第50部 長田区役所襲撃事件
1950年11月(昭和25年)兵庫県神戸市長田区
沙霧と澪霧の配属は国家公安委員会の総務課・広報室に決まった。のだが、どちらかを庶務課に配属しようとの意見が出された。この件については刑事課の進言があり、二人一組で多大な仕事が出来よう”という事でそのままの配属が決まった。
管理・指揮監督や警察庁としての事務等の単語が並んでいて、国家公安委員会の仕事は解説を読んでみても解らない。
二人の初仕事が、事件が起こった。
1950年(昭和25年)11月20日から11月27日に、またしても在日朝鮮人による公安事件として事が大きくなってしまった。普通は警察の範疇なのだが、警察の手に余る……それくらいに多頻度で事件が多かった。
兵庫県神戸市長田区では長田区役所襲撃事件が発生した。この事件は公安事件にと格上げされて、他にも第一神戸事件(阪神教育事件)に続き、第二の騒乱事件というから穏やかではない。
この事件も「どぶろく事件」と同じく不当な要求によるものだ。
権利要求と権利の願いは別物だろう、昔も今も全く変わりが無いのだから。
権利の要求は自分には直接関係ないのに権利主張を声高に叫び、要求が履行されても当の本人は利用しない。
権利のお願いは自分の事柄に関する権利の要求であって声高に叫ばないし、要求が通れば率先して感謝して利用する、そういうものだろうと思うがどうだろうか。
最近の要求とは前者が格段に多いと思う。あるいは自分の考えなしで他人に同調して声を上げる、愚の骨頂と思えて仕方がない。
************************************************************
長田区役所襲撃事件とは1949年から始まった金融引き締めで、戦後のインフレーションが収まり逆のデフレーションになってしまった。
デフレの進行で企業の倒産が増えたから失業者も大きく増えた。前から職に就けない在日朝鮮人が特に増大した? のは可笑しいと思えるのだが、当の在日は失業者が激増したというのである。戦時中の在日朝鮮人は終戦後に故郷の朝鮮に帰国の命令が下されているも、帰国せずに自分の意志で在日朝鮮人になった人達だ。今から思えば残って日本の庇護を受けた方がよっぽどましだと考える。
そんな人たちが多い福岡では、意外かもしれないが事業で儲けた社長さんらが多いのだ。
失業に喘いでいたのは日本人も同じなのだが、彼らにしてみれば不当な解雇だと言い、地方税の減免や生活保護の適用を認めるようにと、各地の役所に集団で押しかけた。おりしも国では緊縮財政で地方交付は少なくなり、インフラの整備もあるし税金のばらまきは出来ない。
朝鮮人は「朝鮮人生活擁護闘争」を展開し、1950年11月20日に大挙して朝鮮人が、神戸市長田区役所に押しかけて市民税免除と生活保護を要求した。だが区長は認めるはずはないので、逆に延滞税を要求したことだろうか?
したがって要求が暴動化してしまい区長を軟禁状態にまでしてしまった。警察ざたになり三十人が逮捕される。
次は11月24日になる。朝鮮人の約三百人が再び長田区役所に押しかけ、乱入して器物破損行為に走った。出動した警察官にも暴力で対抗して二十六人が逮捕される。
さらに暴動がエスカレートする。11月27日の朝に長田区にある西神戸朝鮮人学校へ千数百人の朝鮮人が集結して、鎮圧にかかっても石や棍棒を用意するなど、さらに暴動化していく様相だった。神戸市は警察官を総動員して集会を解散させようとしたが、犬め……殺してやる、とか、貴様らは人民裁判にかけてやるとか、暴言をはきながら朝鮮人学校から出て街をデモ行進した。その後もデモ隊は長田区役所や長田税務署を襲って破壊行為を行い百八十人余りが逮捕された。
(他省略します)
************************************************************
国家公安委員会の任務。
広域にわたる事件など国において調整を行う必要があると判断されて、沙霧と澪霧に初の出張命令が下された。神戸地方検察庁と共同で事件の調書や逮捕者の起訴を行っていた。
暴動の鎮圧にも参加した。規模が大きくなったしまったので、刑事課の課長が応援に駆けつけてアドバイスをしてくれた。地元警察にはとてもではないが、相談や指示を乞うとか出来ないものだ。
「課長さん応援をありがとうございます」
「なにせ、私たちは新人ですのでどうしたらよいかも判りませんし」
沙霧と澪霧は刑事課課長に感謝していた。
「なに、いつもの事だよ。礼はいらないからね、この際だからしっかり勉強してくれ」
「はい、この前までは課長を顎で使う予定でしたが……」
「いいよ顎で使ってくれ、桜子さんには武勇伝に纏めて話すからさ」
「母にですか、内密にお願いします」
「OK! そうするよ」
と課長は宣言したが当の桜子からは上の二人については逐一報告せよとの命が下されている。だから武勇伝が伝えられたのだった。
神戸地方検察庁の応援という名目の研修かも知れないが、当の本人はそのような考えも浮かばなかった。過去が人狼との戦いが続いたせいだろう、在日朝鮮人の恐ろしさが身に沁みて感じ取れたのだった。
結果は器物破損や騒乱罪、それに公務執行妨害罪等で百十八人を起訴するも、僅か十七人が公務執行妨害罪等で有罪となった。百人もの人たちを有罪にしたらそれこそ暴動が起きて刑務所に押しかけることだったか? だから鎮圧だけに留めたものと思う。
「結果が十七人では少ないと思うが、こればかりは懲悪とは行かないのが民主主義なのね」
「そうだよな、こんな弱い判決しか出せないのが日本だな」
「課長さん。これでは朝鮮人から舐められるね」
「ああ七十年たっても続いているだろうさ、情けないと思うよ」
「澪は黙ってるけれども、この事についてどう考えるのよ」
「私は……民意だから千年経っても変化は無いと思うね」
「そうね有史以来から中国やモンゴルの支配下に置かれたから、強国に追随するのが民意なのよ」
「情けない!」
この騒ぎには朝鮮人の人狼は関与してはいなかった。今頃はアメリカで計画を進めているころだ。
(題材が難しかったので終わります)
主人公を社会人にしてしまうと、どうしても仕事の内容に踏み込まざるを得なくなり、描写がより複雑になるのだと良く分かりました。そういう意味ではファンタジー系は楽だと思える。
朝鮮人学校は終戦後にGHQの進言により解散命令が出されたが、解散になった事実が無いようだ。解散命令は一度や二度では無いから常に反対運動が強かったのだろう。




