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最弱はバラバラな世界を一つにする  作者: アリア(紫骨 骸)
17/17

【17:】【番外編1:エイプリルフール】

というか、毎度思うんだけど「創造ゴアリアット王国」って初見だとゴリラに見えるからめっちゃゴツい国っぽく見える。

久しぶりに楽しく話せた気がする。

ミーゴやナーシャ、ローレンとはまた違った感じだ。男友達って言うやつか。きっといたらこんな感じだったんだろうな。


あの後、たくさん話した。

そして多くを語った中で分かったことは同じ異世界人という事だった。


でも、向こうでの思い出を一切覚えていないらしい。家族や友人、いたのかも分からない恋人。アニメや漫画のことは覚えているのにね、と笑っていた。


実際、俺もそうだったので不思議には思わなかった。そういうものなのだろう、と思ったのだ。

特定のことしか覚えていないのだ。


「あぁ、良かった……な。」


不意に涙が頬を伝う。


欲しいと思っていたものが手に入れられた気がして、欲しかったものがついに来たと思って、嬉しくて嬉しくて、涙が止まらなくて。


「友達……か。」


きっと俺は友達作りなんか向いてなかったんだろうな、そんなことを頭で考えながら。

ステリアはきっと俺と同じような脳をしていたのだろう。だから仲良くなれた。それ以外で仲良くなれるはずがなかった。


それこそ、これが俺の夢の中で想像して作り上げたものならば、信じられるだろう。

そんなことは否定したばかりなのだが。


ここに来てしばらく経っている。

だんだん向こうでの記憶が薄れてきている気がする……いや、薄れてきている。

自分の本名は忘れたし、自分に何があったかも忘れかけている。

覚えているのは誰かに耐えきれないほどの苦しみを与えられたことぐらいだ。



「フッ、俺らしくない。そろそろ出るか。」


さっきまで篭っていたトイレの洋式から出た俺は、手を洗って、顔を洗う。

学園のトイレを借りたのだが、とても綺麗だった。自動で流れるセンサー付き、手を洗う水道だって勝手に流れるし、風で水を吹き飛ばす機械だってある。しかも無音。贅沢すぎる。

ところどころ金で飾られているのだが、そんなに儲かっているのだろうか。そうじゃなかったからこんなことする意味が無いような気がするし。

いや、儲かっていてもこんなことする意味は、あるのだろうか?

やはり無駄に金持ちなやつのことは、何を考えてもわからない。


トイレの前ではステリアが、よっ、と手を振っていた。


「長かったじゃん。なに?大きい方だったの?」

「ん、まぁ、そんな感じ。」

「じゃあ、帰るか。ついでに僕のおばあちゃんにあっていかない?」


急にそんな提案をされる。

それって勝手に行っていいやつなのかと疑問に思いながら、一応確認をとる。


「良いのか?」

「もっちろん!」


そして歩き出した。

南側にある大門を真っ直ぐ行くと、城がある。そしてその手前に市場があり、そのうちの一つだそうだ。

市場はテントが張ってあり、そのテントの奥には家がある。

それぞれの家の前で店を出してるってことだ。


という説明を歩きながら受けた。


そのうちの一つにおばあちゃんのお店があるらしい。


「ほら、あそこだよ。おばあちゃーん。」


そっちに向かって勢いよく走っていっている。

周りを見渡してみると明るい色のテントが多く張られていて、聞いた通り家がテントの裏に隠れている。


ステリアが手を振りながら走っていったのは、その内の紫のテントだった。他のテントより黒く、明るい周りと比べて一層目立つ空間であった。


普通の人だったら入るのに躊躇ちゅうちょしそうだ。

それぐらい思わせるほどの何かが周りを漂っている。


そんなことを考えながら、テントの方に近付く。


「おばあちゃん!ヴィオラだよ!お友達。」

「お友達かい?よく来たね。お茶ぐらいしか出せんがゆっくりしていっとくれ。」

「お邪魔します。」


深くローブを被った魔女のような見た目をした人。

いや、実際に魔女なのだろう。

抑えているようだが、多くの魔力があるのが分かる。店の商品を見てみると魔術系統、呪いのような本が置いてある。

日本語では無く、イタリア語なのだが厨二病だった頃イタリア語を調べに調べまくった俺には単語ぐらいなら読める。


中に入ると以外にも普通だった。もっと禍々しいものを想像していたのだが、魔法で地下室でも作ったのだろうか。


「家の中に入ったことだし、1個聞きたいことがあるんだけど。」

「なに?」

「そこのおばあちゃんって、魔女?」

「うん。」

「へー。やっぱりー。通りで魔力が溢れ出てるわけだ。」


サラッといったのだが、やはり魔女だったらしい。

ステリアが即答してくれたので事実だ。



「楽しかったよ。なんかごめんね。お茶までもらっちゃって。」


たくさんのお菓子とお茶をもらった。というより頂いてしまった。

ステリアが僕お菓子作りくらいしか出来ないから……と言いながらクッキーとショートケーキ、それから紅茶を出してくれた。

本当に美味しくて、思わず「うまっ!何これ、店出せるレベルじゃん!それどころか金出せるよ!」などと叫んでしまい、目を点にさせてしまった。

「お世辞でも嬉しいよ。」なんて言いながら照れてるステリア。天使でも現れたかと思った。


「いいのいいの!楽しかったから。久しぶりにお友達とお話出来たよ!」

「お友達……?」


相手にもそう思われているとは思ってもいなかった。

思わず、単語を口に出す。


「え!?まだお友達じゃなかった?勘違い?」

「あっ、いやなんか拍子抜けしちゃった。そっかー、お友達か。」

「嬉しくないの?」


眉を下げて、困った顔で聞いてくる。


「嬉しいよ。」

「良かったー。」


ほっと胸をなで下ろしている。


感情がわかりやすくてとても助かる。

悪い意味では決してない。わかりにくいやつほど面倒なものは無いと思っている。


じゃーねーなどと手を振って送ってくれる。

見えなくなるまで振り続けているのだろう。腕が疲れそうだと思ってしまう。


ローレンとミーゴ、ナーシャはお買い物をしたり、おやつを食べたりしていたらしく大変幸せそうな顔をしていた。

ナーシャは顔には出ていないが美味しかったのだろう。黙々と食べている。


「ごめん、遅くなった。」

「大丈夫よ。まだ夕刻にもなってないわ。」

「そっか、良かった。」


本当にそうだろうか。

二人を止めようと必死になっていたのでは無いだろうか。メイド2人は今は落ち着いているものの、騒いだであろう


お疲れ様。

口に出したら怒られそうなので、心の中でそう呟く。


帰りは馬車に揺られて、帰っていた。

「友達」という言葉をただただ噛み締めていた。




























【番外編1:エイプリルフール】


大きく息を吸って、吐く。

出てくる空気とともに欠伸がもれる。


「お前はいつも眠そーなのネ。寝てないわけじゃないのになんでそんなに眠そーにするのネ。」


豪華なドレスを着た橙色の髪の少女が、呆れたようにこちらに向かって話しかける。


「申し訳ありません。これをしないと一日が始まった気分がしないのですよ。心配をかけてしまいましたか?」

「ふんっ、心配なんかしてないのネ。いつまでもそこに突っ立ってないで仕事をして役に立つといいのネ。」


勢いよくそっぽを向く。

くるりと纏められた髪と、白銀の付いた高価なドレスは、勢いにつられてゆらゆらと動いている。


失礼なことをしてしまったかと反省をして次の言葉を縫って口にする。


「承知しました。アランチオーネ様。」


橙様は、この国の次期女王であった。



「橙様、お食事の用意が出来ました。」

「橙様、もうすぐで勉強のお時間です。」

「橙様、稽古のお時間です。」

「橙様、王女なるもの、常に威厳を持たなくてはなりません。」

「橙様、」

「橙様」

「橙」ーー


「ア、アラ、アラン……橙様、橙様って五月蝿いのネ!そんなこといわれなくても、もう子供じゃないから分かっているのネ!いつまでも子供扱いだなんてやになっちゃうのネ!」


若くして国王になり、聖王と呼ばれた父を持つ橙様。

壇上に女王の娘として立っている時の冷静沈着な姿とは程遠い、駄々っ子の姿を露わにしていた。


「橙様、仕方の無いことですよ。お若く、凛としているただ一人の女性ですから。世話係メイドが世話を焼きたくなる気持ちも分かりますから。」

「そんなことが言いたいんじゃないのネ!話の論点がズレまくりなのネ!世話を焼くのは許すとして、子供扱いだなんて許すべからざる悪なのネ!」


普通の一般市民であれば、一生目にかかることはないであろうフリルのベッド。

そのベッドは、ぼふッという音を発して、王女を受け止めていた。

一方で橙様は「気に入らないのネ!」と言いながら、ふかふかとしていて沈みやすい布団に転がり、足をバタバタをさせて、不満だと訴えかけていた。


「気に入らないのネ!いつまでもいつまでも子供扱いされても私だって困るのネ。女王になる為の決心がいつまでもつかないのネ。」

「何を言っているのですか。まだ貴方は十五を過ぎたばかりでしょう。まだまだ日はあるのですよ。」



4月1日。

王国の中の貴族や皇族、王族が集まって、橙王女を祝う盛大な誕生日パーティーが行われた。


有名なオーケストラが集められ、奏でられる音楽。ダンス会場で踊る男女。キラキラとシャンデリアの光に当てられ、照り輝く料理。


王女曰く、


「誕生日パーティーと名をつけておいて、ただの社交パーティー、いや、今後関わる一家を選抜する行事だったのネ。観察は楽しいけど、まだ子供の私にはつまらないのネ。」


「みんな仮面に笑顔貼り付けて愛想笑いを浮かべてるだけで本心から笑ってくれている人は少数だったのネ。」


「まるで下手な演技をした劇を見ているみたいなのネ。音楽も人間も料理も結局はただの舞台の置物なのネ。観客を騙せない演技をするやつは直ちに舞台から降りた方がいいのネ。」


「貴族のほとんどはこちらを恨んでいるものばかりネ。あの、一家以外とは縁を切った方がこちらに得なのネ。残しておいても傷をつけそうなものしかいないのネ。」


「あそこで話している少年を見てみるのネ。世渡り上手だから、将来大物になる子ネ。でも父親はその価値に気付いてないみたいネ、さっきから娘ばかりを連れて歩いてるネ。可愛かったら出世出来る訳では無いの、実力が全てなのネ。多分、そのうち捨てられると思うのネ。だからその時は拾ってくるといいのネ。優秀な部下が増えるのネ。」


「先ほど挨拶してきた一家の双子が分かるかしらネ。とても礼儀正しかったのネ。あの一家は主人が早く亡くなったのにも関わらず、新しい主人が生計を立て直すのが早かったのネ。契約を結ぶなら適切だと思うのネ。」


「仮面の執事と妖精のお嬢さまが見えるネ?仮面を被っているのは顔無族だからなのネ。妖精のお嬢さまは大概の話が通じないのネ、悪く言ってしまうならば常識知らずネ。だから顔無族の仮面を付けた執事の方に話を通しておくと、スムーズにことが進むから覚えておくのネ。」


だそうだった。

パーティーの基礎を学びながら、人間(?)観察をするという貴重な体験をしたので、ハッキリと覚えている。


観察力の高さ、それと比例した周りに合わせる力を持つ彼女は、慕われている。


潰された貴族達は恨みを持っているかもしれないが、総合的に見れば、地位も発言力の高さも、信頼度もトップだ。



「十五を過ぎたばかりと言っても成人は十六ネ。戴冠式まであと一年も無いことになるのネ。余計に心配が込み上げてきちゃうのネ!」


彼女は成人と同時に、誕生日と共に戴冠式を行う。

そして、戴冠式ではもう一つの仕事がある。


一生に残る仕事だ。


彼女は真面目な人だから一生残るものを作るのには躊躇があるのだろう。


心配なんて要らないのに。と、そんなことを言っても「馬鹿なことを言うんじゃないのネ!」と指摘されそうである。

自分の想像した彼女があまりにも言いそうな言葉だったので思わず、小さくクスッと笑ってしまう。


彼女が「何笑ってんのネ!欠伸しすぎてついに頭がマシュマロにでもなったのネ!」と言いながら、ベッドの上でバタバタしている。


怒っているようだが、どうしても小さい子供が騒いでいるようにしか見えない。


「そうかもしれません。」と言って、部屋を去っていく。


掃除洗濯炊事風呂。

やることは沢山ある。


今日も頑張らなくてはと思いながら、暗くなってきた視界に魔法を掛けるのであった。



「貴方がローレン・バグ二カードなのネ。待っていたわ、早くそこに座るといいのネ。」


一人の女性が来客した。

胸辺りの高さまである金髪をなびかせている。


「ありがとうございます。失礼します。再度自己紹介させていただきます。現王、元貴族のローレン・バグニカードでございます。本日は面会許可を頂きありがとうございます。」

「まさか隣の国の貴族様が次期女王に会いに来るだなんて、世も末なのネ。で、ここまで来て何も用がないってことは無いのですよネ?なんのご用事ですかネ?」


皮肉を込めてそんなことを言う。

今が忙しい時期であったなら面会すら断っていただろう。


「王女様、実は戴冠式の祝の品を用意したのです。」

「私の記憶では戴冠式は201日後……半年ばかり先なのですネ。日付を間違えているので無いでしょうかネ。」


自分で口にしてみて、もうあのパーティーからそんなに経っているのかと驚いてしまう。

人間観察は楽しいがもっと劇的な出会いをしたいものだ。


「いえ、我が王国では、王やその家系の者が暗殺され、壊滅寸前なのです。唯一残っていた末端である私のとこまで継承権が回って来た、と言うだけの話でございます。」


ほぅ?

面会用に付けている白銀のベールが揺れる。


「それはそれは、隣の国は大変なことになっていたのネ。知らなかったわ、お気の毒様ネ。」

「あなたが女王になった頃に国があるとも限りません。今は多くの財産があるので余裕がありますが、今後がどのようになるか想像することは不可能でしたのでお先に、と思いまして。」


……真っ直ぐとした綺麗な目だ。

しっかりとこっちを見つめている目だ。


「目」という言葉で目の見えない執事を思い出した。

自分のお付き人で、いつも眠たそうに欠伸をする。


と、そんなことはどうでもいいか。


「そんな言い方をせずにもっとハッキリというのネ。一体私に何をさせたいのネ。」


その言葉を聞いて金色が揺れる。

肩を上下させて驚いた、というアクションをする。


私は盲目の執事に下がるように命令する。

ペコリと一礼してから、音を立てずに扉を開閉させた。


執事が出ていったのを見計らい、目の前の面会相手の目を見つめた。


少し、言うのを躊躇しているようで、声のトーンをさっきよりも下げて言う。


「実は、協力をお願いしたいのです。」

「一体どのようなことなのネ?」

「それはーー」


目を伏せて、トーンを抑えて話す。


彼女の住む創造ゴアリアット王国では、貴族や王族への国民の一揆が起こっているそうだ。

それも頻繁に王都に起こり、立場の上の者が死去したという情報に親指を上に立て喜ぶばかりだそうだ。


そしてーーーー

やる気ゼロで続き書けないので、書き途中のを投げとく(っ'ヮ')╮ -


まだエイプリルフールじゃないけど多分続き書けないし、忘れそうなのでこちらも投げとく(っ'ヮ')╮ -



やる気がないから書かないだけなので楽しみにしてくれる人がいれば書く(いない)(*´・ч・`*)

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