1.社畜からの脱却
初投稿です。
社畜生活で倒れたおっさんを異世界に放り込みました。作者は元気です。
異世界の空気はうまいし、紋章で握手すると支払いができるし、白竜は600歳なのにロリでおばあちゃん口調だしで、作者が一番楽しんでいます。
巻き込まれ属性の主人公がスローライフを目指す物語なので、肩の力を抜いて読んでもらえたら嬉しいです。
マイペース更新ですが、応援してもらえると作者のHPがモリモリ回復します。
俺は黒川誠、55歳。
朝は始発、夜は終電。会社の蛍光灯のほうが太陽より長く見ている生活を、気づけば二十年以上続けていた。
「誠さん、今日もお願いします」
若手にそう言われれば、「任せろ」と返すしかない。
俺が倒れたら現場が回らない。そう思い込んでいた。
……いや、実際は俺が倒れても会社は普通に回るんだろうけど…それでも、責任感と惰性で、気づけば人生のほとんどを会社に捧げていた。
その日も、終電を逃して会社に泊まった。椅子に座ったまま仮眠を取って、朝の始発で帰るつもりだった。
だが──
胸の奥が、急にズキッと痛んだ。
「……あ?」
視界が揺れた。蛍光灯が滲んで見える。誰かの声が遠くでしていた気がするが、もう耳が働いていなかった。
机に手を伸ばそうとして、そのまま床に倒れた。
そこで、俺の意識は途切れた。
次に目を開けたとき、そこは真っ白な空間だった。
天井も床も分からない。ただ白い。音もない。温度もない。
「やっほー、君」
軽い声が響いた。
振り向くと、白いローブを着た男が立っていた。
「いや〜君、働きすぎてて可哀想だからさ。異世界に送ることにしたよ」
「……は?」
俺は思わず素で返した。
「あ、僕神様。よろしくね〜、あと君が異世界でも困らないように、紋章つけといたから」
「……紋章?なんだそれは?」
「ああ、異世界の人は成人すると手のひらに紋章が刻まれるんだよ。魔力とかお金とか、生活に必要な機能が全部入ってる便利なやつ」
「便利なやつ……?」
「うん。財布落とすと危ないからね。紋章で全部管理するようにしたんだよ」
俺は自分の右手を見る。見慣れない模様が薄く光っていた。
「……これを、勝手に付けたのか?」
「痛くないよ。タトゥーシールみたいなもんだから」
「異世界人にとって大事なもんをタトゥーシールで例えた…?!そんな軽いノリでつけて良いものなのか?!」
「ペタッて貼っただけだから」
「ペタッ?!!」
神様は俺の戸惑いなんて気にも留めず、話を続ける。
「そうそう、君の貯金も異世界で使えるようにしといたよ」
「……は?」
「ステータス開けば見えるから。資産は非公開で、君しか見えない仕様ね。異世界ではみんなそうだから安心して」
「はぁ……」
「ちなみに換算は一円=白金貨ね」
「白金貨!?なんかすごそうな名前なんだが!?」
「この世界の家族が1年遊んで暮らせるくらいの価値だね」
「俺の貯金なんてしばらく確認してねぇぞ…いくらになるんだ……」
「君、働きすぎてたからね。ちょっとくらい楽していいでしょ?」
「楽の方向性が極端過ぎやしねぇか…?」
「じゃ、いってらっしゃい」
神様が軽く手を振った瞬間、視界が光に包まれた。
「えっ?!まだ聞きたい事あるんですが?!!」
身体がふわりと浮く感覚。風もないのに、どこかへ運ばれていくような感覚。
次に目を開けたとき──そこは、見たこともない景色だった。
青い空。緑の森。遠くに小さな村が見える。
鳥の声がして、風が草を揺らしていた。
「……ここが、異世界……?」
俺は深く息を吸った。空気がやけに美味しい。
こうして俺の、元社畜おっさんの異世界スローライフが始まった。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
小説が投稿できて異世界に来たおっさんより先に、作者のほうがテンション上がっております。
次話では白竜が登場します。
見た目ロリ、中身600歳、喋りはおばあちゃんという、作者の趣味が詰まった存在です。
気に入ってもらえたら嬉しいです。
ブクマや感想をもらえると、作者が異世界に転移したかのように喜びます。




