一章 1話とある日
新作でーす
期待していいかもー
──俺は、もう何回死んだ?
視界が暗転する直前、最後に見えたのは自分の血だった。
胸を貫かれた感覚。
冷たくなっていく指先。
そして——
「また、ここかよ……」
気づけば、俺は教室にいた。
窓の外、夕焼け。
黒板には“放課後補習”の文字。
クラスメイトたちのざわめき。
全部、同じ。
ただし——ほんの少しだけ、違う。
「おい、蒼真。ぼーっとしてんなよ」
声をかけてきたのは、親友のはずの男。
……名前が出てこない。
いや、違う。
前はこんな顔じゃなかった。
「……誰だ、お前」
「は?」
教室の空気が一瞬で凍る。
でも、そんなことはどうでもよかった。
俺は知っている。
このあと——
「蒼真、ちょっと来い」
教師に呼ばれる。
廊下に出る。
そして——
死ぬ。
理由はわからない。
犯人もわからない。
ただ一つだけ確かなのは、
俺はここで、必ず殺される。
何度も、何度も。
最初は事故だと思った。
次は偶然だと信じた。
でも違う。
10回目で気づいた。
50回目で確信した。
そして——
100回目で、壊れた。
「……今回は、違う動きするか」
俺は立ち上がる。
「おい蒼真、どこ行くんだよ」
親友“だったもの”が声をかけてくる。
無視した。
廊下に出る代わりに、窓を開ける。
ざわめくクラス。
「なにして——」
構わず、俺は外へ飛び出した。
3階。
落下。
衝撃。
——死。
***
「……は?」
目を開ける。
また教室。
また夕焼け。
また同じ時間。
だが——
「……今の、なに?」
俺は気づいた。
さっきと違う。
ほんの僅かだが、確実に。
黒板の文字が違う。
席の配置が違う。
クラスメイトの数が違う。
そして——
「やっと、気づいた?」
知らない女が、俺を見て笑っていた。
教室の後ろ。
誰も気づいていない。
俺だけを見ている。
「お前……誰だ」
「さあ?でも一つだけ教えてあげる」
女は楽しそうに言う。
「この世界、壊れてるよ」
「……は?」
「本来、死に戻りなんて“仕様”ないからね」
背筋が凍る。
こいつ、今なんて言った?
「仕様……?」
「うん。だから——」
女はゆっくりと、俺に指を向けた。
「君、“バグ側”なんだよ」
その瞬間。
教室の全員が、同時にこちらを向いた。
ぎこちない動きで。
まるで、人形みたいに。
「——見つけた」
全員が同じ声で言った。
次の瞬間、世界が“歪んだ”。
しーんじゃった死んじゃった




