伯母さまの秘密
いつも亀更新なのに、来ていただき申し訳ありません。
ジェームズ第2王子が、久しぶりにヘンリ王子と一緒に来たので、お茶をだしました。ジェームス王子は、そういえば、という感じで気軽に話し始めました。
「そういえば、最近、ここら辺、随分変わったね。この公爵領、王都より最近活気があるんじゃないかな。」
「いや、そんなことはないでしょう。」
私は、王宮に行く以外には、外にも出られないので、事情がわからないので、そういったら、ヘンリー王子が苦々しい口調で話し始めた。
「本当だぞ。お前、何してくれてんだ。最近は、王都からもこっちへ移住する人がいると、王様も頭を抱えてたぞ。」
知らんがな。それのどこが悪いんだ。
「それが、どうもアデソエアのせいらしいんだよね。ここで売っている製品が、庶民にも手が届いてしかも便利だから。もちろん、王都でも買えるけど、値段が段違いだからね。」
そうなのだ。ここでは、庶民の手に届くような商品と、上のクラスの商品を並べて売っているが、実は、性能に、ほぼ差はなく手の込んだ装飾なんかが上のクラスのものは施されているだけなんだよね。どうも、それが庶民にもわかるらしく、貴族や富豪と性能は同じものが使えるということで評判になっていると、ガゼリさんから、聞いたんだよね。
ガゼリさんも、あまりにも便利だから、旦那さんの親戚がここに引っ越してきた。これも嬢ちゃんのおかげだ、ガハハハ、と言っていたから。やっぱり人口は増えているんだろうな。
「おい、オシメ、聞いてんのか。」
私は、後ろを見て、人を探しているふりをした。
「お前だ、お前!」
「あのう、私はオシメはしておりませんし、お前という名前でもありません。もう前にも申し上げましたよね。その綺麗なお顔の上についてる頭はからっぽですか!」
ところが、なぜか、王子は照れ始めた。綺麗な顔と言われたのがツボだったらしい。アホかと。
「そうかよの顔はいいか。そうであろうそうであろう!」
バカは死んでも治らんな。
「また来るぞ!今度は土産でももってきてやる!」
ヘンリー王子はスタスタと歩き出した。ジェームス王子がこっそり耳打ちしてくれた。
「ああ見えても兄上、あなたのことが大層気に入っているのです。あれは、兄流の照れ隠しです。でも僕も、あなたをあきらめてはいませんよ!」
うーん、私が本当に心から女性だったら、この乙女ゲーのようなシチュを楽しめたんでしょうが、いかんせん、中身は男性。全然嬉しくありません。
「ジェームス!お前、俺の許嫁に、気安くすんな!行くぞ!」
「はいはい、兄上。」
私は、王子様たちが帰ったあと、伯母さまに尋ねることにした。
「人口が増えてきたことは本当です。しかも、王都からも。これで、ますますあのゴードンの鼻をあかしてやることができます。あなたのおかげですよ、アン。」
「伯母さま、王様のことを前から知っていらして?」
「知っているも何も、幼馴染です。何度も求婚されて、やっと断ったと思ったら、すぐに結婚するという不届きものです。しかも、もう一人の幼馴染と。」
どうやら、3人は幼馴染で、王様が、伯母さまに何度も求婚して、ふられたのをもう一人の幼馴染の王妃様に慰められたらころっと、なびいてしまったらしい。それが伯母さまは不満のようだ。でも、本当に結婚したければ、そうすればよかったのにね。怖くて、そんなこと、面と向かっては言えないけど。
「アンよ、やりすぎは良くありませんが、便利なものを作るのは賛成です。そして、せいぜい、あのゴードンを苦しめてやればいいのです。」
伯母さま、オールドミスになったのは、王様のせいではなくて、あなたのせいです。そう言いたかったけど、命が惜しいので、何も言えませんでした。
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