序章
現実味を出すために試行錯誤しながら書いたのですが、合わないところがあるかもしれませんご了承ください
ある日、世界が終わった。
そして俺は、その中心にいた。
俺の名前はタツヒデ。二十二歳。
元自衛官で、今は無職だ。
自衛隊を辞めてからというもの、生きる意味を見失い、ただ毎日を惰性で過ごしていた。
何をしても満たされない。
何を始めても長続きしない。
完全に人生に行き詰まっていた。
世界が終わる一週間前、俺は東京にいた。
少しでも気分を変えたかった。
生きる意味を見つけられるかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら、一日かけて行きたかった場所を巡った。
そして夜。
ホテルへ戻り、眠りについた。
数時間後。
外から聞こえてくる騒がしい物音で目が覚めた。
重い体を起こし、何気なくテレビの電源をつける。
画面に映ったニュースキャスターは、震える声で叫んでいた。
「全世界の主要都市で大規模な暴動が発生しています。住民の皆さんは、至急避難してください!」
俺は目を疑った。
画面に映っていたのは、皮膚が崩れ落ちた人間が、次々と他人へ噛みついている異様な光景だった。
そこで思い出した。
数日前、何者かに噛まれた患者が突如暴れ出し、死傷者が出たというニュースを。
あの時は、ただの事件だと思っていた。
だが違った。
あれは始まりだった。
ニュースでは避難所の場所も伝えられていた。
それでも俺は避難しなかった。
直感だった。
人が集まる場所ほど危険だと感じた。
俺は近くの店で一週間分の食料と水を買い込み、ホテルへ戻った。
そのあとすぐ、母親や友人へ電話をかけた。
「東京がまずい。食料と水を買って家にこもってくれ」
幸い、故郷は東京から遠い。
それでも備えてほしかった。
政府は自衛隊に出動命令を出した。
だがテレビから流れてくる情報は、日に日に絶望的になっていく。
数に押し潰され、防衛線は崩壊。
三日後には政府そのものが機能を失っていた。
俺はホテルの部屋に閉じこもり続けた。
外から聞こえる悲鳴が止むまで。
そして、一週間後。
意を決して外へ出る。
そこに広がっていたのは、俺の知っている東京ではなかった。
街は荒れ果て、道路には放置された車が並び、至る所に死体が転がっている。
人の声はなく、聞こえるのは風の音だけだった。
俺は生きる意味を失っていた。
だが、この世界では生きるしかない。
……もしかすると。
俺は、心のどこかでこんな世界を待ち望んでいたのかもしれない。
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