14.帰還
カリーナの右腕には、銀に輝く腕輪が嵌められていた。
高価な装飾品のように輝いているが、その本質は枷である。
それは神々によって嵌められた枷。
守護者はその枷の効力により、封印の間から出ることができない。
しかしカリーナは現在、封印の間から飛び出して森の中に居た。
「頼まれたから壊したが、あんな腕輪一つでそんな効力があるのか?」
森の中でザングがそう言った。
「はい。あれは神々によって創られた神具。その効力は絶対です。守護者には枷を破壊することはできません。ですので、本当に助かりました」
そう返事したカリーナの右腕から腕輪が消えていた。
「ああ、まあいいさ。さて、さっそくだが……」
「はい」
カリーナは地面に目を向けた。
地面には黒色の魔法陣。
カリーナは魔法陣に向かって両手をかざす。
その直後、魔法陣がゆっくりと薄くなっていく。
数秒後、魔法陣は完全に消え失せた。
「瘴気も消えてる。成功……だね」
ノイがそう呟くと、ザングは軽く息を吐いた。
「依頼は達成だな。よし、アムトス村に帰還するぞ」
「うん、それはいいけど……カリーナさんはどうするの?」
ノイからそう問われ、ザングはカリーナに顔を向ける。
「分かり切った上で一応訊くが、住む場所はあるのか?」
「ありません」
「だよな」
ザングは少し間を置いてまた口を開いた。
「まあ、どうするかは後で考えるか。とりあえず、三人で村に帰るぞ」
「分かった」
「ど、道中よろしくお願いします」




