水曜日・過去 9
智里たちは①の扉を開ければそこには貨物用のエレベーターがあった。
「これに乗れって事かしら。」
「……大丈夫なのか?」
今さらながら不安になる涼太に智里は鼻で笑う。
「何だよ。」
「今さら怖気づいた訳?」
「失敗したら死ぬかもしれないんだぞ。」
「それこそ今さらじゃない。」
智里の言葉に涼太は目で問う。
「あら、始からアレはわたしたちをほんきで殺そうとしていたわ。」
「……。」
涼太はそう言われて、不発に終わった爆発物らしきものを思い出し、苦い顔をする。
「大丈夫よ、流石にここでは殺しには来ないと思うわ、そうね、違う道を行ったお姉ちゃんたちの方がひどい目に遭いそうだけどね。」
「……分かっていて行かせたのか?」
智里のいい方に涼太は見捨てたのか、というように責めるような口調でそう言えば、智里は涼太に対し、鼻で笑った。
「あら、犠牲はつきものでしょ?」
「実の姉だぞ。」
「大丈夫よ、意外にしぶといし。」
それに、あの男がいるでしょ、と智里は目でそう言っているようだったが、付き合いの短い涼太はそれを感じ取ることは出来なかった。
「酷い妹だな。」
「そうかしら?」
「智里ちゃん、涼太、その辺にしないと。」
「ええ、そうね時間の無駄だったわ。」
「……。」
まだ不満が残っている涼太は黙り込むが、エレベーターに乗り込む三人に、彼は大人しく乗り込むしか出来なかった。
先の分からないゲームに少女たちは足を踏み入れる事しか出来なかった。




