表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/25

空の旅再び


飛行魔法、それは異世界トリップの浪漫!

そう思っていた時期が俺にもありました。


人はなぜ空を飛ぶ事に取りつかれるのであろうか。

やはり自力で飛べるという事が夢のようだからだろうか。




「でもこれは危険すぎると思うんだーーーーーーーーー!!!!」




いつものごとく垂直落下してます、聖名明です。







「で、出来ねえ…」


剣とかブンブン振れたし、魔法とかも結構さくさく使えてたから飛行ぐらい簡単だと思っていたのに…。

浮上する事は出来ても、前に進まない。

浮上魔法で浮く→飛行魔法に切り変えて前へ進もうとする→落ちる。


このコンボで既に半日が経過している。

生傷はないし(どんだけ頑丈なんだよ…)、多少足が痛いかな? と思うとスノーがすかさずピカーンと魔法をかけてくるしで特に不都合はないのであるが。

いつになったら飛べるようになるのであろうか。


「…待てよ」

「くるぅ?」


前に進まないのは何故か。

それは、飛行魔法が上手く使えていないからだろうと言う事はわかる。

そもそも空を飛ぶ感覚というのがわからないから、動かないんじゃないだろうか。


浮上魔法はその場で浮くだけで、これは上から吊られるだけで得られる感覚だから簡単。

だが俺は自転車で人力飛行とかそう言った事はやった事がないので、飛ぶ感覚がわからないのだろう。

じゃあ、どうするか。


「……スノーには乗れない」

「くる」

「しかし飛ぶ感覚は、スノーと一緒に飛ばないとわからないよな…?」

「く、くる!?」


じい、とスノーを見つめるとびくっと反応する。

いや、そんなに警戒しなくてもいい。

俺が、出来る事をすればきっとやれる!!!


「スノー、でかくなって?」

「くるー」


ぽぽん、と大きくなるスノー。

そして俺はおもむろに自分に魔法をかける。


「重力軽減!!」

「くる!?」

「つーことで…スノー! 俺を」


ふわり、と浮きそうになる処を浮上魔法で止める。

さあ来い!!



「荷物運びだ!!!!」

「くるー!!!」





つーことで俺は俵のごとく運ばれる事を選択した。

え?

捕食寸前に見える?

大丈夫、どんなに強く持たれても死にはしない!(頑丈だから)



ぽぽーん


『クエスト:空の旅

 内容:ちょ、騎乗じゃなくて運搬とかスキルの穴使わないでよー!?』



きにすんな!

知恵を絞ってクリアする、それが正しい日本人だ!!






「で…」

「くるるぅ~♪」

「いつまで、飛ぶのかな、この鳥は…」



スノーは飛行が楽しくなった!

街をいくつか通り越したが、スノーは気にしていない!

ところで目的地どこだっけ!

そして心の声が聞こえている筈だが全く持って言う事聞きゃあしねーぞ!?



「このままだと国外に行っちまう気がするんだけど、いいんかなあ…?」

「くるーん♪」


くるくるー、と旋回しながら速度を上げていく鳥に一言言いたい。

なあ、一般人コレ、窒息すると思うから。

もうどこまで俺が規格外なのかお腹いっぱいになってきたけどとりあえず飯のために街におりようぜ…?





―――――――スノーが空腹を訴える頃には、俺は眠りについていたので着いた場所がどこかわからなかった。



ぽぽーん。

『空の旅クエストをクリアしました!

 報酬:迷子になりました!』



…いや、もういつも通りすぎるから突っ込む気も起きんわ…。

重量軽減の伏線はこうして回収された(違

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ