レベッカ親娘の憂鬱
「我こそはマルラス王国ジムル領主の嫡男ヴォイドなり 聖王国に連れ去られたレベッカ母娘をお助けに参った!! 素直に渡すがよい」
外壁で100人ぐらいの領兵を引き連れた豪華な服を着たカエル顔の太った男が大声で喚く
騒ぎの中 駆け付けたクロノス王が外壁の上に立ち
「この騒動はマルラス王国の国王も承知の事なのかい?」
カエル男に問うと
「無能な国王など関係無い!! 親子を我が領地にお迎えに来ただけだ!!」
そんな言い争いをしてるとレベッカ メリル アリアも外壁の上にやって来た
三人を見たカエル男は
「おお!! レベッカ様 メリル嬢 アリア嬢 お久しぶりでございます さあ 私と共にマルラス王国に帰りましょう」叫ぶが
「どちら様でしょうか? 私共は聖王国の住人ですので帰る場所はここでございますよ」レベッカが突っぱねると
「「そうです 私達の帰る場所はここだけです」」メリルとアリアもカエル男に叫ぶ
「何を言っているのですか あなた方の帰る場所はマルラス王国のジムル領ですよ レベッカ様は貴族として迎え メリル様とアリア様はまだお若いが私の妻として迎えましょう」
その言葉を聞いて顔面蒼白となり見つめ合うメリルとアリア
「「絶対に嫌です!!」」二人が声を揃えて叫ぶ
「まあまあ お二人共恥ずかしがらないで こんな冒険者上がりが王の国より 歴史と格式のある我が領の方が安泰ですよ」
カエル男が言うと同時に馬の上から叩き落とされる
「お前如きが兄貴の事を喋るんじゃねーよ」マオがカエル男を蹴落とした馬に跨って見下ろしながら言うと
「き 貴様ー」後ろにいた領兵達が突進してくる
「岩壁」リリエルが唱えると 領兵とマオの間に分厚い岩の壁が現れる
壁に激突する馬や人のいななきや悲鳴が聞こえる
「お兄・・・ 我が国王を侮辱したこと万死に値する!!」叫びながらシャルロットが壁を飛び越えていく
「「グハッ ウギャ」」呻く声が暫く続き そして静かになった
リリエルが岩壁を消すと その先には領兵が全員倒れていた
その光景をポカンと口を開けて見つめるカエル男に
「さあ 彼らを連れて帰り給え 今回の事は宣戦布告としてマルラス王国に伝えさせてもらうよ」クロノス王が言うと
「さっさと帰れって言ってるんだよ」マオがカエル男の尻を蹴飛ばしながら叫ぶと「ヒッ ヒィー」カエル男は悲鳴を上げながら領兵の元に走って行き 倒れた者を起こしほうほうの体で逃げて行った
マルラス王国に今回の件を報告し 暫く時間が経った頃 国王自らが聖王国に謝罪と顛末の報告に尋ねてきた
「今回は誠に無礼な真似をして 申し訳ない ジムル領は王軍によって制圧し 奴らの身分は関わる者全て剥奪しました」
国王の話によると他領と結託し抵抗を試みたそうだが原因が聖王国への武力介入だと知ると他領の者達は離れていったらしい
「もういいですよマルラス国王 内戦にならないで良かった それに貴方から受けた親切に比べれば些細な事です」
クロノス王が言うと
「おお ありがとうございます」マルラス国王は更に頭を下げる
「長旅でお疲れでしょう」そう言ってクロノス王は温泉に誘う
「これは!! たまりませんなあ」マルラス国王が肩まで温泉に浸かり溜息と共に漏らす
翌朝 スッキリした顔でマルラス国王は帰っていった
その後 新しい名産が出来たとの事でシリウスと共にメリル農園に出向いたクロノス王 初代トワの残した覚書に載っていたアイスというのを再現したらしい 人狼から大量の砂糖が手に入るようになったので作ってみたそうだ
「「ああ 冷たくて美味しいね」」シリウスとクロノス王が言うと
「ありがとうございます 気に入って頂いたようで嬉しいです」メリルが照れながら言うと
「この前は 私共のせいで御迷惑をかけました」レベッカがクロノス王が言うと
「全然気にしなくていいよ」微笑みながら答えるクロノス王
「王位を譲ったら ここに移住して私やメリルとアリアと暮らしたいと言っておりましたので クロノス王から不興をかわないかと凄く心配しておりましたから」
レベッカの言葉に
「それは 楽しみだね」最後の一口を食べながら笑うクロノス王




