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喫茶店フォレスタ  作者: うらひと
盾(じゅん)編
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22/30

『盾とブレンドコーヒー』

禁 複製転載・AI学習

 休日朝の客が流れ始めてしばらくして、親友の子供(たち)が遊びに来た。

「こんにちはー」

「……こんにちは」

「お(じや)()します」

「いらっしゃいませ、お三方」

 末っ子の森宮(ゆい)と、長男の(そう)、そして(そう)(こん)(やく)(しや)()()だ。(ゆい)はしっかり者の一方で末っ子らしく(あま)え上手で、こうして上の子を(さそ)って遊びに来ることが多い。楠家(くすのきけ)も強い個性を持つが、森宮家の中でも(そう)()(だん)()に和服を着てくるくらいにはブレない個性を持つ。そう言った意味で似たもの同士なのか、(よう)(すけ)とも交友が深い。

「注文はどうなさいますか」

「エスプレッソで……今月の、ブレンド」

「私は……カフェオレでお願いします」

「私もそれでっ」

 大人しいふたりと、はきはきした妹で和服が並ぶ。(ゆい)がこのふたりと遊びに来るときは()(だん)の洋服ではなく、和服で来る。その理由を聞いてみると、「着付けも楽しいし、()(だん)から出来るおしゃれだから」と(うれ)しそうに語ってくれた。(よう)(すけ)(そう)に「好きなものを共有したい」と(ふく)(しよく)の話題に(さそ)ったのを、どちらかに教えられたのだろうか。(せん)(じん)を切って自己を(つらぬ)く背中を見ることが出来るのは、末っ子の特権だ。そう思う事が出来るのは、親ならではの特権かもしれない。(きょう)()もそうした姿を見て、妻である(はつ)()の背中を見て前向きに育っているのが何よりだ。

「三人ともお待たせー!」

 そんな風に思考を(めぐ)らせていたら、(よう)(すけ)がお()()を出しに来たようだ。セットだが、最初なのでお(すす)めを出させてもらった。

「今月のブレンドは香りが上々なので、ホットでお()()がりください」

「朝から良い香りだったもんねえ」

「感想はお()(やわ)らかに」

 表情に出にくい(そう)相手でも、味見で顔をしかめているときは(きん)(ちよう)してしまう。気を(つか)ってくれるけれども、本人が思っている以上に気持ちに正直な評価が下っているのだ。

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