと手を握りしめじっと見つめた後小さく溜息をすると覚悟ができたのか視線を父上へと向けた
「約束頂けますか?」
「一人前の騎士となれば何も文句は言わない、その後の事はお前達の意思だ」
「、、、、、ユミ、必ず迎えにくるから、ユミの言う通りほんの少しだけ我慢するよ」
そう言った兄上はその日から士官学校への準備を始めた。
少しだけ心配なのはまだニートになる確率が増えてはいないか気になるポイントだった。前世より純粋にこの世界が大好きだ。親にも心配をかけずにこの人生を全うできるかが憂いである。
そして数日後、荷物を纏めたら早い物である
「これで3年は寄宿学校か…僕の事忘れないで待っていてくれるかい?」
「兄さま、休み期間まで戻らないおつもりですか?」
「戻るよ!!戻るけど…不安なんだ」
長い休みがあると言うのになにがマイケルの重りになっているのか?少し考えれば会える時はまだまだ2人部屋だというのに忘れるはずが無い。家族である兄を忘れるほど非情ではないのだ。
「ユミが僕以上に好きな人間ができたら、、、僕は多分、、、」
深く俯いた彼の手は離さないとばかりにギュっと握りしめられていた
「家族以上に大切な物を私は知りません、待っています。お兄様が帰ってくる日を楽しみに…」
「ありがとう、…でも僕は…、、、いや、もう少し待つよ」
待つと言う言葉がほんの少し気になったが、マイケルの表情を見ると何かを決意した表情だった




