第三話 ハイハイ
今年で三歳。やっとハイハイができるようになった。
三歳、といっても、この世界の一年は、春夏秋冬…つまり四季で一ヶ月は三十日ずつなので、
私は結局、現実世界の一年くらいで、ハイハイができるなったという事だ。
もちろん、別に早くも何とも無い成長スピードなのだが、ハイハイの効果は凄まじかった。
まず、一番の効果は何と言っても、私の精神的な面の事だ。
正直な所、私はこの三年間、この世界に来てからというもの、少しうつ病みたいになっていたのだが、
ハイハイが出来るようになってからは、少しばかり心に余裕ができた。
おかげで、たまには家族サービスの一環として、笑ってあげる事も出来てるから
まったく、ハイハイ様々である(実際子供が全然笑わないと、エリスがかなり心配してた)
しかも、ハイハイスキルというものがあって、このスキルレベルを上げると歩けるようになるらしい。
で、さっきから、家の中で動きまくってるけど…
(全然上がんねぇ~!)
しかもまだレベルが低いので、めっちゃ遅い。
自分では頑張って動かそうとしてるんだけど、実際は生まれたての小鹿のように、プルプル震えているので、かなりきつい。
幸い、寝るだけでもスキルは上がるし、ハイハイスキルの最大値は10らしいから(この情報はスキル画面にあった。ちなみにスキル画面は一年程前、偶然発見した)何とかなる…よね?