↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人狼 Zwei (ツバイ)  作者: 冬忍 金銀花


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
80/91

第79部 巫女の帰還


 1952年12月(昭和27年)エストニア・首都タリン


 四姉妹の合わせ技で今回の戦いはあっけなく終わった。


「さ、さ! 巫女さま。先にバスタイムですよ!」

「なんで名前を呼ばないんだい?」

「巫女さまと、呼んだが一番楽なのでございます」

「ほう、そうかい。で、今日は何すんだい?」

「はい、昨日の披露宴の続きを少々!」




 1952年12月(昭和27年)日本・東京


 その頃日本では?


「バハロフスクからの連絡が無くなったのかい?」

「はい、所長! 丸三日になります」

「分った。ヨーロッパ旅行は中止だ。日本で、我が人狼巫女と人狼兵をぶつけてやるわい。ヒッヒッヒー!」


「所長、ハバロフスクから連絡が入りました」

「おう、バハロフスクの愚兄! どうしたんだい? 死んじまったかい?」

「ハバロフスクです」

「それは分かっている。なんだい?バハロフスク」

「だから、ハバロフスクと申していますでしょうが!」

「??????」

「字が違います。バハではありません。ハバ・・・ロフスクです。今回は総員が総崩れで負けました」

「やはりそうでしたか。いつ日本に来るのですか?」

「いつヨーロッパ旅行に来るんですか?」

「行かないよ! ハバロフスクの兄貴が日本へ来てくれ」

「身体がまだ半分しか再生してはいません。1954年の6月に参ります!」




 1952年12月(昭和27年)エストニア・首都タリン


「さ、さ! 巫女さま。戦勝祝いですよ」

「いいえ、結婚披露宴です!」


 ペイドルとクライの会話。


 翌日になり、沙霧と澪霧、それに綾香と彩香。昨日の四人の合わせ技の練習に街外れの森に来た。もちろん他のみんなも一緒だ。


「カムイコロさん。ここでいいかな」

「そうだね、辺りには・・・・人気は・・・・無い。ここにしよう」


 彩香は母にレイピアの力を四人に送ってくれるように頼む。


「お母様! レイピアの力をお願いします」

「いいよ、まだ力加減が判らないよ。だから少しずつ送るからね」


 桜子はレイピアを左手に持ち、右手を四人に向ける。そうすると、心なしか桜子の右手が白く光り出した。 


「こんなものかい? 彩香」

「うん、お母さん、どんどん送って!」

「あいよ」


「Zwei(ツバイ)ツインズ・シスターズ。」

 

 両手両足はソードとなりて、全身が漆黒の鋼へと変化する。さらに、右腕には赤き炎が纏わりつき、左腕には白き水龍が纏わりつく。4本のソードは刃は光輝く。巫女の最終形態だ。


「ゲート!」


 デルフィナの魔法は、ゲート魔法に進化した。


「霧香ちゃん、ゲートを潜ってみて!」


 四姉妹は言われるままに、ゲートを潜る。ゲートの先は500mほど先の林の中だった。


「ゲート!」


 デルフィナは再び四姉妹の横に魔法のゲートを出した。


「ウッヒョー! ぞくぞくするよ!」


 シビルが鳥肌を立ててわくわくするような声を上げた。


「こら! 四姉妹。魔法は使ったらダメだよ! 俺は受け切れないからね」 


 カムイコロが叫ぶ。四姉妹は森の中を自由に飛び跳ねている。少しの木々の伐採はいいかな?

と、勝手に薪を量産しだした。


「もう、あの子たちは・・・、霧香? いい名前だよ・・・」


 桜子は四姉妹に鍛錬を止めるように指示した。四姉妹の名前が出来た。


「今度は私がレイピアの練習をするよ。カムイコロ! 出てきな」

「あいよ、何すんだい。俺は魔法とは縁がなさそうだけれども?」

「そうね、どうなるか試してみるわ」


 桜子はレイピアをカムイコロに向けた。静かにレイピアの力を送った。カムイコロは、黒いローブを被ったような姿になって、身体は段々と大きくなっていく。


「ガーガォウ!」


 大きなヒグマに戻ってしまった。だが、前のヒグマの2倍にはなっている。


「ワォ! これは凄いわ。どんどん力が湧いてくる」

「カムイコロ、そのままで待機していておくれ!」  

 

「綾香と彩香、別々に力を送るよ。いいかい」

「はい」

「はいです」

 桜子は二人にレイピアの力を送る。二人は巫女の力が増していくのを感じた。

「どうだい? ソードダンサーに変身しておくれ」

「はい」

「はいです」


 綾香の右腕が長くて細い剣になった。彩香は左腕が大きく湾曲した剣になった。


「フュージョン!」


 二人の合体魔法だ。以前の姿とは代わって、赤と青に変身した。二人の剣から空に向けて、強力な炎と水龍が現れて高く伸びて消えていく。


「ウッヒョー! 寒気がするよ!」

 シビルは鳥肌を立てて声を上げる。


「お母さん。もう巫女の力は戻ったよ、ありがとう」



「ガーガォウ!」「ガーガォウ!」 = 「お腹が空いたし帰ろうか!」


「ファイヤー・バード・フレイアー!」「アクア・バード・スプラッシュ!」


 突然二人はヒグマに魔法を放った。


「ガーガォウ!」「ガーガォウ!」「キャイン!」


 ヒグマの黒いローブは魔法を遮る。炎は消え去る。しかし、魔法の水はただの水に戻って、ヒグマの顔に当った。「キャイン!」はその時の悲鳴だ。


「おうおう、お前ら!・・・・俺を殺す気か!」

「あらあら、お望みでしたので。どうでした? カムイコロさんの力は」

「おう、最高だ。これで俺も戦える」

「あ、ヒグマ! しっぽが燃えている!」

「どこ? どこ。・・・・おちょくるな~~~~!」

「俺は腹が減ったので、帰ろう、と言ったのさ。あ、あぁん?」

「はは、ごめんなさい。もういたしません」


 この後全員はホテルへ引き上げた。昼食をご馳走になった巫女たち。午後から作戦会議が行われ、とある重要な情報が彩香より報告された。


「あのね、ハバロフスクが変な事を言ったのよ。それで聞き返したら、なんとあのイカレ所長の石井とグルで、人狼兵の研究をしていたと言ったわ」


「ええ? なんだって! それは本当かい?」


「間違いないの。私たちの内の一人を捕まえて、日本へ送り届けたかったようなのよね。共同研究をしていたみたい」


「これは困ったわね。日本の人狼兵は全部イカレ所長に渡したんですもの。早くシンに教えなくてはいけない」


 ニキータが言った。そして、


「デルフィナ! 直ぐに日本へ帰国するわよ」

「はい、お母様。」


 桜子は突っ込みを言う。


「おや? ニキータさん、デルフィナと親子の縁が出来たようだね」

「ムフフフー! そうなのよ。とても嬉しいわ! フッフッフー!」


「じゃぁ、次の決戦は東京になるのかな。あのイカレだもの、一筋縄ではいかないね。苦戦しそうだよ」


 桜子が言う。また、


「もう戦いはこりごりだよ。早く孫の顔を見たいよね」

「キャー、恥ずかしい。お母さん。みんなの前で言わないで! お願い」

「お姉さま。クライさんを見習って下さい。もう幸せのオーラが出まくりでしてよ!」

「ァハ~ン!」????。

・

  ・

    ・

      ・

「クライ! さん、紛らわしい言、言わないでください。作者は誰が言ったかとか書かない人だからね!」

「はいはい、あんたも幸せになりなよ?」

「ブー!」

「まぁ、はしたない!」


「デルフィナ。夜の汽車に乗るからね。お土産を頼んだよ!」

「はい。ミーナとアレクサンドラに頼みますわ」

「それがいいね。アンナ! キャス! 今日でお別れになるね。元気でね」

「そうだね、寂しくなる。ニキータも元気でね」


「でしたら、私たちはクライを置いて一緒に帰ります」


 ゴルバチョーフ、ルカ、ターニャの三人で帰るという。


「そうですよね~。みなさん、また一緒に帰りましょうか!」


 シビルが言った。


「シビル、あんたは何処に行くのさ。またアメリカかい?」

「そうね、クライ。私は旦那候補を見つけに彷徨うわ! またどこかで会いましょう」


「頑張ってね!」

「クライちゃん、お幸せにね!」

 

「みんな。私たちも帰るわよ。お父さんが心配だもの」

「あら? お母様。ホロお婆様が居ますもの、大丈夫ですよ」

「それが一番心配よ。お酒の相手をするのがね?」


 もうすっかり戦いの緊張がほぐれてしまったようだ。皆は帰国の用意をして夕食はお別れパーテーになった。当然明日の汽車に順延になった。


「わーい、帰国だーーーーー!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。