月曜日・第一ゲームの行方 12
「……。」
最後の問題を見て友梨と勇真は同時に固まる。
「……。」
「……。」
それは特別難しいという訳ではない。
でも……。
「15679×9873693、って。」
単純な計算なはずだ。
友梨は頭を抱えながらも計算をするが、やはり、すぐには解けない。
友梨自身は算数とか数学はまだ得意な科目なのだが、それでも、それは計算するための紙などの道具があって出来るくらいであり、暗算では簡単な計算でないとダメなのだ。
「……。」
友梨はちらりと勇真を見た。
勇真は険しい顔をして、考えているのか、口元に手を当てている。
「どうしよう…。」
今にも泣きだしそうな顔をして、友梨は必死で考える。
たった一問。
それさえ解ければ解放されるのに。
自分の不甲斐なさに友梨は唇を噛み、口の中に血の味が広がる。
「何で……解けないのよ……計算…得意だと思ってたんでしょうが…。」
自分を責める友梨は気づかない、勇真が彼女を見ている事に。
必要以上に自分を責める彼女を勇真は痛ましいとその眼で言っていた。
そして、ダメもとで叫ぶ。
「昌獅っ!」
「んだよっ!」
不機嫌な怒鳴り声が帰ってくるが、勇真は気にする事無く言葉を発する。
「15679×9873593――。」
「154809632547!」
「えっ?」
間髪入れずに返ってくる答えに勇真は唖然となる。
「だから、154809632547だっ!」
「何で…。」
「いいから打ち込めっ!」
昌獅の言葉でハッとなり、勇真は言われた数字を打ち込む。
そして、機械から快活な音楽が鳴る。
音と共に昌獅が対峙していた相手が地面に倒れ込む……、それだけではなく、友梨、昌獅、勇真の三人を除く全員がその場に倒れ込んだ。
「終わったのか…。」
ずっと動きっぱなしだった昌獅は肩で息をしながら、注意深く周りを見渡し安全だと確認した瞬間に安堵の溜息を零す。
「大丈夫そうだな。」
その言葉と共に、友梨たちの第一ゲームは終了した。




