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旅だよ2

連続投稿です

 ウルスラの匂いを辿りながら合流し経緯を説明したら簡単に許された。

 正座で半日過ごすというお仕置きは免れなかったが…。

 忘れることを切に願う。。


 現在はおれが婆さんと籠を持ち、ウルスラがおれのリュックと自分の荷物を持っている。

 ちなみに最初彼女が持っていたキャリーケースはシスターミランダに換金してもらい、おれと一緒にリュックを買った。



「若いの!

 そこの滝の裏へ回りな。

 滝に入る前に松明に火を付けてそのまま奥の行き止まりへ進むんだよ。

 それで仕掛けが動くからね。」

 婆さんが言うとおり、目の前の滝の裏には浅い洞穴があった。

 婆さんが気負いもせずにいうから大丈夫だと思って中へ入ると熊がいた…。

 しかも、数頭…


 傷だらけの片目の奴がこっちをガン見してるんだが!

 これはあれか?

 ごちそうが来たという目線でいいのか!?


「おいぃぃー!

 ばばあ!

 熊がいるじゃねえか!?」

 刺激しないように小声で婆さんに文句を言うと

「誰がばばあか!

 このクソガキがっ!!」

 と言いながらおもっきり頭を殴られた。


「こいつらが監視してる者だよ。

 普通の奴はここで逃げ出すし逃げても食われるだけだから里のことは漏れない。

 こいつらは頭が良いからゆっくり進めば何もしないよ。

 ほら、さっさと行きな。」


 警戒しながらも奥へ進むと自然に出来た通路のような人一人が通れるくらいの幅の通路は数歩進めば行き止まりだった。

 これが婆さんの言った行き止まりだろう。

 今はウルスラが松明を持っているためおれは最後尾を進んでいる。

 ウルスラが婆さんの指示されたところに松明を近づけるとボン!と軽い爆発が起きた。

 よく見ると、たいまつの近くに小さな穴が開いている。

 これがさっきの爆発音の原因か?

 どうやら、水素ガスのような可燃ガスがあるようだ。

 どういう理屈で開けるのかと思っていると岩の一部がズズズっと横へズレて行き先に光が見えた。


「うわ~

 すごい!

 ボク、こんな幻想的な景色初めて見たよ!」

 先に進んだウルスラのはしゃいだ声が聞こえてきた。

 しかし、ファンタジーな世界の住人が幻想的って使うのか。

 お前らも十分幻想の部類だと思うんだけどな。



 岩を抜けた先はファンタジーだった。


 まず、目につくのはいろいろな亜人種の人間達だ。

 前に牧場で働いていた牛系の獣人には会ったがそれだけだ。

 知識ではこの大陸にはほとんどいないとなっているのにいるから驚いていたのに、ここはまるで亜人の坩堝だ。

 こうして見ているだけでも数十の亜人種がいて、それに加えて魔獣もいるのだ。


 前提として、魔獣は人と共存することはほとんどない。

 極まれに生まれた時から人と一緒にいる個体が人に懐くケースがあるがそれは少数だ。

 こうして何種類もの魔獣が同じ場所で生活しているとは中々に信じがたい。

 特に目の前を通り過ぎていった獰猛なストーカーの背中にへばり付いていたリッスエのコンビは信じられない…

 草食種の

 リッスエはリスによく似た生物で臆病で素早く、肉食種のストーカーは真黒な虎という生物であり体毛に光を屈折させる微生物を宿していて、自身の体温を上げることで透明になる姿の見えない捕食者として災害と同レベルで語られているのに!

 リッスエは明らかにリラックスしていたし、落っこちそうな所へ来るとストーカーは止まってリッスエが元の位置になるまで待ってた。

 生態系が明らかにおかしくね?

 どうなってるんだ??


 進むと見えてきたのはツリーハウスだった。

 しかも、木の上にある家の意味ではなく家の形をした木だ。

 根元の辺りが膨らんでいて、そこが家のような形をしていて屋根の上からまた木が育っていた。

 木には黄色い果実がなってるし…


 まるでここだけさらに違う世界のようだった。



 婆さんの指示で一軒の家の前まで行くと玄関らしき場所にあった蔓が自然とズレて入れるようになった。

 自動認識の玄関とか現代日本だって無いんじゃないか?


 婆さんを適当な椅子へ降ろしおれ達はレナの元へ向かった。

 レナは里の中心近くの家に住んでいるらしい。

 あの時以来だからちょっと緊張するな…


 ーーコンコンーー

 レナの家は婆さんの所みたいに蔓ではなく普通に扉があった。


 ーーガチャーー

 ドアが開き、久しぶりに会うレナに挨拶しようとしたら出てきたのは半眼で眠たそうな子供だった。ジィーと効果音の聞こえそうなガン見をされて、なぜかおれも逸らしてはいけないと見返す。


 一分も見つめ合っただろうか。

 ウルスラが呆れたという感じの溜息を吐き、おれを押しのけて子供と会話しだした。


「こんにちわ。

 ボクはウルスラ。ここはレナという女性の家で合ってるかな?」

 ウルスラはしゃがみ目線を合わせて笑顔を見せるが、子供は扉を閉めた。

 気まずい沈黙が流れたので、おれがフォローの言葉を掛けた。


「あ~うん。

 まぁ、ププッ

 気にするなよ…」

 おっと、つい笑いがこらえきれなかった。


「そうだね。

 子供の反応についてはいうことは無いよ…

 でも、ヤト!

 お前はダメだッ!!」

 怒ったウルスラが振り向きざまに左の裏拳を放ってきたおかげで前髪の数本が削れた。

 笑いは人生のパートナーなのになんて血の気の多い奴だろうか

 文句を言ったらさらに過激な攻撃を食らった。


 わーぎゃーと騒いでいたせいか周りからものすごく注目されている。

 さっさとレナに会おうか。


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