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第43話 ドレムの想いとエレーナの想い

 ドレムはゆっくりと、エレーナに語るように自らの過去を話し始めた。


ドレムとムーユが元は人間だったこと、瀕死の状態下でティタノゾーアに拾われたこと、そして人間界に派遣される前に各地を回ってティタノゾーアの圧政の悪影響を知ったこと……隠すことなく、正直に話した。


「そっか……色々聞きたいことはあるけどさ、疑っていたならなんでティタノゾーアに従ってたのよ?」


「お前の言いたいことも分かる、だが恩義のあった手前、裏切るわけにもいかなかったからな……お前らと戦った時には葛藤しながら過ごしていたよ。そんでまぁ、負けて……計画も知っていたからな、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということも。征服する対象が、人間界から魔界に順序が変わっただけのこと、お前のところに飛び込んだのは……そのためだ、もう一度ティタノゾーア様を倒してほしい、今度は完膚なきまでに、という意味で。」


「そういうことね……アンタ、やる事はえげつないけど悪いヤツじゃないからね……でも驚いたわ、アンタが元人間って……通りであのオークが魔物擬き、って言ってた意味が腑に落ちたわ。」


「事実だから気にしちゃいねーよ、だからといって魔王の誇りがないわけじゃねえ、魔界のために何が出来るか、必死に考えた結果がティタノゾーア様を討って、魔界に平和と安寧を齎したい、って想いだけさ。それとお前への恋心は話は別だろ? そういうことだ。」


「……小っ恥ずかしいこと、サラッと言わないでよ、ドレム……」


エレーナは少し頬を赤らめた。


ここらはまだ、初心な少女といったところだ。


「でもさ、言わせてもらうわよ、ドレム……」


「なんだよ?」


「アンタは自分を犠牲にしすぎよ!! 少しは自分のことも気にしなさいよ!! ……もう、ホントに鈍感なんだから……」


「??? いや、魔王たるものな、民のために心血を注ぐ、というか、なんというか……」


「あーもう!! アンタのことが好きなのよ、私は!! そーゆー、誰かのために真っ直ぐなところとか!! 自分のことを顧みなくって、心配になるのって……アンタくらいだから……」


「ど、どういう意味で、だ??」


「1人の男として、って意味!! 分かんないの!? あんだけ私に一目惚れした、とか言っといて人の好きに気付かない、ってどういう事よ!?」


ドレムは怒涛のエレーナからの告白を聞き、困惑の色を隠せなかった。


「ま……まだ、全部終わってねえだろ? 今受け入れるのは……」


()()()()()()()()()()()から今言ったの!!!」


遮るように、エレーナが素直な想いを伝える。


「もう……失いたくないの。目の前で、一緒に戦ってる人を……特にアンタは……自分を犠牲にしていれば大丈夫、って思ってるから心配で、しょうがないの……いつ死んじゃうか、分からなくって……」


確かに素直な想いだ、とドレムは感じた。


トラウマからでもなんでもなく、彼女のドレムへの心底からの恋慕を感じたのだ。


「俺も……少し人に甘くなってたということだな……わりぃな、心配かけちまって。」


「いいわよ、御託は……返事は?」


「今更、何言ってんだよ? 俺がエレーナを好きでいる、ってことはずっと一貫してるだろ? 今更返事もクソもあるか?」


「そ……そう、よね……良かった、不安だったから……」


エレーナはほっとして、嬉し涙を流す。


初の告白(魔法での強制作用は別)だったようだが、 受け入れられた事が精神的な重みを解いたのだろうか。


しかしドレムが空気を読まずにこう告げた。


「朝早えんだから、早く寝とけ。」


「お、おやすみ……」


2人は就寝し、翌朝になった。






 サゴン霊山に到着した2人。


祠をズズズ……とドレムが開けた。


「ドレムに勇者、か……何用だ?」


紫の肌の大男、ティタノゾーアが野太い声で寝起きのような声を発した。


「アンタの野望を止めに来た、それだけのことさ。」


「同じくよ。今度こそ……完全に討ち取ってみせる。」


最終決戦の火蓋が切られようとしていた。

次回から本格決戦。

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