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人狼 Zwei (ツバイ)  作者: 冬忍 金銀花


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第88部 狼祖伝説  さくら?とは馬だった?

 根を詰めて書きましたので、ネタ切れで書き出しました。つまらないです。


 1955年8月(昭和30年)東京都・神田区


「ちょっと! 私たちはやっと自宅に戻れましたのよ。アメリカやモンゴル、それにエストニアにも行きました。それからが北海道・苫小牧でしょう? これはもうどういう意味ですか、嫌味ですか~、教えて頂きたいですわ」

「そうね、途中で一年もあったというのに、一年後に飛ばしてさ!」


 という事で久しぶりの東京です。


「自宅は残っていますかね~」

「まだ在るみたいよ。でさ、沙霧お姉さまは自宅には帰らなくていいの?」

「もういいの。諦めたわ。夫とは離縁したし、今さら可愛い顔を下げてでも帰れないの。お願い、この家に泊めて下さ~い」

「水臭い事をいいますのね」


「あのう~、私も泊めてくださ~い」


 アレクサンドラである。少しも名前が出て来ません。


 帰る家が無くなった悲惨な沙霧。また昔のように四姉妹でバカ騒ぎが出来る。


「ねえ、ねぇ、お父様とお母様の二人で、秩父市の三峯神社へ行かせて良かったかな。彩香はどう思う?」

「夫婦のフルムーンで良いのよ。二人は何も言わなかったでしょ?」

「でしょ、でしょ。ねぇ~」

「私たちはまだやる事は沢山ありまして? よ」

「そうね、退職届けに退学届け、死亡届けに、他何かあるかな」

「生活安全課へ、お礼参りには行くべきかな」


「そうだね。行こうよ! これは戦争よ! お給与の確保よ!」

「木之本に告ぐ! 速やかに未払い給料の支払いを求む。戦争よ! あんたたち! 私たちに勝てないでしょう? 速やかに金二億五千万円を払え~!」


「あんた、金額が増えないうちに払ったらどうお?」

「そうだな。ピンハネしてたから、三億円を払うか! あんた、ワルしてたの?」




 1955年8月(昭和30年)埼玉県・秩父市



*)三峯神社(みつみねじんじゃ)


 智治が調べた狼祖伝説は、日本ではここだけである。日本は早くから稲作文化だから、狼祖=人の先祖はオオカミだ! という理屈が通らない。この理屈が通るのは騎馬民族のモンゴルとかである。日本は島国だから他国に侵攻される事が無かったから。


「ここにはオオカミを大神と言って、神性と知性の象徴として畏敬している」


 だから、遠い過去、ここに住んだのは流れ着いた、中央アジアの人民だったのだろうかと、思いを馳せたが違いました。


 日本には多くのユダヤ人も流れてきて住んでいた。天狗伝説がそうらしい。京都の祇園はその最たる事実を言い表している。ペルシシャの時代痕跡が多く含まれている。



「あんたたち。埼玉県秩父市に在る三峯神社は知っているかい?」

「はい、日本で唯一のオオカミを祀る神社ですよね」


 この三峰山の上に「龍洞」というとても深い井戸に、竜神が住むと言い伝えがあり、水分神が祀られているという。この水を飲んでまた全員は旅に出てくれと桜子の母が遺言として語った。


 モンゴルの獣祖神話は、狼と犬が出て来る。これが西アジアでは、猿になる。ヨーロッパでもオオカミの伝承は多いが日本は少ない。


 日本の神社各所に狛犬が一対鎮座している。狛犬の作りは殆ど同じだが口の形が違う。 ここ三峯神社には狛犬の代わりに狼の像が鎮座している。


 ここを調べるのも一興かもしれない。猪鹿・火盗除けとして山犬=狼を祀る。


神乃山水

 三峰山の上に「龍洞」という深い井戸がある。竜神が住むと言い伝えられ、

水分神(みくまりのかみ)が祭られている。水分神とは、神道の神である。 いわゆる、ここたま である。

 

「ねぇ、ここにはロープウエイは無いの?」

「ああ、無いね。出来ても直ぐに廃止されるよ。公金の無駄使いだな。霊山に登るのに、機械の力に頼ってどうする。霊験あらたかとか、ご利益は無いよ」

「ああ、そうだね。智治! おんぶ! もう疲れた。おんぶ!」

「俺が死んでも知らないよ?」

「智治は死なないもん」

「変身! テクマクマヨキン、テクマクマヨチン、オオカミにな~あれ!」

「さ、おんぶして頂上、目指すぞ!」

「ラムダス、ラムダム、ルルルル、ルー・ガルー!」


「あんた、ここの深い井戸に身を投げるんだよ」

「さくらさん、俺を殺さないでくれ」

「だって、ここの水を沢山汲んで来るんだからさ」

「俺はイヤだ! 500円で買う事に決めた」

「すみませ~ん。お水を20本下さい」

「はい、10万円です」

「はい、これ。10万円札。お釣りは結構です」


「さ、さくら! 愛しい娘の街に帰ろうか・・今頃は悲惨だろうな・・・」




 1955年8月(昭和30年)東京都・神田区


*)生活安全課


「署長! 死傷者が多数です。もう応戦が出来ません。お願いです。白旗をお願いします。署長!!ちょ~~お~~」

「もはやこれまでか! さくらさんが戻るまでは死守しないと・・・」


「シン! もう降参しよう!」


「なんでうちの署員は酒に弱いんだ。あいつらは小娘だぞ! 二十歳くらいだぞ!」



 生活安全課の玄関で大きな声が響いた。


「新之助! 生きているか~。ニキータ、くたばったか~!」

「さくらさん、鬼夜叉を退治してください。居着いてしまって困っています」

「ああ、そうだろうな。カネ払ったか? あ?あぁ?ん?」

「いいえ、払っていませんが・・・」


「こらぁ~、俺も混ぜろや! 戦争すっぞ!」


「これは、これは、桜子さま。これは上納金目録でございます」


 桜子は神の水=神水を飲んで上機嫌だった。署長からの目録を受け取り広げた。


「なんだいこれは。ただの紙切れじゃないかい。おい、ニキータさん、あんたの旦那は幾つになったかね」

「はい、十月のみそかで円満退官です。どうか、それまではお許し下さい」


「よし、分かった。こら~、よんしまい! 出て来い! 出てこないと・・・絞めるぞ~」


「お母様。一昨日の今日とは、随分とお早いお帰りですね・・・。それで? 霧香にどんなご用でしょうか?」


「これを飲め! 飲んだら出発する。おい、ニキータ! 旦那を頼んだわよ!」


「なんでシンをあんたから頼まれなくてはならないんだい! このバ~カ!」

「おい、ニキータさん。それは違うよ。智治の事だよ。なぁ、ニキータさん、桜子さんはもう戻らないよ!」

「え! えぇぇ?」



「はい、お母様。もう自分をごまかすのは止めましょうね。木之本さん、ごめんなさい。ご迷惑をおかけしました。こころが休まるのはここだけでしたから」


 澪霧は全員を代表して謝った。


「ほら! 署長。今までのお礼を言いなさい。きっとこれが最後だろう?」

「うっ・・・・・」

「全員! 整列。 礼。 ありがとうございました」


 機動隊の隊員をも含めて、安全課の全員が巫女たちにお礼を言った。


「桜子、あんただけに面倒を押し付けたね。済まなかった。ゴメン!」


 ニキータがしおらしく桜子に謝った。


 安全課を後にして、母娘の五人は旅に出る。


「みんな、神水は飲んだかい?」

「はい、エナは満タンです。行先はウランバートルですか?」

「そうだね、そうしようか」


「さ、みんなで手を繋いで、ウランバートルまで跳ぶよ!」

「あのう~、私はどうしたらよろしいでしょうか~」

「あんた、誰だい。見た事も聞いた事もないね~」

「そんな~、あんまりで~~す~」


「お母さん。待って下さい。シビルを探すんでしょう?」

「ああ、そうだが、何かあるんかい?」

「はい、綾香が呼んで召喚させます!」

「あぁ、そうだったね。神水で力が出たんだね。では、シビルを呼びますか」

「シビル~~~!」

「ホーイ、呼んだ~、呼んだかな~~?」

「ズゴ! ゴ!」


「じゃぁ、魔法でウランバートルに飛ぶよ!」

「巫女の命により、ここの七人をウランバートルまで、届けよ! セコヨネカ!」


これで、ウランバートルと言わずにヨーロッパまでの路銀が手に入った。


「あんたらは、疫病神だ。カネヨコセ!! とはなんだ」

   

 十日後には、 桜子、沙霧、澪霧、彩香、綾香、ソフィア、クライ、シビル、カムイコロ、デルフィナの十人が集まる。


 十五日後には、タリンで、桜子、沙霧、澪霧、彩香、綾香とアンナとキャスと合流して、約九日間の作戦会議が行われて、ポル=バジンへ向かう。




*)木之本夫妻と智治


「杉田さん。ほんと、娘四人集まれば、やかまし! と言うが実感ですね」

「いや、違うだろう。 かし がまし になるよ」


 新之助が智治を呼び止めて、嵐が過ぎ去ったというような感想を言った。これについて智治は、いつもの事だと言って、騒々しい娘の行いをの詫びを言った。


「あ、そうそう。呼び止めた用件はですね、ホロさんが久しぶりに訪ねて来ていますてね、シビルさんを連れてあったんですが、ホロさんは自宅に泊まらでれてですね、智治さんを連れてきゅるよにと、頼まれています」


 新之助は呂律が回らない。それもそうだ。娘相手に酒を飲んでいたから。


「母が? そうでしたか、母がシビルを連れてきたんですね。いきなり、ポンと二階から降って来ましたので、驚いたのですよ」


「今日は智治さんも泊まっていって下さいな。ニキータも喜びますよ」

「そうですね、ニキータさんは命の恩人だから、最後にもう一度お礼を言っておきますか。では、今晩はお世話になります」


 木之本は後継の署長に一言、頼んでいた。事務所に行くと、


「ニキータ。今日はもう帰るよ。宴会だ!」

「そうかい、今日は楽しみだね!」

「俺も混ぜろや!」

「あ、課長さん。署長就任おめでとうございます」

「びゃ~ろう、棺桶の一歩だえだぎゃ」


 



「おらぁ! 明日は夫婦で休むから、頼むな!」


 ニキータは大声で誰とはなしに叫んでいた。


「お疲れ様っス!」

「ああ、ありがとう。おまえら~、二日酔いでも出て来るんだぞ!」


 三人して事務所を出た。まだ日が高いので汗を拭きながらの帰宅だった。もとい、ビールの飲み過ぎで汗が流れ出るだ!


 ニキータは買い物に行くと言って別れたが、


「やっぱり~、荷物持ち~、頼むよ~」


 二キータは大声で叫んできた。ニキータもダレていた。最後にポツリと、(飲酒運転出来ないよな~~~)



「これ、重たいよ~。シン! 軽そうだね、代われ!」

「嫌だ! こちらが重いぜ。いいかい?」


 言葉の意味が通じない。いまだに酔っているようだ。


「なぁ~、シンさん。暫く厄介になってもいいかい?」

「ああ、全く構わないよ。で、用件は?」

「あいつらの遺品整理だ!」

「遺品? なんで遺品なのだよ。まだ生きているだろう」

「そうさな、今は! だが・・・」

「なら、戻るまで安全課で預かるよ」

「もう、戻らないさ! 先ほどで俺は家族とお別れだったよ」


「お前~、なんだそれはー。どうして先に言わなかったんだー」


 新之助はカンカンに怒り出した。だが、怒りの言葉はその一言だけだった。


「そっ、か。お前は独身になったのか・・」


 二人だけで先に帰ってきた。


「ただいま~」

「お邪魔しま~す」


「おかえりなさい。お疲れさまでした」


 そう言ってホロお婆さんが玄関まで出てきた。


「娘と孫がお世話になったね。騒がしかっただろうが、あいつらにはとてもいい思い出になっただろうさ」


「そうですね。送別会が出来ませんでしたので、思い出会を連続でやりますよ!」


 もしかしましたら、それ、永遠に続くかもしれません。


「お風呂を沸かしているよ。早く入りな」

「おう、ありがとさん」


「ただいま~。荷物取に来て~!」 

 ニキータである。





*)木之本家 


 地方の農家とかは台所は土間だ。薪で炊飯の用意をするのが普通。ただ、東京の木之本家の家の造りはどうだったのだろうか。夕食はとても豪華であった。と、さりげなく一行で済ませる作者だが・・。ここは海が近いから、魚料理で纏めよう。


「おい、この大きい鯛はなますにするのか?」

「ああ、そうするよ。残りはアラ炊きな!」

「カマスは塩焼きだね」

「それは、俺が焼くから、鯛の刺身を造ってくれないかい」

「舟盛りだね?」


「は~い、これ! おいしそうだよ。食べ放題ね!」

「お! マグロか、でかいな。これは簡単だろう。ニキータさん、刺身にしてくれ」

「そうだね、切るだけだから、俺が造る」

「ホロさん、魚を焼く前にお肉を焼いてくれ。魚が先だと臭いが酷くてまずく

 なるからさ」

「あいよ!」


「シンさん。この赤みの肉はなんだい? クジラか?」

「いや、違うよ。あんさんの嫁だな!」

「ヨメ?」

「おう、そうさ。さくらの肉! と言ってな。九州ではよく食べられているんだよ」

「だから、嫁か!」

「で? なんの肉かな?」

「馬だ!」

「はぁ?」

「だから、馬だ!」

「ニキータさん。シンを殺して、いいか!」

「こいつは、人狼だよ? 死なないよ!」

「それを聞いて安心したぜ! イッペン、死んでみて!」

「は? い~?」

「俺のカミさんは、馬なのか~」

「殺してや、る~・がる~」


「そいつは古いから、料理してもまずいぜ!」

「ははぁ! それはニキータさんが食べたものな! ハハハ!」

「智治! お前もいっぺん殺したる」

「俺は元人狼だ。本当に死んじまうよ~」


次章は、 最終章・ポル=バジン です。 次+1で終わりにします。


さくらとは、あのさくらです。桜ではありません。チェリーちゃん!という

別名もあります。 馬刺し!ですね。

九州ではクジラの肉が高価になった頃に、馬の肉を刺身で販売していました。

今は、g=400~2500円ほどで熊本のお肉屋さんに並んでいます。

クジラの肉に似ているから、さくら!という名前が付きました。

馬は戦国時代から食料という側面も担っていました。

また、南九州では鳥刺しがとても多いです。

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