第75話 3対3
メグの元にジュドーとヒロが駆けつける。
これまでとは雰囲気が異なるゾームを見て、ジュドーがヒロに聞く。
「相手は3体。
これまでのゾームよりもレベルが高そうだ…
ヒロ、大魔法は使えそうか?」
ヒロは充実感を感じたものの、『鎧を来たゾーム』の登場によりこれまでの仕組みでは討伐できないことを知った。
そのため、限られた魔力しかチャージされていないと感じていた。
「使えそうですが…
いつもよりも威力が低いかもしれません。
一体ぐらいなら、確実に倒せるかと」
「なら、ちょうど3対3だな。
ヒロは右のやつ。
俺は左のやつ。
メグはエルザスに飛び掛かって行っちまうだろうから」
とうとう、プロジェクトマネジメントではない部分である”戦い”においても、ヒロは戦力の一部になってしまったようだ。
ヒロにとっては、貢献出来て嬉しいやら、怖いやらで複雑な気持ちだった。
エルザスを含む、3体の鎧を来たゾーム。
相対するのはメグ、ジュドー、そしてヒロ。
ヒロは覚悟を決めて、自分の目の前のゾームを見た。
屈強な上半身を持つゾーム。
ヒロは、すぐに自分にできることを考えた。
今の魔力で放てる大魔法が、頭に思い浮かぶ。
前回の満月では時を止め、かつ消滅の魔法を唱えたが、今回はそこまでの魔力はなさそうだ。
とは言え、腐っても大魔法。
それでも今のヒロは、この世界の誰よりも高度な魔法が使える。
目の前のゾームを倒す方法はいくらでも思いついた。
だが、ヒロはメグとジュドーが気になった。
この強敵に思えるゾームに対して、彼らは対応できるだろうか。
特にメグは、怒りに我を忘れているかもしれない。
メグをちらりと見ると、息が上がっており、とても冷静には見えなかった。
ヒロの魔力は限られている。
目の前のゾームを倒すことに全ての魔力を使って良いものか。
そう悩み始めると、なかなか行動に移せなかった。
3人とゾームはしばらくにらみ合っていたが。
ジュドーに相対するゾームが初めに攻撃を仕掛けた。
ジュドーは攻撃をかわし、すぐに剣技でゾームの足を一本、切り落とした。
ジュドーが優勢に見える。だが、これまでのゾームとは異なり、動きが早く、力も強そうだ。
やはり強い個体のゾー厶なのだろう。
鎧を着ているため、胴体に攻撃がうまく通らないという点もある。
ジュドーは苦戦とは言えないまでも、余裕はなさそうである。
ヒロの目の前のゾームも距離を縮めてきた。
ヒロは戦いに慣れてはいない。
プロジェクト運営と異なり、迅速な判断ができない。
ヒロは、ゾームとは明後日の方向に走り出した。
とりあえず、逃げながら考えることにしたのだ。




