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異世界×プロジェクトマネジメント  作者: 爽一郎
4章 設計構築すべし
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第66話 優秀すぎるメンバー

ランペルツォンは上を向き、黙った。

そして、ヒロに再び語り掛けた。


「分かった。

 他の案を検討しよう」


マーテルが割って入った。


「他の案って言っても…魔道具の制御はどうしましょう?

 ヒロさんが複雑な制御を嫌うのであれば、簡単にサンダーボルトの発動位置制御する必要がありますが、できますかねぇ…?」


ヒロがうなった。そして、メグに問いかける。


「確かに、そうですよね…

 メグさん、矛の形を変えたり、兵器の形状が変わるとしたら、簡単にサンダーボルトの発動場所を制御する方法があったりします?」


メグが言葉を返す。


「複雑な制御を減らすなら、魔道具と矛を直接引っ付けてしまえばいい。

 矛に魔道具がある場所をサンダーボルトの発動場所にすれば簡単」


その言葉に、マーテルが焦ったように言う。


「いや、魔道具は結構デリケートなものですよ!?

 矛に付けて一緒に飛ばしたりしたら、変なところにぶつかっただけで壊れてしまいますよ…」


「いや、待て」


ランペルツォンが言葉を投げかけた。


「電撃を通す線を兵器の本体と矛でつなぎ、その線を通じてサンダーボルトを流せばどうだ?」


マーテルがはっとした顔をした。


「おお、魔法制御プログラムではなく、物理的に導線を作って制御する、ということですね。

 そのほうが、確かに簡単です。

 なまじ詳しいと、そんな単純な方法は思いつかないもんなんですねぇ」


結局、物理的な線を矛と兵器に繋ぎ、サンダーボルトを導線を通じて流すという仕組みで確定となった。


会議が終わった。

ヒロは、メグとマーテルの案を潰してしまった点を懸念していた。


が、マーテルはケロっとした顔で去って行った。

複雑な制御の魔道具、というのも彼にとって面倒だったのかもしれない。


一方で、メグが、少し悔しそうな顔をしていた。

ヒロは、他のものが去ったことを確認してから、メグに話しかけた。


「メグさん。

 …怒ってますか?」


「怒ってない。

 ただ、歯がゆい」


「歯がゆい?」


「はやくゾームを倒して、エルザスのことを突き止めたい。

 そのためなら、私は何だってする。

 でも、ヒロがいうみたいに私の魔法は複雑なものが多い。

 力になれない…

 そう思うと、歯がゆい」


ヒロに、メグの苛立ちが伝わってきた。

メグにとって、ゾームは兄に何が起きたのかを知る、唯一の要素だ。

はやく、ゾームに接触し、なんらかの情報を得たいはずだ。

だが、満月の夜に備えるしかない今の状況で、メグができることは兵器開発に全力を注ぐことだけなのだ。


ヒロはメグに申し訳なさを感じた。

同時に、メグの力を活かしきれていない自分に苛立ちを覚えた。

メグの実力はこのプロジェクトには宝の持ち腐れかもしれない。


プロジェクトから、抜けたいですか…?


ヒロはそう聞こうと考えた。

だが、それこそゾームという手掛かりからメグを遠ざけることになる、最悪の選択肢だ。

プロジェクトというエネルギーの向け先がなければ、メグが湿地帯の洞窟に単身で突入し、命を落としてしまうかもしれない。


ヒロはプロジェクトマネージャーとしてのふがいなさを嘆いた。


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