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幻想の器  作者: 夢物語
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第二十三器 創造の器

「私は能力者イディルを全て殺す!」



ハートネスを覆った黒い物体はドラゴンへと形を変える。



「なんだこれ…」



「周囲にいる人間の恐怖を集め作りあげたものだ。

味わうがいい!」



尻尾を高く振り上げ夜詩よし達へ叩きつけるハートネス。



「ぐっ!なんて威力なんだ」



「まだだ」



ハートネスは体を回転させ周囲を尻尾で破壊し、夜詩よし達も吹き飛ばされた。



「うっ…どうしてここまでする。

答えろハートネス!」



「やはり君はしぶといな刀磨とうま

理由は簡単だ…能力者イディルが私の大切な物を奪ったからだ!」



「大切な物?」



「初めは能力者イディル達を救いたいと思いフィラルを組織した。

社会と共存できるように、いつか能力を消すことは出来ないかと思ってね。

だがある日、私の妻と幼い娘が殺された…能力者イディルによって!」



「外国で安全に暮らしているんじゃなかったのか…」



「それは嘘だ。

二人が殺され能力者イディルを憎んだ!

その時だよ、力に目覚めたのは。

呪った…この世の全てを呪った!

そして私は復讐を誓ったんだ。

世界から能力者イディルを始末し、妻と娘を甦らせると!」



「甦らせる?」



始祖しその目的を知っているか?

あれは世界を何度も作り替え、自分の理想に近付けるか実験しているんだよ!」



「世界を作り替えるだと?

そんな事が出来るはずが」



「出来る!奴は創造の力を持っているからな。

そうだろ、レイ?」



瓦礫の上に腰を下ろしているレイを見るハートネス。



「そうだ。

奴は自分だけでは完璧な世界が作れないとわかり、人間に力を与え戦わせる中で成長した能力者イディルに世界を作り替えさせていた」



始祖しそは神だといいたいのか?」



「俺は認めていないがな。

そして、奴は一つの種を人間の中に混ぜた」



「種…?」



始祖しそと同じ創造の力を一人に与えた!

いずれその能力者イディルは全てを超え始祖しその元へ返る。

そうやって世界は何度も作り替えられてきた。

この事実を知っているのは私とレイとほんの一部の能力者イディルだけだ」



「あり得ない…そんな事をどうやって信じろと!」



「俺は…初代の創造の器に選ばれた人間から生み出されたエナの集合体だ」



レイの告白に刀磨とうまは言葉を失う。



「初代は始祖しその考えに賛同しなかった。

世界は作り替えていくのではなく、作り上げていくものだと言って。

しかし、始祖しそはその考えを認めず初代を殺し自ら世界を作り替えた。

初代が死ぬ間際に俺を作り出し、始祖しそを倒すように命じて死んだ」



始祖しそと同じ創造の力を持っているのに勝てなかったのか?」



「奴の力は創造と破壊の力を併せ持つ創滅の力。

そして、創造の器を持つものがもっといい選択肢を選ぶように半分に分け二人の人間に与えた」



「二人の人間…」



「そしてこの世界では夜詩よしくんが創造の器の半身だ!」



「!?

そうか…だからあいつの力は色んな形に」



「だから私は彼の力で妻と娘を甦らせる!

命の創造も可能!」



「じゃあなぜあいつを殺そうとする?」



「最初はミストを使って力を奪うつもりだったが失敗してね。

二回目もレイ、君に邪魔されたようだね」



「完全に消滅させたからな」



「ミストは生きてたのか…じゃあテッドシティの事件も全てお前が」



「そうだよ。

適当な能力者イディルの心を壊し暴走させ犯人に仕立てあげ、有能な君達の力もミストに食べさせる予定だった。

それも失敗したからイレイデットを使い夜詩よしくんを傀儡にする計画だったんだが」



「殺せばお前の目的が終わるだろ」



「問題ない。

死んだ者も操る事が可能だ。

力は弱くなるが、後で完全な創造の器にすればいいだけの話」



「それはお前に俺が殺せればの話だろ!」



瓦礫を押し退け夜詩よしが立ち上がる。



「生きてたか…じゃあ殺してあげよう」



前足を地面につき、口を大きく開くハートネス。



「まずい!避けろ!」



ハートネスの咆哮が夜詩よしと瓦礫を吹き飛ばしていく。



夜詩よしーーー!」

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